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国際基督教大学(ICU: International Christian University)は、教養学部のみを置くリベラルアーツカレッジで、日本語と英語のバイリンガルで教育を行っている大学です。国際性を使命に掲げる大学として世界に門戸を開いており、帰国生入試やIB生向け入試などを通じて、積極的にIB生を含む帰国生を受け入れている日本でも数少ない大学の一つです。
ICUは、他の大学では感じられないような自由な校風から帰国生はもちろんのこと日本の高校⽣からも非常に人気が高い大学です。しかし、受験を控える方々には大学について分からないことやIB生向け入試で不安なことも多いと思います。
今回は、このような疑問に答えるべく、IBを取得し帰国後、日本の大学受験を経験した筆者が現役ICU生を取材してきました!
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国際基督教大学 教養学部 4年生 小川さん
Q. これまでの経歴を教えてください。
A. 母の転勤で6年生の時に韓国に移住し、8年生まではイギリス系の、9~10年生はアメリカ系のインターナショナルスクールに通っていました。英語が不安だったので、学年は1学年下げて入学しました。11年生からは福岡のインターナショナルスクールに通い、IB Diplomaを取得しました。
Q. IBではどの教科を履修されましたか。
A. Japanese A Language and Literature、Biology、ArtをHLで、English A Literature、Math、HistoryをSLで履修しました。
Q. ICUではどのような研究をされているのですか。
A. ICUではダブルメジャーといって二つの分野を専攻することができて、私は教育学と言語教育学を専攻しています。現在は、中学校、高等学校の英語科教員免許とIB教員資格を4年間で取得しようとしています。
Q. 4年間で教員資格が取得できるのですね。
A. はい、可能です。でも実は、IB教員資格については、本来は「5プロ※」というプログラムを利用して取得することが想定されているのですが、私自身が4年で卒業したいという思いが強く、4年間に詰め込んで履修しています。同じことをする人は少ないのですが、取得単位の関係で理論上は可能で、大学院の授業を4年生で全て履修する必要があります。今ヒーヒー言いながら頑張っています(笑)。
※「学士・修士5年プログラム」のこと。学士と修士の学位を5年で取得することができる。「IB教員養成プログラム」は主に、この「学士・修士5年プログラム」履修者および大学院生を対象としたプログラムだが、小川さんのように学部生でも履修することができる。
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Q. ICUにはどのような学生が多いですか。
A. 私の周りには、自分を持っている人が多いです。みんな自分の芯みたいなものがあって、信念がある人や、「自分はこういう人」というのをよく分かっている人が多いと思います。
Q. 日常生活でICUらしさを感じることはありますか。
A. 学外でご飯を食べていても議論ができる人が多いです。議論というと硬く聞こえてしまいますが、決してそういうことではありません。楽しい話をしていて「そういえばこの間のあのニュース見た?」から始まり、そのニュースに関して問題意識を持って意見を交わすという感じです。
先日、モーリシャス沖の重油流出事故がありましたが、その時も議論に発展しました。みんな学んでいる分野が異なるため「でもこの側面から見たらこうだよね」という意見が出たり、同じ分野を学んでいてもそれまでのバックグラウンドが異なっていると違う意見が出たりします。大学生が日常的にこのような議論をすることはあまりないですよね。授業内なら当たり前ですが、授業外でも実践できるのはICUならではかなと思います。
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Q. ICUに入学してから魅力を感じた点はありますか。
A. 色々な学問を学ぶことができるICUでは、「これは自分に向いている」とか「これは違う」と理解するプロセスを踏む上で、なぜ自分はこれをやりたくてこれをやりたくないのかを考えることが多いです。自分自身をよく知った上で自分のやりたいことを選ぶことができるのは、入学してから魅力的だなと思いました。
Q. ICUでIBの経験が活きた場面はありますか。
A. そうですね。色々なことを勉強していくとそれらを互いに結びつけて考えることができるようになります。ICUでは分野横断的に学びを深めていきますが、これは簡単なことではないと思います。
私は、様々な分野を関連づけて考えるトレーニングを重ねることで、分野横断的な学びにも役立つ思考を自然と習得することができたのかなと思っています。
私の場合は、IBの頃からTOKやCASの経験を通じてこうした思考を養ってきました。ある分野と分野には一見繋がりがないように見えても、深く調べてみると密接に関係していたりして、世の中にある全てのものが互いに関係しているから今のような形があるのだと気づくことができました。これは、延いては自分のやりたいことを見つけていったり、自分について知ったりする上でも役に立ちます。
IBの経験をベースに、ICUに入学してGeneral Educationなどで幅広い分野の授業を受け、様々な分野で基礎から学びを深めたことで、様々な分野を結びつけて考えるという思考に磨きをかけることができたのかなと思ってます。
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Q. どうしてICUを選んだのですか。
A. 本来ならば、自分の興味のあることを大学で学ぶのが理想なのでしょうが、私は、高校生の時にやりたいことを決めることができませんでした。そのため、大学で色々なことを勉強しながら本当にやりたいことを見つけていきたいなと思っていました。
私は、一つのことを学ぶというよりも色々な知識や能力を身につけることが楽しいと感じていたので、それができる大学を探していたのかなと思います。そういう意味で、リベラルアーツ教育を受けられるICUはまさに私が求めていた環境が整っている大学でした。
また、一時はアメリカの大学も考えたのですが、高校までずっとアメリカ系やイギリス系の学校で教育を受けてきたため、そろそろ日本の教育を経験したいと思い、日本の大学に進学したいと考えていました。一方で、英語で勉強したいという想いもあり、日本にいながら英語でも授業を受けられるICUは、そうした意味でもぴったりの大学でした。
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Q. IBで大変だった教科はありますか。
A. Japaneseが大変でした。日本語と英語の両方を母語として取るBilingual Diplomaを取得したのですが、海外のインターナショナルスクールで教育を受けてきたこともあり、アカデミックな言語は英語の方が得意でした。なので、日本のインターナショナルスクールに転校して、日本語で本を読んだりエッセイを書いたりするのは大変でした。初めての模試の時に7段階中4を取ったことが非常に悔しくて、絶対に7まで上げて挽回したいと思い必死で勉強しました。
また、Historyも大変でした。イギリス系の中学ではイギリスの歴史を学び、高校では地理を学んだため、前提知識が少なく、IBで泣きながら勉強していました。
Q. では、楽しかった教科は何ですか?
A. Japaneseは難しかったですが、逆に楽しくもありました。私は、勉強を通じて知っていることやできることを増やすことが好きなので、自分自身にとっては新しい挑戦だったJapaneseは勉強していて楽しかったです。それと、Artも普段しないことを学ぶという点で楽しかったです。
また、福岡のインターナショナルスクールでは先生に恵まれていて、どの先生も教え方がうまく、どの教科ということではなく全体的に楽しい学校生活を送ることができました。
Q. IB生に何かアドバイスはありますか。
A. 自分にあった勉強法を見つけるのは大事だと思います。点数が伸びない人の中には、自分にあった勉強法が分からず、自分に何ができて何ができないのか分かっていない人が多いと思います。なので、そこを把握するのはまず大事なことです。
私は、これは珍しいと思いますが、授業中はノートも取らずにひたすら聞くことに専念していました。代わりに、Biologyなどに関してはチャプターごとに自分で教科書を印刷して複製して、たくさん書き込んでいました。私はPicture memoryという見て覚えるタイプで、何ページに何が書いてあるというのを全て記憶していたので、それが自分にあった勉強法なんだと思いました。これは勉強するプロセスの中で分かったことなので、これを全ての教科でやっていました。
また、明確な目標を決めることは大事だと思っています。ただ「IBで良い点が取りたい」というような漠然とした目標ではなくて、全ての教科の成績を6以上に上げるなどの細かい目標を私は設定していました。目標を立てたら、あとはそれを達成するために行動するのみです。
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Q. ICU以外にはどの大学を受験したのですか。
A. 早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学です。周りの受験生は日本国内で10校、アメリカで40校ほど受けている人もいたので、私は少ない方だと思います。
Q. どのように情報収集をしていたのですか。
A. オープンキャンパスに行きました。行ってみて、この大学に通いたいかどうかを雰囲気で感じ取りました。中には自分には校風があまり合わないと感じた大学もあったので、実際に大学に行ってみるというのは本当に大事だと思います。また、大学説明会にも行って、色々な話を聞いたりもしました。私が行ったのは、色々な大学が集まっているフォーラムのような形式でした。あとはネットで調べました。
Q. 先輩に聞くことはありませんでしたか。
A. 慶應と上智については聞きました。ICUの場合は、私が通っていた福岡のインターナショナルスクールではICUに進学した人がおらず、私が第一号だったので、一人で必死に調べていました。
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Q. ICUの出願はどのような形式ですか。
A. 私は、Universal Admissionsの書類選考で受験しました(現在のUniversal Admissions English Language BasedAdmissions (April / September Entry))。これは、IBのPredicted Scoreで出願することができました。他にも、先生からの推薦状やエッセイ、志望理由、高校の成績なども提出したと思います。このスコアと提出書類でUnconditional offerをもらうことができ、ICUに入学を決めました。
Q. 志望理由ではどのようなことをアピールされましたか。
A. やりたいことが決まっているなら、それを軸に志望理由を書くのが良いと思いますが、先ほどもお話したように、私はやりたいことが一つに決まっていなかったので、色々なことを学ぶのが好きで、一つの分野に絞ることができないと書いた記憶があります。ただ好きということだけではなく、なぜ色々な分野を学ぶことが好きなのかということと、それが今までのどのような経験からもたらされるものなのかという根拠とともに詳しく述べるということは意識しました。
高校時代に学んでいたIBの教科を示して、一つの分野に限らず、様々な分野の教科を履修していたということも志望理由を裏づけるものとして挙げつつ書いたと記憶しています。大事なのは、自分がその大学にぴったりだということを強調することだと思います。
Q. 志望理由書を書く上で、気を付けたことはありますか。
A. 具体的に書くということは本当に大事です。私が受験した書類選考試験には面接試験がなかったので、自分をアピールできる場がここしかなかったんです。
(書類選考は試験や面接がなくて)「楽で良いね」と言われることもあったのですが、実際にそれがどれだけ楽なのかは私には分からないです。志望理由書って使うのは文字だけじゃないですか。その文面だけでどれだけ自分を表現できるのか、どのように他の人と自分を差別化できるのかが左右すると思うんです。なので、自分の経験を効果的に言語化できる能力は大事だなと思います。
また、就職活動で企業分析をするように、受験では大学分析をすることが大事です。大学がどのような人を求めているのかというのが、たとえ明示されなくても読み取れてくると思います。それと自分がどのように合っているのかということを経験などに基づきながらとにかく具体的に書くということを意識しました。「なぜそうなのか」「どうしてそう思うのか」ということを突き詰めて論理的に書くことがとにかく大事です。
Q. 他にやっておいた方がいいことはありますか。
A. IBの成績は最後の試験で決まりますが、受験では今までどれだけ頑張ってきたかが評価されると思います。なので、私は試験だけ良ければ良いという考えではなく、辛くてもとにかく毎日コツコツ頑張ることが重要だと思います。毎日何かをすることって簡単そうに見えてそうではなくて、でもそれが一番自分の力になって結果として現れると思います。
特に、言語に関しては研究していて思うのですが、毎日の積み重ねが本当に大事だと思います。言語は短期間で身につくものではないので、英単語や漢字を覚えるというのは毎日コツコツやるべきだと思います。
大学受験は努力すれば必ず結果がついてくるものだと思っています。努力すればそれだけ認められるし結果がついてきます。IBで良い成績を取れる人はそれができている人だろうと思うので、泣きながらでも頑張ってほしいなと思います。
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Q. ICU生はどのような進路を選ぶことが多いですか。
A. 私の周りでは、コンサル系に進む人が多いと思います。それに、起業する人も多かったと思います。他にもメーカーやソフトウェア系に進む人もいましたし、進路は多岐に渡っています。
Q. IBの教員を目指されているんですよね。
A. そうですね、教員になることについてはずっと悩んでいるのですが、ファーストキャリアは教員じゃない仕事を考えています。先生や教師って勉強を教えるのはもちろんなのですが、それだけじゃなくて、社会について教えたり深く話ができることが理想的だと思っています。でもそれは自分が経験していないとできないことだと思うんです。なのでまずは別の仕事をして、経験を積んでから教師になれたらいいなと思っています。
Q. どの業界を考えているんですか。
A. 私は、メーカーに興味があり、その中でも特に食品や消費財メーカーに絞っています。社会にはたくさんの問題がありますが、それらにどうにか関わって、問題解決に貢献して、良い社会を作りたいんです。人に必要不可欠なことで勝負がしたいと考えている中で思いついたのが、食品や消費財でした。人の暮らしに必要不可欠な食品や消費財の力を使ってより良い社会をつくることはできないか、と模索しながら、今はメーカーを中心に面接を受けています。一方で、3月の解禁と同時に商社なども見ていけたらいいなと思っています。
Q. 大学で就活支援などはありますか。
A. あります。個別の相談会もありますし、Placement weekという企業の採用担当の方にお越しいただく学生向け説明会が毎年数回あります。あまりこうしたイベントには参加したことがないのですが、帰国子女を対象とした就活イベントのボストンキャリアフォーラムに向けたICUの説明会には一度だけ参加しました。
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Q. 最後に、IB生へのメッセージを頂けますか。
A. ICUは良くも悪くもすごく自由な大学です。大学って学ぼうと思えば本当に深く学べるし、楽をしようと思えば何も学ばずに過ごすこともできてしまうので、何か好きなことや熱中したいことがある人がICUに入ってくれると良いと思います。自分に自信がなくて、自分の考えや意見が正しいのかなという不安を漠然と抱えている人は多いと思いますが、そういう人は一度ICUの授業を受けてもらいたいです。議論や対話の中で間違った意見はないと思いますし、言葉にして発することで周りの人にも良い刺激になります。全てのことが学びになるということを感じて欲しいです。
小川さん、ありがとうございました!
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ここまで、ICUについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。ICUについてよく知ることはできたでしょうか。
私がICUに伺った時はキャンパス内に学生はあまりいませんでしたが、中庭に座って自由な雰囲気で勉強をしている学生の姿が非常にICUらしく印象的でした。
記事でも紹介した通り、ICUはIBのスコアを使って受験することができ、IB生にとっては受験しやすい大学です。志望理由は、一回では良いものは書けませんから、必ず誰かに見てもらって修正を重ねていく事が大切です。
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