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夕方の忙しい時間、夫からの電話。
夫に内示が出たのは忘れもしない12月中旬、まさに次女が中学受験本番目前、長女は中3。
辞令はどうしてこうも、突然、それも「え?!今??」っというタイミングでくるのでしょう。
なぜ?なぜ、今?頭の中でぐるぐる回る言葉。落ち着いて、落ち着いて。自分に言い聞かせ「さて、どうするか?」一緒に行くのか、それとも母子で日本に残るのか。
子供が大きくなってからの帯同はリスクがあるので、高校生は日本に残し中学生以下を帯同するご家庭が多いのが事実です。
今回は少数ではありますが、高校生から海外IBインター校へ進学を決意し日本を飛び出したご家族のアンケート結果をご紹介します。
★重要ポイント①:渡航を決めたのは「子供自身」
今回アンケートにご協力頂いた方々全て同じ回答だったこと、それは「渡航を決意したのは子供の意思」だという点です。私自身も子供が大きくなってからの渡航は本人の意思が必要だと考えており、子供たちの意見を第一に優先しました。そして、どのご家庭も同じお考えでした。環境の変化に対応するのは、その子自身。本人が「よし、やってみよう」「行ってみよう」という気持ちがなければその先にくる困難に立ち向かうことは難しい、結果をもたらすことが難しい、そういう年齢なのです。
それでは海外IBインター校へ挑戦した5人のプロフィールをご紹介します。
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Q. 高校以前に海外経験はありましたか?
渡航を決めた理由の1つとして、幼少期に海外での生活経験があることがわかります。
経験したことがあれば年齢が違っても、海外生活のイメージが湧き、渡航へのハードルが下がったのかも知れません。それは英語圏に限らず、”海外で生活をしたことがあるかどうか”ということです。
Q. 在籍校に籍を残しましたか?
子供自身は退路を断つ思いで渡航を決めていますが、自分の意思はしっかり持っていても、その年齢わずか17-18歳。保護者としては子供の意思を尊重しながらも、その裏でいざという時に日本へ引き返す覚悟をしておくこと、在籍校への復学についてしっかり確認する必要があるでしょう。籍を残せなかったとお答え頂いたお母様からは「もし馴染めなかったら、どこかの学校に編入することを覚悟していた」と伺いました。
海外駐在の可能性があり、子供に海外の学校へ進むという選択肢を残したいのであれば、中学受験の際に復学可能な学校を選ぶことも大事です。
重要ポイント②
学年のスタート月が日本と異なること(海外は8月頃スタート)や英語レベルから大抵学年を落とす必要があります。このため大学入学は9月入学でない限り、周囲からは1学年以上遅れることになります。(浪人したイメージです)本人がこれに抵抗がないか確認が必要です。
Q. 渡航前にどの程度の英語のレベルがありましたか?
A. 英検2級・・・3名
英検を取得していなかったお子さん2人のうち1人は渡航前の英語塾に2ヶ月通われていました。
中高の帰国生受験に求められる英語資格が準1級と囁かれ、更に1級を取得しているお子さんもいるなか、2級は若干低く感じるかもしれません。しかし、英検サイトの目安は2級が高校卒業程度。それを中学3年生までに取得したことを考えると、国内生にとってそれほど低いとは感じません。しかし、その一方でどの子も渡航後授業について行くのに苦労したと答えています。
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Q. 実際インター校に通って何が大変でしたか?
・コロナ禍でオンラインの授業。
・Semester exam以外の試験は日本のように試験期間が決まっていないこと。
・ほぼ毎週何らかの試験があり管理が必要。
・ネイティブしかいない環境に圧倒された
・初めの半年は英語を話すことへの抵抗や間違えることへの恐れがあったこと。
・IBで数学や化学があったこと。
・学校とTOEFLや課外活動の両立。
当たり前のことですが教科によって専門用語が異なり、先生によって話すスピード、発音の癖、例えばインド系、アジア系、アメリカ英語、イギリス英語と異なります。綺麗な英語しか聞いてこなかった国内生にとっては衝撃だったはずです。授業の進め方もグループワーク、ディスカッション、レポートが多く、いわゆる日本式の座学授業は皆無です。
決まった期間にある中間テスト、期末テストなどで評価が出るわけではなく、学期末テストのほか、日々出される課題があり科目毎にスケジュールも異なります。時間との戦いになるので時間管理が重要なポイントとなります。オンライン授業ではZoomやGoogleを利用すること、対面授業でも当たり前のようにPCを使い、数学においては関数電卓も使うことに最初は戸惑うでしょう。
また、文系理系という概念がなく、数学はIBDP選択に関わらず必須科目になることも忘れてはいけません。
Q. どのように克服しましたか?
<授業について>
・授業に積極的に参加した。
・復習を徹底し遅れを取らないようにした
・クラスに友人を作り、授業の理解に努めた。
・友人にネット上にある過去問を教えてもらい試験対策に利用した。
・ポッドキャストやYouTubeで英語に一日中触れるようにした。
・同じアジア圏出身の中国人や韓国人と話しネイティブだけの環境に馴れるよう努めた。
・わからないところは先生に頻繁に質問をした。
・積極性を保つことで先生が力になってくれてアドバイスをもらえた。
・塾に通い解き方のヒント等アドバイスをもらった。
全員が戸惑いながらも授業についていくため努力を惜しまず、未だかつて経験したことのない海外での学習環境ににどう立ち向かうべきか模索し続けたことが伺えます。この結果、IBの理念である「自ら学ぶことを学ぶ」を「必然的に」身につけられたのではないでしょうか。一つ一つの言葉から、ひたむきに走った3年間の姿を垣間見ることができました。
<課外活動について>
・自分の行きたい学部・学科があればそこで有効そうなボランティアやインターンを選び、できるだけ長い期間参加した。
・時間があれば、友人から誘われたボランティアにも参加をした。
・勉強との両立のためには、長い休みなどの期間にやるといい。オンラインもおすすめ
帰国生大学受験では課外活動が重要になるため学校でもプログラムがあります。学校外での活動をする場合、学校生活とどのように両立するか戦略が必要です。課外活動と志望学部が関連したものであれば、志望理由がより具体的なものになります。
志望校を早い段階で決め、何が求められているか把握するといいでしょう。そうは言っても、なかなかそこまで決めかねるという時は興味のあるものをまずやってみましょう。学校以外の新たな人間関係が生まれ、新たな気づきに繋がり学部選びなど進路を考えるヒントになるでしょう。
重要ポイント③
帰国生受験に必要な滞在年数などの資格は大学によって異なり最終学年を含む2〜3年が多いです。予め募集要項で確認が重要です。
【徹底解説】IB(国際バカロレア)対策に困ったら?塾と家庭教師どっちがいいの?
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Q. IBDPを選択しましたか?
「IB選択について」渡航後に最も悩むのがこの選択です。そしてこれが非常に重要で、選択するかしないか、どの科目をハイヤーにするのか。これを間違えてしまうと取り返しがつきません。あらかじめ上級生や先生に話を聞くといいでしょう。また担当コーディネータがつくので、志望大学とG10の成績、自分の得意不得意など総合的に相談するといいと思います。
IBDPは選択していなくともG11からは寝る間を惜しみながら学校と家の往復という日々になり、タームブレイクには課外活動や英語資格の対策をすることになります。このように最終の2年間は非常に過酷なものです。
<IBDPを取得するメリット>
・海外大学への道が開ける
・国内大学の9月入学IB入試受験が可能
・国内大学の4月入学で帰国生受験だけでなくIB受験の出願が可能
・TOKなど日本の学校で学べない思考が身に付く
<IBDPを取得するデメリット>
・ハイヤー3教科(スタンダードより内容が深くなることや単元が多くりなり、テストが追加される場合もある)、スタンダート3教科を選択しなくてはいけない
・上記6教科以外にCAS(Creativity, Action, Service)、TOK(Theory of Knowledge)、EE(Extended Essay)が課される
・G12の最終試験の範囲が全教科全範囲になること。
・TOEFLやSAT対策に費やす時間が限られる
「IBの科目ってどれを取ればいいの?」という方必見!「IB科目選択ガイド」By EDUBAL
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Q. 日本と海外の違いはどのようなところですか?
・一人一人に寄り添うという先生のスタンスではないので、自分からアクションしなくてはいけない。積極性が命!
・レポートなどは先生によって評価が若干分かれるため、担当の先生と常にコミュニケーションをとることが重要。
・自ら学ぶことが大切になるので、言語の壁を感じながらも積極的に学ぶ意欲がないと難しい。
・日本のように部活動などはあまり活発でないため、仲間意識のようなものがあまり感じられない。
・数学が日本に比べて簡単なので、大学受験の数学対策が難しいこと。
日本であれば受け身でも先生が色々とサポートしてくれますが、海外では「自ら」「積極的に」が必要です。あるお子さんは授業に出席していても発言をしないのであれば、欠席と一緒と言われていました。厳しいですね…日本人にとっては難しいところですが、これが「世界」です。
そして数学。海外では関数電卓を使い、日常生活や社会に出て必要とされる実践的なものを学ぶため、日本で求められるものと少し異なります。日本の大学で理数系への進学を考えている方は別途対策が必要です。
Q. 海外の経験を経て思うことは?
・自主的な学びを通して自分の興味を見つけられた。
・多様な人や文化と触れ合うことで、自分の既存の価値観を見つめなおしたり、覆されることがあり、人や物事に対して寛容になった。
・多人種の友達とも仲良くすることで、多様な経験に挑戦することに屈しない精神面での成長を感じられた。
・たくさんの人種がいる環境で、自分がどうあるべきかを考え積極性や発想力を磨けた。
・勉強面以外でも将来グローバル社会に役立つ多くのことを学ぶことができた。
・課外活動を通して現地の人と関わったり、世界中の人とコミュニケーションをとる事で、自分の視野が広がった。
・社会問題や環境問題などについても活動を通して身をもって学ぶことが出来る。
・プレゼンやディスカッションを通して自主性や発想力を養い、アイデアなどを膨らますことができる。
〜保護者の方々から〜
・自分の考えを伝えたりすることに躊躇しなくなった
・自己肯定感が強くなった
・多文化•多様性にふれ、俯瞰的に日本を見られるようになった
子供たちが身をもって世界を体験した、そのまま感じたことが言葉になっています。
様々な価値観、人種、文化の中に身を置いたことで「自分がどうあるべきか」「何をすべきか」更には「世界の中で日本はどうなのか」を誰に教えられることなく考えることになったのでしょう。
それが日本という殻を飛び出したからこそ、得たものなのです。
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帰国生っていいよね〜。帰国受験ってラクなんでしょう?などという声をよく耳にしますが、本当にそうでしょうか?
高校生から海外への挑戦。
多感な年頃の子が果敢にも未知の世界に飛び込み、自分の居場所を新しく見つけ、そこで成果を出す。そこには「共に励まし高めあう友人」「進むべき道に迷った時、導いてくれる先生」「暖かく見守る家族の支え」そして何より「本人の強い意志」がありました。決して簡単ではない選択です。挫折した子もいるでしょう。リスクがあるだけに全員に自信を持って勧めるわけではありません。
ただ、この歳に挑戦したからこそ、子供自身がその手で掴み取ったものは、後の人生に大きな影響を与える何ものにも代え難い経験になるでしょう。保護者としてできることは限られる年齢ですが、お子さんの性格をよく考え、情報収集を怠ることなくサポートに徹することはできると思います。
「神様は私たちに成功してほしいなんて思っていません。ただ、挑戦することを望んでいるだけよ」
マザーテレサの言葉のように、多くの子どもたちが年齢に囚われることなく「挑戦する勇気」を持ってくれること、そしてこの記事がほんの僅かでも、その一歩を踏み出す力となってくれることを願っています。
【2023年度版】帰国子女大学受験/IB入試でおすすめの大学ランキング【文系編】
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著者プロフィール
EDUBALアンバサダー
バンコク6年、シンガポール3年帯同。
帰国中学・大学、一般中学受験を経験。駐在中の一番の悩みは進路!世界に羽ばたく子供達、それを支える保護者の「こんな情報あったらいいな」をカタチにしたいです。唯一の癒しはパンやお菓子作り。
EDUBALは難関大学に通う帰国子女の大学生と、家庭教師を探している帰国子女の生徒をつなぐ家庭教師サービスです。
EDUBALでは、インターネットのビデオ通話と通して授業を行うため、渡航前から海外滞在中も継続して受講することができます。
・突然、海外赴任が決まったので、個別の対策をしてほしい!
・海外インター校の授業フォローをしてほしい!
・IB校での対策&フォローを任せたい!
・帰国受験の対策をお願いしたい!
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とても真面目な先生に計画的に指導していただいています。 おかげでテストで高得点がとれました。
日本語で授業させていただいてますが、説明が分かりやすく質問にも丁寧に答えてくれています。授業科目以外の経験やアドバイスもシェアしていただいてるのでIB全体の参考になり助かっています。
細やかなところまで心配りができる先生に担当していただきました。優秀なのにおごったところがひとつもなく、いつも謙虚でいらっしゃるので、安心して任せることができました。
英語のご指導だけでなく、先生の経験に基づいたアドバイスを頂けるので、情報が少ない中でも自信を持って受験に臨めております。毎回の丁寧なご指導も勿論ですが、娘が楽しく授業を受けさせていただいていることに感謝しております。
エッセイの指導において、構成、文法、内容、各要素とても丁寧に教えていただきました。授業のおかげでより深みのあるエッセイを書くことができるようになりました。やらなければならないことをはっきり言っていただいたので、やるべきことが明確になり、勉強を効率よく進めることができました。授業の前の雑談の時間もとても楽しくより授業に集中することができました。