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拝島駅からバスで10分、立川駅からバスで20分。啓明学園は都会の喧騒から離れた、東京ドーム3つ分もある広大な敷地の中にあり、武家屋敷風の校門が構えられています。
日本味あふれる門をくぐった先には、国際的なバックグラウンドを持つ生徒が全校の3割程度を占める、インターナショナルな学校があります。様々な言語が飛び交う廊下ですれ違う生徒たちは皆、「こんにちは」と元気よく挨拶をしてくれました。
1940年代に三井高維ご夫妻によって創立され、日本の帰国生教育の先駆けを作った啓明学園中学校。英語と日本語にとどまらず、中国語、コリア語、スペイン語、ドイツ語など、生徒たち一人一人の母語を大切にしながら日本語での学習にソフトランディングさせる環境を整えています。
今回は、帰国子女中学受験を経験したEDUBAL記者が、啓明学園の学校説明会に行き、理事長先生と国際学級の先生方にインタビューをして参りました。
啓明学園の帰国生教育って、どんなもの?
啓明学園の国際学級って、どういう授業をするの?
という疑問にお答えします。
今回インタビューをさせていただいた先生方
理事長 北原都美子先生
国際生に数学を教えるために、創立者の三井先生から直々に呼ばれて啓明学園に来た北原先生。創立当初の学園の理念を引き継ぎながら、グローバル化が加速する現代に合った国際人を育てるための教育を切り開いていらっしゃいます。
国際学級も担当されている能城先生
ご自身も啓明学園出身で国際生。在学中に、同級生に勉強を教え合う楽しさ、語学で苦しんだ経験から、卒業後は日本語教育の道を目指し、現在は啓明学園で国語を教えていらっしゃいます。
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一対少人数で行われる国際学級の授業。それぞれの生徒が受けてきた教育のバックグラウンドに合わせて、完全オーダーメイドの時間割とカリキュラムが作られます。
啓明学園では、生徒がそれぞれ受けて来た教育機関のカリキュラムと日本のカリキュラムを比べて、不足している部分を補うための「国際学級」があります。国語や数学、英語はもちろん、理科と社会についても、未学習領域をフォローアップしてもらえる環境が整っています。
「啓明学園の国際生は全員ホームルームは一般生と同じクラスに入りますが、フォローアップが必要な教科だけ国際学級に行って授業を受けるという形を取っています。
そして、比較的言語の壁がない体育や音楽、家庭科などは一般クラスの生徒とみんなで一緒に受けます。」(理事長先生)
「国際生の場合、海外で学んだカリキュラムの違いによって学習範囲も違うので、ズレが生じてしまいます。また、ことばの配慮が必要な場合もあります。啓明学園では、国語・数学・理科・社会の4教科全てで国際生のための取り出し授業を設定しています。国語、数学、理科、社会の時間に国際学級の教室にきて授業を受けるということになっていますが、一般クラスの授業で理科をやっている時に、国際学級で理科をやるわけではありません。学習指導要領で定められた時間数は確保しながら、国際学級に来る国際生は完全個人にオーダーメイドにカスタマイズされた時間割を持っています」(能城先生)
一般クラスで地理の授業が行われているときに国際学級で数学を受ける国際生や、逆に数学の時間に国語の授業を受ける国際生もいます。国際学級を受けている生徒全員にそれぞれの時間割が作られるため、時間割を作る時期は本当に大変だそうです。
「フォローが必要な生徒が国際学級の教室に集まって、一人の先生が一度に将棋の早指しのように個別で授業をしています。中には英語で教える必要のある生徒もそこに混じっています。
国際学級には生徒一人一人の引き出しがあって、前回の授業でどこまでやったのかということがすぐに確認できるようになっています。国際学級で教えている教員は一人ではないので、そのように授業の進度を個別に整理することによって生徒にとって充実した学習環境を整えています。また、このようなシステムだと、当然生徒によって授業で習う内容も十人十色です」(理事長先生)
「帰国生にとって日本の教育がベストと考えている訳ではない」という理事長の言葉からもうかがえるように、啓明学園では、日本の教育についていけないことが落ちこぼれにはならないように手厚く国際生をサポートしています。
英語の授業は一般生と国際生で分け、さらにその中で習熟度別のクラスで分かれています。自分にあったレベルの授業を受けながら、英語の維持だけでなくレベルアップが目指せます。
英語ができない帰国生のフォローはどのようなものがあるのでしょうか?
「英語のクラスは一般生と国際生とで分かれ、その中でもさらに3つのクラスに習熟度で分かれています。クラス分けは独自のプレースメントテストによって行います。また、一般生と国際生で分かれていると言っても、例えば英語圏でないところから戻ってきた生徒は英語は一般のクラスに入ります。小学生の頃に帰国したが、英語で教育を受けた経験がある生徒は国際生のクラスに入ることが多いです。初めて英語を勉強する日本語が得意でない生徒がいる場合、ことばの配慮が必要であればそういう生徒がいることを教員が認識して授業を進めて行きます。また、放課後の時間を使って国際学級の教員がフォローをすることも可能です」(能城先生)
外国籍の生徒も多い啓明学園では、日本語のフォローとして日本語コースと国語コースの2つを用意しています。全体で80人くらいが国語の取り出し授業をしていて、うち20人強が日本語コースです。60人前後が国語コースで学んでいるそうです。
「日本語コースには生活言語としての日本語指導を必要とするが学びます。主に外国籍の生徒やハーフの生徒が多いです。このコースでは、日常会話や、ひらがなカタカナ、漢字、助詞、過去形というところからサポートをしていきます。基礎が身についたら、国際学級の国語コースに行き、国語を学びます」(能城先生)
「国語コースには日本語で日常会話はできるが、文章を読んだり、書いたりすることを難しいと感じている生徒が学びます。高校三年生までに学年相当の作品を読める、理解できる、そして、内容に対する意見を持ち、書いて表現することができるようになることを目標に、各生徒のレベルに合わせた教材を作成し、一つ一つ積み上げていきます」(能城先生)
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啓明学園には全世界からの国際生がいます。英語だけでなく、中国語やドイツ語など英語以外の言語を話す生徒が大勢います。写真は「バラザ」というイベントの一環で行なったチャイナデーの掲示物です。(詳しくは次の項目に書いてあります。)
「今、一般的に国際生教育というと、いかに帰国子女を日本の義務教育にあった子に近づけるか、いかに日本に馴染ませるかということに焦点を当てることが多いですが、啓明学園の国際生教育にはそのような考え方はありません。
創立者の三井高維先生ご夫妻は、帰国生が外国で得た文化的な感覚や語学を決して失わないように伸ばし、それに日本の知識を付加するという考え方で学園をはじめました。
このような理念に基づいて、啓明学園では各生徒のニーズに応じた教育をしています。そこで、中国語・コリア語・ドイツ語・スペイン語・フランス語などの母語保持クラスを設けています。
もちろん、たった一人の生徒のためにここまでするのは、教員も大変ですし、費用の面からしてもかかってしまいます。それでも、三井先生ご夫妻が行なっていた、一人一人のバックグラウンドを維持するという教育は継続していきたいと考えております。その成果もあってか、現在では帰国生の数も増え、中学校は全体の4割が国際生です」(理事長先生)
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啓明学園でのスピーチコンテストは英語だけではなく、多言語で行われます。外部の会場を借りて、非日常な空間の中でみんなに自分の話を聞いてもらうという経験がそれぞれの自己肯定感に結び付いていきます。
小学校高学年〜中学校で外国から日本に帰国した子供が、日本の環境に馴染めないことや、「外国から来た変わり者」として捉えられてしまうことを理由に、自分のアイデンティティーについて悩んでしまうということはよく起こることです。
「国際生の生徒は二つの言語を持っているということで、大人や友人からは『2つも言語ができていいじゃん!』と言われることも多い一方で、本人たちは『どっちの言語も中途半端で難しいんだよ』と嘆いていることも多くあります。海外に行った時は、日本語だったらわかることができず、また帰国後は逆に日本語も難しいため、英語だったらわかるのにできないという状況に陥ります。そこで、『自分はダメなのか?』と思ってしまう生徒もいる。また、親の都合で国を移動しているので、『私はいきたくなかった』ということをずっと抱えてしまう生徒もいます。その生徒たちが『このままでもいいんだ、自分はここまでできるようになったんだ』という自己肯定感を持てるような体験ができるようにすることを大切にしています」(能城先生)
「一人ひとりが自分のアイデンティティーを見つけて欲しい。」という創立者の理念を実行している啓明学園。そのために学校の環境で大切にしていることは具体的にどのようなことがあるのでしょうか?
「本校では、HRの環境はもちろん、グローバルスタディーズという必修教科が中3からあり、世界の諸問題についてリサーチして考えて、改善策まで考える授業を進めています。
その授業の時に、『自分のいた国はこうだった!』ということを発表する生徒が多くいます。最近では、アフリカの諸問題について話す時に、実際にアフリカに住んでいた生徒が実際にはこうだったよと話していました。
このようなディスカッションができると、聞いている生徒にとって深みのある学びとなるだけでなく、話している生徒自身にとっても、自分の経験について話して活躍する場があることによって、『あ、自分はこのことについて話していいんだ!』というアイデンティティーの確立に繋がると考えています。
もちろん、英語圏以外の国のインターや、国内のインターに通っていた人もいて、そこにも独自の文化があるので、そこで学んだことを語って欲しいと考えています」(能城先生)
カンボジアやドイツでのワークキャンプや体験学習など、海外研修の機会も多く用意されています。国際生の「もう一度海外の文化を経験したい」「今まで行ったことのない国も見てみたい」が叶う環境が整っています。
「多言語スピーチという大きなイベントを毎年実施しています。これまでにこのコンテストでは英語に限らず、中国語、ヒンディー語、ペルシア語などでスピーチがされてきました。自分の持っている言語でスピーチをする場が設けられ、他者に聞いてもらえたという経験が生徒の自己肯定感を高めることに繋がります」(能城先生)
「また、ここ2、3年でバラザという行事も作りました。バラザというのは本来はスワヒリ語で「会合・集会」という意味です。国際生を中心に、自分の持っていること、持っている言葉を活かせる行事を作っています。
例えば夏に、啓明学園や地域の小学生を招いたenglish summer campを行いました。これは、教員ではなく英語が話せる生徒が中心となって運営・実行を行っています。その時に、英語を使って活躍する場がある上、生徒主導で運営する中で生徒の中にリーダーシップが育まれるという面でも生徒にとっていい刺激となります。
やはり英語圏出身の生徒が多いのですが、中国語など他の言語を話す生徒の活躍する場も作っています。チャイナデーでは、中国語圏出身の生徒たちが餃子を作る講座を開きました。餃子を作りながら中国語を教えたり、中国語の早口言葉遊びをしたりしました。他にも、国際生ではない生徒も参加することがあります。英語が好きな生徒は1日参加して英語しか話さない日を作ったり、中国や台湾について学んだりということを国際生と一般生が一緒になってやっています。これまではまだ中国語と英語でしか開催されていませんが、コリアデーやドイツデーなど、今後は他の国もやろうという計画が生徒主導で進んでいます」(能城先生)
生徒がそれぞれバラザの感想を想い想いのままに書いています。多くの生徒が参加し、楽しみながら国際交流を経験できていることが読み取れます。
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東京ドーム3個分の広大な敷地。都会の喧騒から離れた環境で、勉学にも部活動にも思いっきり集中して取り組めます。
啓明学園の国際生の受け入れは、入試の一形態として扱っている訳ではありません。
「プレインタビューを行なっています。国際生がどのような環境で生活し、その経験をどのように捉えているのかということを保護者・受験生それぞれから話を伺います」
啓明学園は国際生の編入を随時受け付けています。国際生とは外国籍の生徒、帰国子女の生徒のほか、日本のインターナショナルスクール出身の生徒も含まれます。
受験資格等の確認のためにはプレインタビューを受ける必要がありますので、編入を希望される方は学校のホームページをご覧ください。
啓明学園の国際生受験情報
・英語型
(英語圏の現地校出身者、インターナショナルスクール出身者におすすめ!)
英語筆記試験もしくはTOEFLスコアの提出
英作文 40分
日本語作文 40分(もしくは能力に応じた試験 40分)
本人面接(英語および日本語)各5分程度
・日本語型
(海外の日本人学校出身者などにおすすめ!)
国語50分
算数50分
本人面接(日本語)5分程度
・外国語型
(日本語、英語以外の言語で教育を受けた人のための試験です。英語圏以外の現地校出身者におすすめ!)
外国語作文 40分
日本語作文 40分(もしくは能力に応じた試験 40分)
本人面接(外国語および日本語)各5分程度
詳しい試験内容・形式などは個人の能力・カリキュラムに応じて変わってきますので、学校に直接お問い合わせください。
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「理科系、文科系にかかわらず幅広い知識、そしてコミュニケーション能力をしっかり育てていきたいと考えています。これからの時代で、自分の考え方が述べられる能力は絶対に必要となります。現時点でその能力が身についていなくても、今はその意欲を持っていてくれればいいです。啓明学園では意欲がある生徒に対するサポートをする教育を実践しています」(理事長先生)
「まずは、今おかれている場所で頑張っていること自体、とても立派なことだと思います。辛いこともある中で、中には日本人が自分だけで孤独に感じてもがいている人もいると思います。そういう環境で頑張っているあなたはすごくえらいです。今経験していることは今後のあなたの人生で必ず無駄にはなりません。ですから、時に辛いこともあるかもしれないけれど、「異文化」を経験して来てください。
そして、自分がいろんな言語、文化を持っていて、それを活かしたい、伸ばしたいと思う生徒はぜひ啓明学園に足を運んでみてください」(能城先生)
啓明学園に興味を持たれた方は、ぜひ学校に足を運んでみてください。学校説明会や個別相談会も行われるため、ご関心のある方は啓明学園の公式HPにてご確認ください。
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・英検1級/準1級/2級の対策をしてほしい!
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とても熱心に指導していただきました。娘も説明がわかりやすいと言っておりました。
素晴らしい授業でした。毎回適切なワークシートの宿題を出して頂き、とても良かったです。指導内容も日本の受験に特化した形で教えていただけたので、注意されたところが息子にも受け入れやすかったようです。受験指導ということで短期間になってしまったので、とても残念です。足りないと思っていた部分を先生が補完してくださったことが、良い結果につながりました。
一貫した指導方法で、安心して授業を受けられました。問題点の洗い出し、またその解決策を具体的に提示してくださる一貫した方法で子供を合格へと導いて下さいました。またその分かりやすさは、勉強の面白さへとつながり、子供が授業を毎回楽しみにしている程でした。大変感謝しております。ありがとうございました。
中学入試のための英語エッセイを英語で指導していただきました。小学生には難しいところを的確に指導していただき、エッセイの構成や内容が格段に向上しました。親しみやすい雰囲気で毎週レッスンが楽しみでした。
ICT機器を上手く使って、息子に寄り添ってご指導下さりありがとうございます。