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IBを卒業した現役ICU生に聞いた「国際基督教大学(ICU)のおすすめポイントは?」

国際基督教大学ICU 魅力 おすすめ

東京都三鷹にキャンパスを構える「国際基督教大学(ICU)」は、日本のリベラルアーツ・カレッジのパイオニアとして国内だけでなく、海外からの人気も高い大学です。

リベラルアーツは、その自由な学びのスタイルが、近年注目されていますが

  • 実際にどのようなことを学べるの?
  • 文系なの、理系なの?
  • どのような学生におすすめなの?
  • 授業の雰囲気は?

など色々な疑問があると思います。

今回は、IB卒業生である筆者が、上記の質問に加えてICUの魅力やおすすめポイントについて、IB卒業生で現役ICU生の吉田さんに取材しました!

目次

  1. 取材させていただいた学生の紹介
  2. 国際基督教大学(ICU)に入学したきっかけ
  3. 国際基督教大学(ICU)入学後に感じた魅力や特徴
  4. 国際基督教大学(ICU)卒業の進路
  5. 国際基督教大学(ICU)を目指すIB生の皆さんへメッセージ
  6. 国際基督教大学(ICU)の受験を検討しているIB生の方々へ

取材させていただいた学生の紹介

国際基督教大学ICU 吉田さん

国際基督教大学(ICU) 教養学部
(メジャー:言語教育、マイナー:教育学)4年生 吉田さん

 

オーストラリアの現地校でIBを取得し、ICUでは言語教育について研究

Q. これまでの経歴を教えてください。
A. 14歳までは日本にいましたが、その後2年はロンドンに住んでいました。ハイスクールに切り替わるタイミングで、オーストラリアのメルボルンに移り、オーストラリアの公的教育制度とIBのいずれも学べる私立の学校「Ivanhoe Grammar School」で、IBを選択してDPを取得しました。大きな学校でしたが少し田舎の方だったからか、私の学年には日本人は私しかいなくて、現地の学生に混ざって授業を受けていました。

 

Q. IBではどの教科を履修されましたか。
A. 下記の科目を履修していました。

  • Japanese A Literature SSST(セルフトート)
  • English B
  • Biology
  • Physics
  • Math Standard Level
  • Business Management

※IBの科目について知りたい方はこちら

 

Q. 特に勉強に力をいれていた科目や、対策のコツなどありましたら教えてください。
A. IBが私に合っていたのか、どの科目も楽しかった記憶がありますが、中でもBusiness Managementはすごく印象に残っています。履修していた科目の中でも、特に日常生活に結びつく内容だったので、一から物事を考えることができ、自分の考え方を形成していくという意味合いとしても面白かったです。
対策は、2年間を通してどの科目にも言えることですが、基礎知識をしっかり身につけるための「暗記」はやはりやっていて良かったなと思います。基礎的な知識がないと次の学びに広がらないので、語句やセオリーを自分で勉強して、授業や過去問の中で実例に繋げていました。そうして覚えた内容が他の場面と繋がることで、より理解が深まっていたと思います。

 

Q. 現在 ICU では、どのような分野を勉強していますか。
A. メジャー(主専攻)として言語教育、マイナー(副専攻)として教育学を専攻し、英語を第二言語として習得する過程を研究しています。

 

Q. いつ頃から言語教育に興味を持ち始めたのですか?
A. 言語教育には元々興味はあったのですが、実は入学前は、国際関係学を学ぼうと思っていました。一方で、高校の時に先生に恵まれたということもあり、私も教員免許を取りたいとも思っていました。なので、ICUに入学後は、国際関係学の基礎科目を取りながら、言語教育の科目を履修していました。しかし、色々な授業が履修できるリベラルアーツで学ぶうちに、本当に自分が興味のある分野は言語教育の方だと気づき、専攻をシフトしていきました。加えて、自分の専攻が定まったからといってその分野だけ履修するのではなく、他の視点からも考える機会が多くあるのがリベラルアーツの特徴です。私の周りにも興味がある分野を色々な視点や他の学問分野との関わりで学べたことで、自分に合う学びたい分野を見つけることができた人がたくさんいます。

 

国際基督教大学(ICU)に入学したきっかけ

国際基督教大学ICU 教育システムICUでは国籍や言語、メジャー(専修分野)の壁を超えて全ての学生が共に学ぶ

 

帰国生やIB生も受け入れている大学だからこそ出会えた

Q. ICU を知ったきっかけは何でしたか?
A. ICUのことはもともと知っていましたが、帰国生向けの大学説明会で情報収集したり、私のJapanese SSSTのチューターの方にすすめていただいて、出願しようと思いました。

 

英語も使えて、IBに共通する教育システムに惹かれた

Q. 大学を選ぶ時に大事にしていた条件と、最終的に ICU を選んだ理由や決め手を教えてください。
A. 英語力は保ちたいと思っていたので、日本の大学に進んだとしても英語でも授業が履修できるというのが大事な条件でした。また、たくさんある大学の中でも特に私は、リベラルアーツという教育に共感していて、一つの物事を色々な視点からみて理解を深めていくというのが、どこかIBと共通するところもあって、日英バイリンガルでリベラルアーツ教育を行っているICUに惹かれました。

 

国際基督教大学(ICU)入学後に感じた魅力や特徴

国際基督教大学ICU 授業IB教員養成プログラムの授業でTheory of Knowledge(TOK)についてプレゼンテーションをする吉田さん

 

自分の学びたい分野を軸に、色々なことを学べるのがリベラルアーツの魅力

Q. 実際に入学してみて感じた ICU の魅力を教えてください。
A. リベラルアーツだからこそ、興味のあるテーマを色々な視点から学ぶことができ、私もそうだったように、学生の多くが入学後に興味のある分野が変わっていくんです。やみくもに色々な分野の授業を履修しているわけではなくて、異なる分野の授業であっても繋がりはあって、それらを結びつけて考えることでそれぞれの授業の理解がさらに深まります。リベラルアーツは「広く浅い」と言われることもありますが、どの学生も自分の興味が軸として存在していて、その軸をリベラルアーツ的な広い視野で見ながら深めていきます。私の場合は言語教育が興味の軸なので、例えば国際関係学の授業を履修していても、自分の興味の軸を中心に考えることで、より理解が深まり内容が頭に入ってくるなと感じます。

 

色々な学生を受け入れられる環境が整っている

Q. ICU に実際に入学してみて、学生生活や大学の雰囲気はどうでしたか?入学前の印象と、異なった点がありましたら教えてください。
A. 私が入学前に持っていたICUのイメージと、実際に入ってからの印象はあまりかけ離れてはいませんでした。学生も学ぶ姿勢が前向きな人が多いですし、大学側も、色々な学生を受け入れる体制が整っていると思います。例えば施設面でいうと、学内には「オールジェンダートイレ」があるなど、大学が大切にする理念を感じられる場所が、キャンパス内にはたくさん散りばめられています。

 

「人」が魅力のICU

Q. ICU にはどのような学生、先生が多いと感じますか?
A. 自分の視野を広げようと日々前向きに学んでいる学生が多いと思います。文系理系問わず、自分の学びを深めるために、色々な視点から物事を見ようとしている学生ばかりです。
先生は本当に様々な経験をされている方が多くて、多方面から吸収できる機会があるのが嬉しいです。どの先生も共通して学生に対してオープンで話しやすいですが、特に授業中は、クリティカルシンキングを求められます。ある先生は「毎年同じ内容の授業をしても、学生によってガラッと変わるのが面白い」とおっしゃっていて、学生だけではなく教職員も含めて「人」が魅力だと思っています。

 

学生がみんな違う背景を持つからこそ、面白い環境が生まれる

Q. 他にも「やっぱりICUが好きだな」と感じたエピソードはありますか?
A. 最近は卒業研究に力を入れているのですが、一括りに言語教育メジャーの学生といっても、それぞれ異なった方向性に興味を持っていて、様々な人からもらうコメントやフィードバックが本当に面白いです。これは、みんなが持つ背景が違ったり経験してきたことが違ったりするからこそできることなので、こういった環境で学べるICUが好きだなと感じました。

 

国際基督教大学ICU 学生 魅力対面とオンラインの両方で学生が参加するハイブリッド方式の授業でディスカッションをする様子

 

様々なことを学ぶ学生が集まるから、新鮮な環境が創られる

Q. ICU での学修環境について、魅力に感じるところはどこですか。
A. 授業はディスカッションが多いのですが、そこでもやはりリベラルアーツの面白さがでるんです。例えば、教育学の授業では、数学の教員免許の取得を目指している人と、英語の教員免許取得を目指している人たちが同じクラスで意見を交換し合うのが新鮮で、すごく面白いです。同じ教員免許取得を目指していても、考え方が様々あるので、ディスカッションを通して新しい意見や考え方に出会うことができます。

 

IBの経験が活きるICUの授業スタイル

Q. IB を経験した吉田さんにとって、ICU での学びはどのようなものでしょうか。IB が活きていると感じる場面はありますか。
A. それこそ、授業のディスカッションでTheory of Knowledge(TOK)の経験がすごく役立っているなと感じます。TOKはなぜそう思ったのかを振り返ることがベースで、根拠をきちんと証明しなければいけませんでしたが、これはICUでディスカッションをする時も同じです。IBの時から日常の中でなぜ自分がそう考えるのか追求し続けていたからこそ、どこか癖になっている部分もあって、大学生になった今でも難なくできていると思います。また、ディスカッションは、他の人の意見を聞く時に、相手がなぜそう考えるのかを考察しながら進めることが大切なので、すごくIBでやってきたことが活きているなと感じます。

国際基督教大学(ICU)卒業の進路

国際基督教大学ICU 校舎

 

ICUの5年プログラムで学びを深めたい

Q. ICU卒業後はどのような進路をお考えですか?
A. 英語の教員免許を取得する予定で、英語教員になりたいと思っています。ICUには、学士と修士の学位を合わせて5年で取得する「学位・修士5年プログラム」という制度があるので、これを利用して言語教育の学びをさらに深めながら、IBの教員資格も取得したいと思っています。

国際基督教大学ICU 大学院 5年プログラム

※「学士」と「修士」の学位の両方を取得するためには、通常学部で4年、その後大学院で2年の計6年間の学びが必要ですが、この5年プログラムでは、学部で4年、その後大学院(博士前期)1年の計5年で、2つの学位を取得することができます。(ICU学士・修士5年プログラムより引用)

国際基督教大学(ICU)を目指すIB生の皆さんへメッセージ

国際基督教大学ICU 学生寮学内の寮では、世界50以上の国・地域から集まる学生が共に暮らす

 

ICUではIBの経験が活きる場面が多い

Q. ICU を受験される上で、どのような対策をされていたかについて教えてください。また、 ICU の入試に向けて、現役 IB 生にアドバイスをお願いします。
A. 私が利用した入試では、面接などはなく書類審査だけだったので(Universal Admissions: English languageed Based Admissions (April / September Entry))、「パーソナルステイトメント」に力を入れていました。特に「なぜ私がリベラルアーツの環境で学びたいのか」について、IBで経験したこととこれからのICUで学びたいことを関連づけながら、思いを熱く伝えました。
ICUで学んでいると本当にIBの経験が活きているなと感じます。ICUでもIBと同じようにクリティカルシンキングを大切にしていますし、IBでの学びが楽しかったと思う人にはおすすめです。ぜひ、熱意を持って「自分がどうしてICUで学びたいのか」をアピールしてください。

 

苦労もしたけど楽しかったIB

Q. ICU を受験しようと考えている現役 IB 生に向けて、メッセージがあればお願いします。
A. 私も苦労した思い出がたくさんありますが、IBの自分で知識を深めていく方法や、物事がどう繋がっているのかについての追求したことが、ICUのリベラルアーツでの学びに繋がっていて、IBを経験して本当に良かったなと感じています。
どの大学へ進学しても言えることかもしれませんがIBでの学びは大学でも活きる場面が多数あります。今は大変かもしれませんが、近い将来その経験を思う存分に発揮できますので、頑張ってください。応援しています!

 

国際基督教大学(ICU)の受験を検討しているIB生の方々へ

ここまで、現役ICU生が語るICUの魅力についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

インタビューを行って、改めてIB生におすすめな魅力がたくさんある大学であると実感しました。自身の学びたいことをリベラルアーツの視点から学ぶことができ、IBの教育システムと似ている環境が揃っているのが印象的でした。

記事でも紹介した通り、IBでの経験は大学出願時にも入学後にもICUで活きてくる場面が多くあります。出願方式によっては、出願書類や面接の対策が重要なため、今から準備を始めることをおすすめします。他者からアドバイスをもらいながら磨きをかけて、何度も改善することが合格の秘訣です。

 

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