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京都にある立命館大学の国際関係学部には、「アメリカン大学・立命館大学国際連携学科(JDP)」という学科があるのをご存知でしょうか?学部レベルでは日本で初となる「ジョイント・ディグリー・プログラム」で、修了時にアメリカン大学と立命館大学が連名で1つの共同学位を授与します。4年間の学生生活のなかで、半分を京都の立命館大学、半分をワシントンD.C.のアメリカン大学で過ごし、海外正規留学を目指すIB生や帰国生にもオススメのプログラムです。
実は、立命館大学ではJDPの前から、アメリカン大学との「学部共同学位プログラム(DUDP)」を実施しています。今回は、2018年にこのプログラムを卒業し、投資銀行を経て、現在は外資系コンサルティングファームで働くKさんにお話をお伺いしました。
日本とアメリカの大学で半分ずつ学び、共同学位を取得する経験がどのように今に活きているのかや、帰国生としてどうしてこのプログラムを選んだのか、帰国大学受験を検討の皆さんにぜひ読んでいただきたい内容となっています!
Kさん
立命館大学
国際関係学部 2018年卒業
学部共同学位プログラム(DUDP)にて、アメリカン大学との共同学位を取得
投資銀行にてM&Aアドバイザリー業務を経験後、外資系コンサルティングファームに参画
6歳から10歳までアメリカのワシントンD.C.近郊の現地校に通っていました。国際色豊かな学校で、アジア・ヨーロッパ・南米など多国籍な友人に囲まれた環境が特に印象に残っています。学校の体育館には多くの国旗が掲げられていたり、International Cultural Fairという各国の文化を紹介し合うイベントがあったりして、国籍や宗教などバックグラウンドの異なる人々と過ごすのが当たり前の環境でした。授業中は積極的に挙手し発言することが求められ、クラスメイト間の思想・価値観の差異は歓迎・尊重されているように感じました。渡米当時はまだ6歳だったからか、カルチャーショックなどは特に感じず、その環境に自然に順応できていたように思います。学校外では現地の野球チームに所属し、多国籍なチームメイトと練習に打ち込む日々を送っていました。
その後、10歳で帰国し、地元北海道の公立小学校に転校したのですが、帰国後の経験の方が印象に残っています。その頃の私は、最初の漢字テストで200点満点中5点しか取れなかったほど日本語のレベルが低く、まずは言語面でのキャッチアップに苦労しました。授業中の質問に対して、回答となる単語が日本語では分からず、電子辞書で調べているうちに他の生徒に回答されてしまい、悔しい思いをしたことを今でも覚えています。
また、文化的なギャップにも悩まされました。私が育ったアメリカの環境とは対照的に、周囲の意見との同調が求められる、「出る杭は打たれる」ような雰囲気は、私にとって苦痛でした。国籍や外見は日本人であるにもかかわらず、中身が「日本人」になりきれていないと痛感する場面が多くありました。帰国直後は「母国に帰ってきた」とは思えず、むしろ帰国したことにより「自分の居場所を失ってしまった」と強い疎外感を覚えていたことを今でも鮮明に覚えています。
幼少期の海外経験や帰国後の経験から、自分のバックグラウンドを活かして「日本と海外の架け橋」となり、日本の国際化に貢献できるようなグローバルなキャリアを歩みたい、という志は確実なものとなっていました。大学進学にあたっても、そのような理想像に近づくために最適な環境を選ぶことを意識していました。
先ほどの話のように、帰国後の私は、自分のアイデンティティが、完全な「日本人」でもなく、完全な「アメリカ人」でもなく、どこかその中間にあることに大きな葛藤を感じていました。
その後、中高時代には研修旅行などで海外を訪れる機会が何度かあったのですが、現地の方々との交流などでリーダーシップを発揮していく中で、自分が幼少期を日米両方で過ごしたバックグランドが活かされている、必要とされているのだと実感することができました。それまでは「悩みの種」でしかなかった私のバックグラウンドも、誰かに必要としてもらえる場面があるのだと、それまでの辛い経験や葛藤がすべて報われたような気がしました。「将来はグローバルな舞台で活躍したい」という想いはそのような中高時代の経験を通じて強化されたものだと考えています。
一方、それと同時に、自分の実力不足を感じたのも事実です。バックグラウンドの異なる多様な人々と対等かつ建設的に議論する力を強化する必要性を高校時代の経験を通じて痛感しました。
そこで私は、グローバルかつチャレンジングな環境に身を置きながらコミュニケーションとリーダーシップを強化したいと考え、立命館大学国際関係学部に進学のうえ、4年間で日米2つの学位取得を目指すDUDPにてアメリカン大学へ留学することを決意しました。
理由は大きく2つありました。まずはワシントンD.C.の「グローバルな環境」です。世界中から集まる学生とともに国際関係を学べることに魅力を感じていました。また、数多くの多国籍企業や国際機関があるため、様々なキャリアの選択肢に触れ、視野を広げられることも大きな魅力でした。
そして、「チャレンジングな環境」です。日本の大学での一般的な留学プログラムの場合、期間は半年〜1年で、留学生のみを対象とした授業も少なくないと理解しています。一方、DUDPは2年間のプログラムで、現地の正規生と同様のカリキュラムで学業に対して強いコミットメントが求められます。「留学生活はあっという間だった」と一般的な留学プログラム経験者から聞くことが多かったですが、DUDPでは2年間の留学生活の中で、学業に一所懸命に打ち込みつつ、様々な課外活動にも挑戦でき、より充実した経験が得られるのではないかという期待が2つ目の大きな決め手でした。
学業面では継続的なハードワークが求められ、自分自身の忍耐力を鍛えるうえで非常に良い経験になりました。アメリカの大学では日本の大学に比べて1つ1つの授業で出される課題の量が莫大で、たとえば2日後の授業までに何十ページもの文章を読んでから次の授業での議論に臨むことが日常的に求められます。さらに、2年間で3年分のカリキュラム履修が求められるDUDPの性質上、私たちは現地学生の約1.5倍の授業を同じ学期に履修する必要がありました。そのため、DUDPの学生は現地学生よりも多くの課題と常に向き合う必要があり、学業に対して非常に高いコミットメントが求められました。DUDPの仲間と夜遅くまで大学の図書館や寮の自習室に籠り、意見交換をしながら、時にはお互いを励ましながら、大量の課題を仕上げたことは今でも忘れられない思い出です。
課外活動面でも、2年間の留学生活の中でインターンシップや学生団体、部活動など、様々な活動に打ち込めて非常に良かったです。私は、日本のテレビ局のワシントン支局でインターンシップをしていたのですが、ホワイトハウスや国務省などへの取材に同行したり、日本で放送されるニュースに使われる素材を翻訳したり・・・、世界政治の中心地ワシントンD.C.で活躍する記者の方々に囲まれながらグローバル業務のダイナミズムを体感でき、良い刺激になりました。また、大学の日本人学生団体において、日本人のコミュニティを超え、他の国籍や文化を代表する他の学生団体を数多く巻き込み、様々な文化を発信し合う異文化交流イベントを企画・運営したことも印象深い思い出です。さらに、テニス部ではチームメイトとともに練習に打ち込み、地区大会にも出場していました。このような活動を通じて現地学生との交流の輪は一段と広がりました。
正規生同等またはそれ以上にハードなカリキュラムに打ち込んだうえで、充実した課外活動も経験できたのは、DUDPの醍醐味の一つである「2年間」という長い期間があったからこそだと思います。
(編集部注)
※DUDPとJDPでは、カリキュラムが異なります。DUDPは、2つのカリキュラム・異なる専門分野を学んだ上で2つの学位を取得するため、極めて多くの単位修得が必要になります。一方、JDPでは1つのカリキュラム・専門分野を学び、1つの共同学位を取得するため、DUDPに比べて修得必要単位数が少なくなっています。
DUDP | JDP | |
---|---|---|
取得できる学位 | 海外大学の単位 日本の大学の単位 |
アメリカン大学・立命館大学 の共同学位 |
単位数 | 160~170単位 | 124単位 |
アメリカン大学の魅力は3つあると考えています。まずは立地です。アメリカン大学は首都ワシントンD.C.にあり、いろいろな国籍の人が身近にいてとても国際色豊かでした。様々なバックグランドを持った教授や学生と議論し、多角的な意見を交換しながら国際関係学を学ぶことができたのは大きな魅力だと感じています。
次に、社会人との接点が多かったことも魅力のひとつです。総合商社や国際機関、メディアなどの駐在員の方々との交流を多く持つ機会があり、その方々から各業界での業務内容やキャリアアドバイスについてお話を伺えたことはとても有意義でした。教科書だけでは学べないことがたくさん学べ、幅広い分野の方々と触れ合うことでキャリア面での選択肢が広がりました。多くの職種が集まる都市ならではの魅力であると考えています。
最後に、アメリカン大学では最大20名程度の少人数制の授業がアメリカの他の大学に比べても多いと言われています。授業内で積極的に発言することが日常的に求められるため、高校時代の私のように「議論する力を強化したい」と考えている学生にとっては素晴らしい環境だと思います。
立命館大学の魅力としては、私が参加したDUDPをはじめ豊富な留学プログラムがあることが挙げられます。私が在籍していた頃から、世界中の様々な大学への留学プログラムがありました。また、特に国際関係学部には留学生が多く、日本にいながら多様性のある環境で学べることも魅力的でした。
さらに、アメリカの大学に正規生として4年間通うのではなく、日米両方の大学に2年間ずつ在籍できたことによるメリットもありました。私はアメリカン大学での2年間を終えて帰国してから1年強にわたって就職活動に打ち込んでいたのですが、そのタイミングで日本にいたからこそ得られた経験や情報、人のネットワークが多くありました。
DUDPの先輩への訪問を皮切りに最終的には50名超の社会人と面談する機会を頂戴したほか、10社近くのインターンシップに参加しました。それらの経験によって各業界/企業に対する理解が深まっただけでなく、就職活動自体が自分自身の価値観と深く向き合う貴重な時間になりました。また、同じ業界を志す優秀な学生たちとの出会いが多くありました。一方、日本での就職を目指すアメリカの大学の正規生であれば、年に一度ボストンで開催されるボストンキャリアフォーラムに参加し、そこで短期間で内定を獲得することが一般的かと思います。
日本の大学にも身を置きながら多くの時間を就職活動に投下できたからこそ、幅広い選択肢をじっくり検討したうえで志望業界/企業を決めることができたと考えています。日米の大学のそれぞれの良さを享受できることもDUDP、ひいてはそのプログラムを有する立命館大学の大きな魅力だと考えています。
正直に言うと、2つの大学の共同学位を取得したこと自体の価値を感じることはあまりありません。しかしながら、それを取得するまで様々な困難を乗り越える過程で得られた経験、自信、そして仲間には今でも大きな価値を感じています。
最も大きかった困難はタイムマネジメントだったと考えています。先ほど申し上げたとおり、1つ1つの授業での課題の量がかなり多いうえ、DUDPの学生は現地生よりも多くの授業を履修する必要があったので、毎日非常に多くの時間を学業に投下していました。そのうえで、インターンシップや学生団体、部活動にも打ち込んでいたので、結構忙しい日々を送っていたと思います。そのような状況の中、優先度の高いタスクの絞り込みなど、タイムマネジメントの良い訓練ができたと考えています。
留学中に数多くの活動に打ち込み、自分のリソース配分の工夫を余儀なくされた経験は、世間から多忙と言われることの多い投資銀行やコンサルティングファームでの業務にも活かされていると感じています。
大きな困難に何度も立ち向かい、果敢に挑戦してきた経験・自信が現在の糧になっています。社会人になってから、大学時代とは比べ物にならない困難にも何度も直面してきましたが「頑張れば何とかできるだろう」とポジティブなマインドセットで立ち向かうことができているのは、大学時代の経験があったからこそだと思っています。
冒頭でお伝えした幼少期~学生時代の日米での原体験から、日本企業の国際競争力の向上に貢献したいと思って、前職の投資銀行を選びました。M&Aアドバイザーとして、日本企業による海外企業の買収案件をはじめ、数多くのクロスボーダー案件に関与でき、大きなやりがいを感じていました。一方、M&A案件の執行だけではクライアント企業、ひいては世の中に与えられるインパクトが限定的と感じる場面もありました。M&Aに限定されずに、クライアント企業のより幅広い経営課題に向き合えるようになりたいと考えて、現職の外資系コンサルティングファームへの転職を選びました。現在は国内外のクライアント企業の経営課題の解決に向けて、投資戦略や事業戦略を策定/実行するようなプロジェクトに多く関与しています。実は今も海外出張中なのですが、幼少期から抱いていた「グローバルなキャリアを歩みたい」という強い想いは実現できているので、このような機会にふと改めて思い返すと感慨深く感じますね。
また、「グローバルに活躍したい」という想いは今も持ち続けているのですが、私の関心がローカルに段々とシフトしていっているのも事実です。私は北海道出身ですが、東京での社会人生活を送る中で、教育や雇用機会などの様々な面において東京とその他地域との間に大きな格差があることを痛感するようになりました。現在は東京の大企業を支援させていただくことが多いのですが、いずれは地方企業の活性化にも貢献したいと考えています。
「スキル」というと専門知識や技術などの「ハードスキル」に焦点が当てられると思いますが、業界特有の知識や資料作成/分析スキルなどのハードスキルは社会人になってからでも十分身につけられると思います。学生時代は、そのようなハードスキルよりも、マインドセットやコミュニケーション、リーダーシップなどの「ソフトスキル」を磨いておくことが重要だと考えています。具体的には、「居心地の良い場所に安住するのではなく、高い目標を掲げて果敢にチャレンジし続けること」、そして「自分の決断を信じて愚直に努力し続けること」の2つが特に重要だと考えています。
まずは、高い目標を掲げてチャレンジし続けてもらいたいです。その挑戦の過程で得られた経験や人との繋がりは、将来さらに大きな挑戦に立ち向かう際に大きな自信になると信じています。「Step out of your comfort zone」 ― 私が高校時代の英語の先生から聞いて以来、意識し続けてきた言葉です。小さい挑戦の積み重ねでも良いので、今いる居心地の良い環境から一歩を踏み出し続けてください。
そして、そのような挑戦の決断を信じて、愚直にやり抜いてもらいたいです。中高生の皆さんはこれから大学選び、留学する場合は留学先選び、そして就職する際には就職先選びなど、様々な意思決定に直面することになります。十分な情報収集を通じてあらゆる選択肢をしっかり比較検討したうえで最適解を選ぶべきですが、どの選択肢が正解だったかは誰にも分からないものです。タイムマシンで戻ってすべての選択肢をやり直してどれが一番良かったかをフェアに比較することはできないので。だからこそ、意思決定の後にその決断が正解だったと後で思えるようにやり抜くことがとても重要だと考えています。「これからがこれまでを決める」 ― これまでの失敗も含め、自分のあらゆる意思決定は成功への道筋であったと思えるよう、自分の決断を信じ、愚直に努力し続けてください。
アメリカン大学との共同学位プログラムは、ワシントンD.C.のグローバルかつチャレンジングな環境に2年間身を置きながら、高い目標を掲げてチャレンジし続けられる絶好なプログラムだと考えています。特にすでに海外経験が一定程度ある帰国生にとっては、語学習得を主目的とした1年以下の留学プログラムではなく、2年間にわたり世界中から集まる学生と切磋琢磨しながら、幅広い経験に挑戦可能な本プログラムは非常に有意義なものになるはずです。
皆さんがこれからの様々な挑戦を通じてご自身を突き動かす原動力を見つけ、イキイキと輝ける将来を実現できることを願っています!
今回は、立命館大学国際関係学部の卒業生で、在学時にアメリカン大学の共同学位を取得したKさんにお話を伺いました。立命館大学とアメリカン大学の2つの大学で学ぶというユニークな経験は、もちろん大変さがあると同時に、そこでしか得られない体験・仲間があるという言葉が印象的でした。
立命館大学には、アメリカン大学との共同学位プログラムが2つあります。中でも「アメリカン大学・立命館大学国際連携学科(JDP)」は、学部レベルでは日本で初となる「ジョイント・ディグリー・プログラム」です。両大学が1つのカリキュラムを編成しており、卒業時には共同学位「学士(グローバル国際関係学)」が授与されます。
立命館大学で2年、アメリカン大学で2年、合計4年間を2つの国で過ごします。4年間の正規留学と比べると費用を抑えつつ、アメリカのトップスクールの水準の授業を受けることができます。また、日本、アメリカ、そして世界で活躍できるスタートラインに立つことができるのは大きな魅力と言えるでしょう。
今回のインタビュー記事をきっかけに、プログラムや入試情報についてもっと知りたい!という方は、以下の公式サイトを訪れてみてください。
他にも、立命館大学には英語で学位が取得できるプログラムが全部で5つありますので、併せてチェックしてみてくださいね。
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下記では、今までEDUBALで指導を受講された生徒様、保護者様から寄せられた声を掲載しています。
EDUBALで家庭教師をつけるかどうか迷われている方は、ぜひ参考にご覧ください。
優しく教えていただいいる上、レッスンの内容が深みがあり、授業がとても楽しいです。先生に出会って志望大学へのモチベーションがますます高まりました。楽しいのはもちろんのこと、いつも程よい緊張感がある先生の授業が大好きです。
楽しい授業をしていただいています。
注意点を示す時に的確かつ簡潔に説明していただけてとてもありがたいです。質問にはすべて丁寧にいただき、帰国子女としての受験の実体験からも多くアドバイスしていただけます。自分の日本語力が周りより低い中、受験合格までの文法や言い回しを沢山指導していただきました。量をたくさんこなすよりも一つ一つのトピックを分析しながら話し合う先生の教え方が自分にすごく合っていると思っています。去年書いた小論文からは大きく成長していると感じ、面接でもだいぶ自信がついてきました
しっかり対話しながら授業を進めてくれます。 勉強に対するモチベーションが上がっていて、感謝しています。
とても上手に授業を進めてくださいました。回答をしたときに仮に間違った回答や趣旨から外れた回答をしてしまっても、決して否定せずに肯定的なアドバイスをくださり、時にはその解答を活かしたアドバイスなどをしていただけたことによって、「回答をすること」自体も楽しくなったようです。子供の考えを丁寧に聞いてくださるため、モチベーションが自然と上がっていきます。授業の内外関わらずコミュニケーションをとりやすく、モチベーションを維持することができました。