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広島叡智学園中学校・高等学校は、瀬戸内海に浮かぶ大崎上島に位置する、国際バカロレア(IB)認定を受けた全寮制の県立中高一貫教育校です。2019年の4月に開校し、2019年の10月にMYPの認定校に加わった叡智学園は、2020年11月時点では、ディプロマ・プログラム(DP)認定に向けた申請段階にあります。国内では数少ない、中学校から全寮制の学校で、島ならではの環境を生かした、ここにしかない学習環境がとても魅力的な学校です。
国際バカロレア(IB)とは?
IB (国際バカロレア)ってなに?IBの概要と取得するメリット・デメリット
今回は、そんな広島叡智学園中学校・高等学校の魅力をお伝えするために、EDUBALスタッフが学校を訪れ、取材を行ってきました。広島叡智学園の校長先生とMYPコーディネーターの先生のお二人に、広島叡智学園の教育理念から今後の展望、学校の魅力や入試内容まで、様々なことについてお伺いしました。
全寮制のある学校や、MYP・DPが取得できる国内のIB校にご興味のある方は、ぜひインタビュー記事をご覧ください。
学校HP | https://higa-s.jp/ |
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設置形態 | 併設型中高一貫教育校 |
所在地 | 〒725-0303 広島県豊田郡大崎上島町大串3137-2 |
偏差値 | 58.0 |
生徒数 |
中学校:40名(1学年) 高校:60名(1学年) |
寄宿舎 | 設置(全寮制) |
進学実績 | 実績なし |
IB取得可能科目 | 【Group 1】Japanese A Lang&Lit SL/HL, English A Lang&Lit SL/HL
【Group 2】Japanese B SL/HL, English B SL/HL 【Group 3】History SL/HL, Geography SL/HL 【Group 4】Physics SL/HL, Biology SL/HL, Chemistry SL/HL 【Group 5】Math AA SL/HL, Math AI SL/HL 【Group 6】Music SL, Film SL |
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校長 福嶋先生
MYPコーディネーター 古市先生
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広島叡智学園のシンボル、「学びの回廊」。授業の合間には、生徒たちが語らう憩いの場となります。
ーまず最初に、広島叡智学園はどのような思いで設立されたのでしょうか?
「本校は、社会の持続的な平和と発展に向け、世界中のどこにおいても地域や世界の「よりよい未来」を創造できるリーダーを育成すること、また「学びの変革」の目指すべきモデルとなること、の2つのビジョンを掲げ、開校いたしました。IBは、それらを実現するために最適な手段だと思い、導入することにいたしました。」
ー広島叡智学園には、どのような特徴がありますか?
「広島叡智学園は、「世界中のどこにおいても、地域や世界の”よりよい未来”を創造できるリーダー」を育成する、全寮制の県立中高一貫高校です。そんな広島叡智学園には、下記のように、5つのユニークな特色があります。」
広島叡智学園の特色:
①少人数授業やオンライン交流などによる英語力の育成
②外国人留学生の受け入れなど、多様性あふれる学習環境
③学年を超えた仲間や留学生との共同生活を行う全寮制での学習・生活
④実社会の課題解決に挑戦する国際協働型プロジェクト学習
⑤国際バカロレア・プログラムを導入
ー広島叡智学園には、どのような生徒さんが多いのでしょうか?
「自分たちの取り組んでいることを話すのが好きな生徒が多いですね。どの生徒に話しかけても、自分が今、何に力を入れて取り組んでいて、またその意図は何なのか、ということを楽しそうに話してくれます。彼らの中には、親元を離れ、勉強に対して高いモチベーションを維持し続けることが難しいこともありますが、彼らは「ここぞ」という時に力を発揮できる生徒たちだと思っています。」
日本人の先生と英語ネイティブの先生の、2名体制での授業。教室に入ると、活気あふれる生徒たちの声が飛び交っていました。
ー中学校から全寮制、というのは珍しいですよね。なぜ全寮制にしたのでしょうか?
「大崎上島という地域の中で、机上の勉強だけではなく、実践的な学びも同時に経験してほしいと考えているからです。生徒たちは、島親さんとグランドゴルフをしたり、地域の方々に「幸せとは何か?」というインタビューを実施して、自分たち自身も半年間、そのテーマについて考えたりするなど、教科書を読んでいるだけでは得ることのできない、生きた学びを体験することができます。また、学年を超えた仲間や留学生との共同生活を通して、様々なことに気づき、学んでほしいという思いも込めて、本校では全寮制を取っています。」
ー現在は、どのような地域からの入学が多いのでしょうか?
「生徒は、広島市や福山市など、広島県の全域から集まってきています。現在は広島県内や全国各地から来ています。将来的には、外国籍の生徒や帰国子女の生徒も入学予定です。自分とは異なる、多様な人間が集まっている中で共同生活をすることで、生徒には、生活の中で良い意味で刺激を受けて欲しいなと思います。」
ー小学校を卒業してすぐに寮生活をすることに対して、抵抗がある方もいると思います。実際、寮生活はいかがですか?
「入寮当初は、本当に大変でしたね。生徒たちはまず、自分自身で洗濯などの家事ができるようにならないといけません。寮にはハウスマスターやハウスサポーターが常駐しているので、彼らが生徒たちの生活をサポートします。それに加えて、私たち教員も、宿日直として生徒たちを積極的にサポートしています。」
「生徒たちは、初めはとても苦労していますし、親元を離れて暮らすことに対して寂しい思いをしている生徒もいますが、保護者の方からは、寮生活を通して彼らの成長を感じる、というお声をいただいています。今後はさらに海外からの留学生を受け入れていく予定なので、いかに私たちが生活の安心・安全を担保するかが、重要だと思っています。」
異なる年齢の仲間と暮らす、メゾネットタイプの寮ハウス。寮の個室は、部屋ごとに異なる風景が楽しめるように配置されています。
ーこれから取り組むべき課題はたくさんあるかと思いますが、広島叡智学園の今後の展望や、ビジョンについて教えていただけますか?
「現時点では、まだ卒業後の進学実績はあまりありませんが、今後は国内の国公立大学や、海外大学とも連携を進め、生徒たちの進学先の間口を広げていきたいと考えています。また、先ほどもお話したように、再来年度は海外子女を含め、海外からの留学生を20名受け入れることを計画しています。まだ新設校なので、Full DPを全員に取得させることは私たちにとっても大変チャレンジングな試みですが、教員のモチベーションや熱量は非常に高いので、私たちならきっと実現できるだろう、と思っています。」
多様な意見が自由に飛び交う、ディスカッションに適した協働活動空間。壁や階段に自然に溶け込む形で本棚が並べられている様子が、とてもユニークです。
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筆者が学校に訪れたのは授業中だったのですが、実際に教室に入って印象的だったのは、日本人の先生と外国人の先生の2名体制で授業を行っている様子でした。生徒たちは各テーブルで自分のPCに向かい合い、同じテーブルの生徒と何かを話し合ったり、積極的に手を挙げて先生に質問をしていたりと、活気あふれる授業風景が広がっていました。
このクラスでは、生徒が各自気になったことを問いとして立て、それについて調査を行い資料にまとめ、発表するという授業が行われていました。近くの生徒に声をかけてみると、自分の研究内容についてとても楽しそうに話してくれました。
ー授業中は、英語と日本語の両言語をどのように使い分けているのでしょうか?
「中学2年生の授業では、外国語、数学、理科、体育を英語で指導しています。外国人教師が行なっている授業や、日本人教師と2名体制で行なっている授業があります。」
ー生徒さんは、初めから英語が話せる方が多いのですか?
「初めから英語を話せる生徒は少ないですね。ただ、英語話者の教師から話しかけられても驚かないというマインドは、どの生徒にもあるように感じます。英語話者の教師は6名在籍しているのですが、英語が話せなくても、物怖じせずに教師に対して話しかけている生徒が多いです。英語を使うことを授業内で生徒に強制することはありませんが、相手の使っている言語に敬意を払うという意味で、「英語で話しかけられたら、英語で答える」という姿勢は身に付けてもらえるよう、指導しています。」
ー授業を通して、生徒さんの英語力をどのように鍛えていますか?
「授業では英語だけで進みすぎることがないように、適度に日本語での解説を交えたり、極力生徒たちにとって分かりやすい単語を使ったりなど、工夫して授業を進めています。」
ー生徒さんたちの進路指導は、どのように実施されているのでしょうか?
「生徒たちには、先輩に会う機会を設けるようにしています。本校は新設校なので、先輩がいません。そのため、IBDPを取得した方にオンラインで話していただく、実際に学校に来ていただくなど、先輩たちの話を聞く機会をできる限り多く設け、IBについてのイメージを持ってもらうことを目指しています。」
「生徒だけでなく、保護者の方にもIBについてお話する機会を設けています。生徒たちと同じように、保護者の方もIBの勉強や入試に対して不安が多いと思うので、まずは保護者の方々に対して本校の学びの目的や内容、指導方法などを少しずつ説明していけたらと思っています。」
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コンサートやミュージカルを開催することもあるカフェトリウムは、ホールも兼ねた開放的な食事空間。全生徒が時間をずらして、ここで食事をしています。
ー広島叡智学園の入試は、広島県内にお住まいではない方でも受検できますか?
「もちろん、県外にお住まいの場合でも、受検していただけます。募集する生徒の出身地についても、広島県内と県外の割合などは特に定めていません。現時点では県内から来ている生徒が多いですが、毎年徐々に県外からの受検生が増えてきている印象です。」
ー入試の内容について教えてください。
「1次選抜は、適性検査と集団面接を実施します。ここでは、小学校教育において身に付けた総合的な力を検査します。具体的には、「資料から情報を読み取り,条件等に従って筋道を立てて考え,推論する力」や、「資料を多面的に解釈し,経験や知識と結び付けて発想・考察する力」を見ています。2次選抜は、グループワークと共同生活の振り返り(今年度は、グループワークなどの振り返り)、個人面接を実施します。通常、2次選抜は泊りがけで実施していたのですが、昨今の状況を踏まえ、今年度は日帰りでの実施を予定しています。」
ー入学時、生徒はどのくらいの英語力が求められるのでしょうか?
「1次選抜、2次選抜ともに英語力については検査していません。そのため、本校に入学する生徒の多くは、特別な英語学習経験や資格などがない場合がほとんどです。帰国子女もいるので、もちろん生徒によってレベルは異なります。ですが、入学時に英語が話せないからと言って、選考に影響するといったことはありませんので、ご安心ください。」
ー選考の際に、重要視されている点は何ですか?
「生徒は入学後、他の生徒と共同生活をすることになるので、コミュニケーション能力や協調性、他者への思いやりがあるかどうかは重視しています。私たちは、選考を通じて受検生にこれらのスキルがあるかどうかを見るようにしています。また、特に選考で見ている訳ではありませんが、IBは非常にタフなカリキュラムなので、忍耐力があるかどうかは大事な要素だと思っています。」
生徒たちが試行錯誤して創ったという木のベンチ。この他にも、校内には下駄箱や消毒液スタンドなど、生徒たちの手づくりの用具が至る所に設置されていました。
福嶋校長先生、古市先生、ありがとうございました!
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以上、広島叡智学園中学校・高等学校のご紹介でした。筆者が学校に訪れたのは授業中でしたが、どのクラスでも生徒たちが楽しそうに、今学んでいることを熱心に説明してくれる姿がとても印象的でした。また、彼らをサポートしている先生方からも、教育に対する熱い想いやエネルギーが感じられました。
記事の中でも書いた通り、広島叡智学園は広島県にお住まいではない方も受験することができ、入学後も生徒の力を伸ばす環境が整っている学校です。適性検査では「論理的思考力」が求められているほか、面接やグループワークを通してコミュニケーション力や協調性などが重要視されています。これらの力は一朝一夕では身につかないため、日頃の勉強・対策が重要になります。
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とても真面目な先生に計画的に指導していただいています。 おかげでテストで高得点がとれました。
日本語で授業させていただいてますが、説明が分かりやすく質問にも丁寧に答えてくれています。授業科目以外の経験やアドバイスもシェアしていただいてるのでIB全体の参考になり助かっています。
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