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東京の中心である千代田区初となる国際バカロレア認定校になった武蔵野大学附属千代田高等学院(千代田高等学院)。本校は昨年開校130周年を迎えた、長い歴史を持つ学校です。創立以来大切にしている「奉仕」「社会への貢献」という軸は変えぬまま、昨年からIBコース導入や一部のコースで男女共学化を進めるなど、新たな挑戦を続ける千代田高等学院に取材をしました。
どんな思いをもってIB導入に至ったのか、千代田高等学院ならではの特徴や取り組みについてEDUBALスタッフが詳しくお話を伺いました。
インタビューさせていただいた先生方
予測不可能な未来、自分で答えを作る力が大事
校長 荒木先生
「親鸞聖人の言葉に「身を粉にしても報ずべし」というものがあります。自己犠牲をしてまでも周りのために力を発揮しましょう、と私は解釈しているのですが、私はこの言葉のように貢献できる人にIBコースに入ってきてほしいと思います。IBの2年間は辛い旅だと思いますが、自分の不得意なところは助けられながら、余裕ができた時には仲間を助ける。これを繰り返し、将来的には社会に貢献できる人になってほしいと思います。 IB教育を履修した人は自発的な学び方が身についていますし、自分で道を切り拓く力もある。大学教員として見ると大学に入ってきてほしい人材です。これらのスキルは大学だけでなく、将来ずっと大切になると思います。何が正解なのか見えないこともよくありますが、わからなかったら解は自分たちで作るしかないですから。」
IBの価値は生徒の中に生まれてくるもの
IBコーディネーター 坂本先生
「私はIBの本当の価値は、生徒の中に生まれてくるものだと思います。「海外大学に進学したいから」などということだけでなく、IBの持つ教育理念や学び方に触れた時に、伸ばしたい自分の強みだとか「自分はもっとこうなりたい」というイメージが膨らんでこそIBの価値が生まれると思っています。自分自身でIBとはどんな学びなのか調べ価値観を見出して、それがこの学校で実現ができると感じるのであればぜひ我々の学校にきて共に学んで欲しいです。」
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130年の歴史を持つ千代田高等学院ですが、なぜ昨年IBコース導入に至ったのでしょうか。まずは千代田高等学院の持つ教育理念について、校長先生に伺いました。
「本校は浄土真宗の学校で、東京にある築地本願寺と深いつながりがあります。創立者の島地黙雷はヨーロッパで教育を視察した後、1888年に本校を当時としては珍しい女子校として創立しました。 本校は昨年130周年を迎え、非常に長い歴史を持っていますが、理念としては創立当初から変わらず「奉仕」「福祉」という事を大事にしてきています。伝統的に行われているのは献血ボランティアですが、近年では東日本大震災の後、被災地に行き花壇を作りながら被災者の方々のお話を伺いました。創立者の島地黙雷は日本赤十字社の設立にも関わっていたこともあり、常に「人のためにどう尽くせるのか」という事を学校全体として考えています。」
ーIBコースの導入も、こういった教育理念と重なる部分が多かったからでしょうか?
「そうです。島地黙雷はヨーロッパへ視察に行った後、「国際教養人の育成」を訴え本校を設立しました。これは国際バカロレアが目指す教育と非常によく似ていて、我々が大事にしてきた教育理念の軸を変えることなく導入する事ができると感じました。さらに、IBを導入するにはその教育理念を経営側の人間だけでなく、教師全体、また保護者や生徒も理解をしていなくてはなりません。本校ではもともとIBに重なる理念を持っていましたので、そこの違和感もなく導入が実現しました。」
「本校にはIBコース以外にも文理探究、グローバルアスリート、リベラルアーツ、メディカルサイエンスと5つのコースがあり、今年からもう一つ新たにメディカルインテリジェンスコースも加わり6つになります。生徒一人一人特別な才能や興味がありますから、それぞれに対応できるようコースの多様性も大事にしています。近年ではアクティブ・ラーニングという言葉がよく使われますが、アクティブ、すなわち積極的な学び、というのはIBなどでは当たり前に行われているもので、これからはアダプティブなラーニングがより重要になってくると思います。生徒一人一人に適応した学びを提供できるよう、単位制の準備も行っています。こうした学校内での多様性は今後、国際社会に出て行く上で必須だと思っています。」
ーたくさんのコースが設置されているんですね。違うコースの生徒間でも交流はあるのでしょうか?
「学校として異なるコース間での交流を仕掛ける、という事は行っていないのですが、生徒たちは自ら考えて自発的に動いています。例えば今インタビューを行っているこのスペースも、今週末生徒会主催で他校の生徒会に呼びかけ「SDGsの会」というイベントを行うみたいです。「制服を着て来てください」などと、生徒たち自身でルールを作って呼びかけていましたね。」
「千代田高等学院の生徒は自由ですね。校長である私も好き勝手にやっているのが大きいと思うのですが(笑)。私が自由に色々な事をしていると先生も自由にやって、という風にその姿勢が伝わっているみたいです。私自身も提案があれば受け入れるし、何かアイディアがあるならばできるだけ実行してみよう、というのがスタンスです。」
ーそういった校長先生の姿勢が、学校全体に伝わっているんですね。
「それに加えて、私は、学校の価値というのは「人がどれだけ集まっているか」という所にあると思っているんです。教育者だけでなく、地域の人々、小さな子供から大人まで自由に使える「オープンな学びの中心」になるのが学校の機能として大事。そのために学校全体としても人の行き来が盛んになるよう、オープンなマインドを大切にしています。IBでは「学習者像」というのがありますが、「生徒像」ではないところがとてもいいと思うんです。この学習者像は学ぶ人全てが意識しなくてはならないことで、生徒だけでなく先生にも求めています。学校とは必ずしも生徒だけが学ぶ場所ではありませんから、そういった柔軟性はとても大事だと思います。」
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千代田高等学院では日本語DPを導入しています。ここからは千代田高等学院のIBコーディネーターである坂本先生を中心にお話を伺いました。
「日本語DPの良さは、自身のアイデンティティの土台となる文化を深く学べるところだと思います。私は小学生から大学までニュージーランドで育ったのですが、思春期には自分が何者なのかわからなくなってしまい、アイデンティティ・クライシスに陥りました。最初は日本について聞かれた時に何も答えられなかったのが悔しくて、自分で日本の歴史や文化について学びました。それらに答えられるようになると今度は議論になるんです。国際社会にいるとただ事実を述べるだけじゃなくて、自分の意見・立場を求められるようになるんですよね。ただ、意見を述べるとなると自分は「日本人」という枠を超えて「一個人」だと気づいたんです。これに気づくと自分の中で芯ができて、どんな場所に行っても「自分は自分」とブレなくなるんです。」
「日本語DPでは自分のルーツ、暮らしている所について母語で深く学ぶことができるので、今後形成されていくアイデンティティの土台になります。日本人にとって英語DPで学ぶというのは、全く新しい文化の中で学ぶ事になりますよね。もちろんこれはこれで一つの学び方ですが、自分が暮らしている文化を自分の中で落とし込む、という事をしっかりしてから英語力を身につけるのも国際人なのではないかと思います。そういう意味でも、日本語DPは海外に出て行くとてもいい準備になります。」(いずれも坂本先生)
ー私も帰国子女なので、そのお気持ちは本当に共感できます。現在この春からIBコースで学ばれる生徒の方々は海外に視野を向けている方々なのでしょうか?
「そうですね、経歴としては普通の日本の中学校や、インターに通ってたけれど、将来的には海外に行きたいという生徒が多いですね。現段階で帰国子女はいませんが、国籍は様々です。また、日本の伝統的な黒板とノート、という学びではなくアクティブに学びたいという子たちが集まっています。」(坂本先生)
共有スペースには学習者像のカラフルなイラストが飾ってあります。
「我々はIBDP進学希望の生徒たちに日本語DPだとまだ受け皿が狭い、という事を早い段階正直に伝えています。そうすると生徒たちは自分たちでどういう大学ではIB枠で入れるのか、どういう科目が必要なのか、など積極的に調べるようになります。教員はアドバイザーでしかなく、実行していくのは生徒たちですし、そういったところで決定もできなければフルDPを取得するのも難しいのではないでしょうか。今のIBコースにいるのはそういった自己管理、自主性もある生徒たちですね」(坂本先生)
「まだIBコースが始まったばかりの本校を選んで飛び込んできたのですから、やはりリrisk-takerが多いですね。」(校長先生)
「今いる生徒は6人中3人が文系、3人が理系とちょうど半分になっています。当初は文系が多くなるのではないかと思っていましたが、男子生徒が入ってきた事もありバランスが取れました。」(坂本先生)
「教師に関しては、IB導入にあたって他のIB校からきた教師もいますが、元々本校にいた教師も多いです。坂本先生はずっとニュージーランドで勉強してきて実際にIB MYPを経験されていますし、ユニークな経歴を持つ先生は多いです。」(校長先生)
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ー千代田高等学院では高校1年生の間はIBコース進学希望者は文理探究コースと共に学びます。具体的にどのようなスケジュールで進路先を決めるのでしょうか。
「大まかなスケジュールとしては4〜12月の間に必履修科目を組んでいて、10月頃になるとIBとIQコース、どちらを受けたいのか、本人の意志を確認します。もともとIBコースで入っても、やはり合わなさそうだからIQにする、という生徒ももちろんいます。IQコースは日本の大学受験を目指したカリキュラムを組んでいますので、日本の大学進学を強く希望するのであれば現段階ではIQコースの方が安全、ということは伝えています。」(坂本先生)
「このように意思決定の期間が設けられるのは一条校の良さですね。むしろ、そのように考える時間も与えられず決定を迫るのは教育として違うのでは、と思います。メリットだけでなく大変な部分、デメリットもしっかり理解して初めていい判断ができるものですし、それらを経てからの方が覚悟が決められると思います。」
「授業内容としては、まだIBが始まっていない高1の時点から、学習者像やATL(Approaches to learning)*といったIBの学びの要素を取り入れています。これらはIBに限った事ではなく、社会に出るときに非常に重要になる、人として基礎の部分を培う要素ですので、できるだけ早い段階から生徒たちには意識をしてもらえるように勤めています。例えばシラバスに各授業でATLがどのように育まれるのか明記しています。」(いずれも坂本先生)
*Approaches to learningとは学習の方法と訳されるもので、批判的・倫理的思考、異文化理解、コミュニケーション能力に焦点を当てた学習。
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千代田高等学院では帰国入試を行っており、スカイプ面接と書類選考で行われる一般A方式と、国語、数学の試験と個人面接で選考される一般B方式の二種類があります。 いずれも原則として海外滞在 2 年以上かつ帰国後 1 年以内である必要があり、提出書類としては現地校の調査書と英語力を証明する試験結果証明書、自己アピール作文が求められます。
なお英語力と成績は日本人学校在籍者とインターナショナルスクール在籍者で異なります。
文部科学大臣の認定を受けた日本人学校在籍者の場合は、日本人学校での最終成績が主要 5 科(英数国理社)の 成績合計 5 段階評定で 20/25 以上または国内公立中学 3 年(前期・1 学期)の成績が 22/25 以上、英語運用能力がCEFR*B1 以上のレベルを求められます。
海外の現地校・インターナショナルスクールの在籍者の場合、日本の中学校に相当する課程の学業成績が優秀であることと、英語運用能力が CEFR B2 以上のレベルであることが求められます。
*CEFRとはCommon European Framework of Referenceの略で、ヨーロッパ言語共通参照枠と訳されます。目安として、B1ですと英検2級〜準1級レベル、B2ですと英検準1〜1級レベルの英語力が必要となります。
「その他、IBDPに進むための条件としては高校1年生の前期で主要5科目と音楽で7.5以上の成績を収めていることが求められます。成績以外にも学者像とATLを理解体現しようとしているかも重視しています。これらをしっかりと理解し、それらに近づこうとしているのか、という点をしっかりと確認します。」(坂本先生)
千代田高等学院の帰国生にとっての魅力をご紹介しましたが、いかがでしたか?
筆者は「地域の学びの中心でありたい」という校長先生の思いが感じられる、オープンな雰囲気に魅力を感じました。インタビュー中にも生徒さんが先生方に話しかけたりと、先生と生徒の距離が近いのが印象に残っています。さらにIBのメリットとデメリットをふまえ、IBDPに進むかしっかりと考えられる期間があるというのも一条校ならではの特徴です。
千代田高等学院では平日放課後等の学校見学を随時受け付けています。学校の雰囲気を実際に感じてみたい、先生方とお話をしてみたい、という方はぜひ見学をご検討ください。
詳しくは学校公式ページをご覧ください。
千代田学院高校では2019年度4月入学の二次募集を実施しています。 会場はメインキャンパスである千代田高校学院と、教育提携校である札幌新陽高校での2校となっており、東京近郊にこの4月から引っ越し予定の受験生も札幌で受験が可能となっています。
2019年4月入学二次募集情報
・会場:武蔵野大学附属千代田高等学院
日時:2019年3月3日(日)または3月9日(土) いずれも8:30集合
・会場:札幌(札幌新陽高等学校)
日時:2019年3月9日(土) 8:30集合
詳しい募集要項については、こちらをご覧ください。
EDUBALは、帰国子女の方に向けてオンラインで個別に学習サポートを行うサービスです。指導がテレビ電話を通じてオンラインで行われるため、世界中どこにいても、いつでも家で手軽に帰国子女家庭教師による指導を受けることができます。
千代田高等学院のIBコースでは、漢字の読み書きや計算力といった単純な能力だけでなく、学習者を始め”IBマインド”を持っているかも重視されます。 EDUBALには、IB校の入試対策が得意な教師が多く在籍しており、帰国生から非常に人気の高い都立国際のIB入試に特化したコースもございます。IB校への受験をお考えの方はまずEDUBALにお問い合わせ下さい!
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下記では、今までEDUBALで指導を受講された生徒様、保護者様から寄せられた声を掲載しています。
EDUBALで家庭教師をつけるかどうか迷われている方は、ぜひ参考にご覧ください。
英検準二級に合格し、また苦手科目だった数学の点数が飛躍的に伸びました。結果が出ているので安心して任せられます。
生徒に寄り添って根気強く教えていただきました。また、普段から励ましや声掛けなど勉強以外のところでも心の支えになり、モチベーションを上げていただきました。試験に向けての励ましやお声がけもいただき、落ち着いて試験に臨むことが出来ました。本当にありがとうございました。
受験した高校は親子そろっての面接なので、子どもの面接の様子を間近で見ることができました。想像していたよりもずっと立派な受け答えができていたので先生の指導によるものと感謝しています。また英作文のほうも内容・構成ともにしっかりしたものが提出できたようです。この度はご指導いただきありがとうございました。。指導の内容のみならず、生き様や学問に向かう姿勢、ご相談に乗っていただいた内容が、きっとこれから何年もキャリア形成に役立っていくと信じています。本当にありがとうございます。
保護者とも綿密に連絡を取り合い、こちらからのリクエストにも快く応じて内容の濃い授業を続けてくださいました。英語の能力も申し分なく、優しく分かりやすい授業だったと息子も言っております。先生のサポートのおかげで、第一希望の高校入試に合格できました。海外生活が長く日本語に不安がある状態での高校受験でしたが、同じような環境で受験をされた先生だからこそ気持ちを分かっていただけたのだと思います。お力添え、本当にありがとうございました。
勉強に対するモチベーション維持が上手な先生です。 生徒のロールモデルとなって指導してくださいます。