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※こちらの記事の内容は2020年11月試験までのシラバスを元に書いています。2021年以降の試験を受ける方は、ご注意ください。
IB(国際バカロレア)生の皆さんは、Oral Exam(口頭試験)についてどのくらい知っていますか?11年生であれば、その存在をまだ知らない方もいるかもしれませんが、最終学年の12年生は、Oral Examが迫ってきているという状況ではないでしょうか?IBのLanguage AやLanguage Bには必ずOral Examがあります。Language AのOral Examには、「Individual oral commentary (IOC)」および「Interactive oral presentation (IOP)」があります。
このページでは、より入念な対策が必要となるIndividual oral commentary (IOC) における試験当日の流れ、評価方法、および対策方法をお届けしたいと思います! 今回は、日本人のIB受験者が選択することの多いJapanese A Literature HLの Oral Examについてご紹介します。
Individual oral commentary(IOC)では、詩、または詩からの抜粋が出題されます。対象作品は、シラバスの「パート2:精読学習」で学習した詩の中から教師が選択します。準備期間が始まるまで、対象の詩または詩の抜粋がどの作品であるかを知ることはできません。作品からの抜粋の数については、履修している生徒の数に応じて、異なる抜粋数が用意されます。
予め試験の時間が決められているので、その時間までに試験会場に行きます。 15分前など、余裕を持って行くようにしましょう!
試験の内実は以下のようになっています。
準備時間: 20分
詩の論評(コメンタリー): 8分
教師との質疑応答: 2分
ディスカッション: 10分
まず「パート2:精読学習」で扱った詩を渡され、20分間コメンタリーの準備をする時間が与えられます。 20分後、教師に呼ばれたら試験会場に入り、8分間で分析、その後2分間教師との質疑応答をします。 ディスカッションは、個人の口頭でのコメンタリー終了直後に、録音を止めずに続けて実施されます。 ディスカッションの対象となる作品は「パート2:精読学習」のうち、詩のコメンタリーでは使用されなかった作品となります。事前に二つの対象作品を教えられ、試験の最中にくじで一つを選ぶという場合もあるので、対象作品はどれもしっかり予習しておきましょう!
Japanese A HLでは、以下の6つの評価基準があります。(各5点)
基準(Criteria) A: 詩の知識と理解
基準(Criteria) B: 作者の選択についての認識
基準(Criteria) C: 論評の構成とプレゼンテーション
基準(Criteria) D: ディスカッションに使用された作品についての知識と理解
基準(Criteria) E: ディスカッションでの問いかけに対する答え
基準(Criteria) F: 言語
合計: 30点
それぞれの項目が満遍なく満たされていると、高得点が狙えます。
例えば基準(Criteria) Aで5を満たすには、「素晴らしい知識と理解があることが、厳選された的確な詩への参照で効果的に裏づけられた独自の解釈から見て取れる」必要があります。
詳しくはIBOの公式サイトに掲載されているCriteria(評価基準)の82〜85ページをご覧ください。
Oral Examの対策をするには、まず分析の流れを把握しておくことが一番大切です。
この項目では、オススメの分析の流れを紹介します!
分析の流れ
・詩の場合
1. 詩の作者の背景・特徴に言及
2. 詩集のタイトル、詩のジャンルに言及
3. 詩の題材・重要なメッセージを解説
4. 主題を支える根拠・レトリックとその効果を分析
レトリック(漢字・ひらがなの使い方、文体、韻の有無など)に言及することは、詩の分析において欠かせません。
様々なレトリックに気づき、それらを詩の内容(題材)と関連づける練習を普段からしておきましょう!
・小説の場合
1. 作者の背景(出身地、生い立ち、経歴、作品の特徴など)
2. 小説のテーマ、内容(あらすじ)、メッセージ、文体の特色など
どちらにおいても、「イントロ(序論)」については事前に準備ができるため、分析し始めるときに使うフレーズなどの「台本」を用意しておきましょう。 また、作品のタイトルやジャンル、作者に言及した後、「まずは構成を分析し、次に題材や言葉遣いについて分析する」 ことと、コメンタリーの流れを説明する練習をしておくことをお勧めします。
Oral Examでは、試験当日までどの作品が出題されるかわからないため、出得るすべての詩および文学作品の「分析ノート」を 一つずつ作っておくことが望ましいです。作品の主題および特徴をまとめておき、それらを支えるレトリック・文章表現等が あれば、関連づけておくとさらに効果的でしょう。
最後に、Oral Examに限りませんが、Language A Literatureでは詩や作品への理解力および個人的な解釈が問われます。普段から様々な経験をして、感受性を豊かにしておくと、深みのある分析ができるでしょう。
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