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立命館学園の設置する学校として誕生した立命館宇治高等学校。
自主性と多様性を重んじる校風のもと、生徒は自ら考え、学びを深めていきます。
創立以来、一貫して、英語教育と探究学習を推進してきた同校の国際バカロレア(IB)教育について取材しました。
近代的なデザインの校舎と広いグラウンドが印象的な同校
インタビューさせていただいた先生方
フォックス校長先生
立命館大学の文学部の教授として教鞭を執った後、2012年に立命館宇治高等学校の校長に就任。
「本校では、卒業後も自分で学び続けられる力を養います。自分自身でやりたいことを選択し、邁進していってほしいです。」
スタブズ先生
IB主幹 Global Politicsの授業を担当。
「生徒にNo(ダメ)とか、~しなさいと言わないようにしています。彼らの自主性を尊重することで、責任感が芽生え、結果的に早く成長すると考えています。」
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まずお話を伺ったのは、IBプログラムを導入し、様々な教育改革を進めてきたフォックス校長先生。同校の教育理念とIBの魅力について教えていただきました。
「本校は、IBのLearner Profile(学習者像)をもとに、理想とする人間像を掲げています。IBのLearner Profileは、10個の項目から成り立っていますが、これが非常によくできている。私自身、よく生徒にLearner Profileの説明をしています。例えば、Learner Profileにある”risk-taker”とは何かなど、入学式や卒業式など折に触れて全校生徒に話しています。」
「探究学習は、本校の重視している教育の柱の一つです。探究学習では生徒は自ら課題を設定し、考え、答えを見出します。教員はあくまでアドバイザーであり、生徒の独学の手伝いをするのが教員の仕事。日本では高校生は受験勉強をしなくてはいけないという考えが根強くありますが、私はもっと探究の時間を増やし、そうした固定概念を変えていきたいと考えています。」
フォックス校長先生は、自身の子どもがアメリカの高校でIBを受けていた当時は、IBのことを十分理解していなかったと言います。同校にIBプログラムを導入したことがきっかけで、改めてIBの良さを認識したとのこと。フォックス校長先生の考えるIBの魅力とは一体何でしょうか。
「IBとは何かと聞かれたとき、私はよくこう答えます。2年間かけて6つの科目しか勉強しないと。日本の高校だと、もっと多くの科目を勉強しますよね。それなのにIBでは6科目のみ。少ないと思うでしょう?しかし、知識は互換性があります。6科目しか勉強しなくても、これとこれはよく似ている、こことあそこが関係していると知識は有機的につながっていきます。だから6科目でも足りるんですね。これがIBの世界観です。」
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生徒全員にフルディプロマを義務づけている立命館宇治高等学校のIBコース。IB DPの取得率は89%、スコア35点以上の生徒の割合が38%と、世界平均を大きく上回る実績を残しています。
「ほぼ全員、国内大学と海外大学の両方を受験します。進学先は国内と海外それぞれ半々ですね。アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなどの英語圏に加え、オランダも人気があります。オランダは学費が安い上、ハイレベルな教育を受けられることが魅力です。附属校なので立命館大学に進学することもできるのですが、実際は立命館大学に進学する学生はほとんどいません。立命館大学に進学するだけであれば、わざわざ苦労してIBをやる必要はないでしょうから。」
高い進学実績もさることながら、特筆すべき点は生徒たちの目覚ましい成長ぶり。IBプログラムを通して生徒たちが大きく成長した、IBをやる前と後で明らかに変わったと保護者の方々から驚きの声があがっています。
「保護者の方からよく言われるのは、子どもが論理的になったということですね。例えば、テレビを見ていた子どものコメントが変わってくる、親の発言に根拠は何だと言ってくるとか。IBについてあまりよく知らなかった保護者の方も、家庭内での子供の変化を間近で見て、ああ、そういうことかと納得するようです。」
「以前、ハーバード大学の学会に本校の学生が2名参加したんです。その生徒のうちの一人は、入学当初、英語に自信がなく、授業中にもすぐ泣いてしまうような子でした。お母様ははじめ、うちの子がそんな立派な学会で何ができるのだろうと疑っていました。それが行ってみたら、自分の娘が大勢のアメリカの先生を前に堂々と英語でプレゼンをしていている!あの子がこんなに成長したなんて!とお母様は思わずその場で号泣してしまったそうです。」
高い学力と豊かな人間性を育成する立命館宇治高等学校。その背景には、一朝一夕ではできない緻密に設計されたカリキュラムと、先生方のきめ細かなサポートがありました。
同校では、IBコースへの進学をめざす生徒のための準備として、中学3年間、数学・理科・社会を英語で受講するイマージョン授業(IPS)を開講しています。IPSの授業は、IBDPの教授法を身につけた教員が担当し、批判的思考力、リサーチ力、実験企画力などを重視。少人数制で高い英語力を維持するとともに、国際水準の力を身につけることを視野に入れ、理数の学力も高く伸ばします。
「高1の4~12月は、IB DPの準備期間(Pre-IB)です。高1の10月頃までに選択科目を決定し、1月からいよいよIB DPが始まります。IBクラスは1クラス25名程度です。中学からの内進生が約60%、高入生は約40%ですね。英語はネイティブ並みに話せる生徒でも、Essayで苦労するケースが少なくないため、3年かけてライティングやクリティカルシンキングの土台をしっかり養います。高3になると、9月にMock Examが、11月にFinal Examが実施されます。Final Exam後の12~3月は、高校の指導要領に含まれる家庭科・情報・保健体育などの科目を勉強します。」
「高1時にPre-CASを取り入れ、CASが始まる前に生徒がCASのイメージがつかめるよう準備期間を設けています。先輩と一緒に動物保護施設でボランティアをしたり、外部から講師を招いて、ダンスや映像制作を学んだりします。生徒にとって、他者とのコミュニケーションの取り方を学ぶ良い機会になっていますよ。」
「高2からは本格的にCASが始まります。学校から生徒に提供するPre-CASとは違い、CASは生徒が自ら学びたいことを見つけて取り組みます。最近あった例だと、ケンブリッジ大学志望の学生のインターンシップですね。その大学の獣医学部に出願するには、病院でのインターンシップの単位が必要だったんです。学生本人が自分でインターンシップ先を探して、インターンをさせてくださいと直接お願いをする。が、突然高校生が一人で来ても、相手はわけがわからない。医学部の大学生ではなくて高校生。しかもバイトの応募でもない。先方はたいてい、何それ?って戸惑いますよね。そうしたときに、学校が先方に理由を説明し、協力してもらえるよう働きかけをしています。
インターンシップを希望する最初の一人は非常に大変です。しかし、一度道が開ければ来年以降はスムーズです。これまで多くの先輩が後輩に道を作ってくれました。もう10年近くやっているので、病院やホテルなど様々な団体や組織とつながりがありますよ。医学系志望の生徒は、通常は使用させてもらえないような医療器具を使わせてもらって実験をしたり、工学系志望の生徒は、サーキットで実際のレースのメカニックを一緒にやらせてもらったりしています。」
脈々と受け継がれる外部とのコネクションに加え、学年を超えた生徒同士の強い絆も特長の一つ。「先輩が後輩を教えるという習慣が根付いています。何か困ったことがあれば、先輩が後輩を全面的にサポートしてくれるので心配ありません。」
CASに留まらず、同校のサポートは多岐に渡ります。スーパーバイザー制度、チュートリアル制度、バイリンガルポリシーなど、生徒・保護者向けのサポート体制は万全。経験豊かな教員による抜群の安定感で、生徒たちの成長を後押ししてくれます。
①スーパーバイザー制度
生徒一人ひとりに教員がスーパーバイザーとしてつき、二人三脚でEE(Extended Essay:自ら研究課題を決めて書く論文)の執筆に取り組む制度があります。優秀な生徒と言えど、10ヶ月かけて4,000語の論文を書き上げるのは難易度が高いもの。期限内に納得のいく成果物を提出するためには、タイムマネジメントが鍵となります。教員は生徒と話し合いながら、来週までに何をするのか、細かく目標を設定することで完成までのプロセスを見える化していきます。
②チュートリアル制度
週2回、8時間目に全科目の教員によるチュートリアルが設定されています。生徒は授業中に分からなかった部分を個別で教員に質問することができます。多くの生徒がこの制度を活用しており、教員の枠が予約で全て埋まってしまう日も少なくないとか。
③バイリンガルポリシー
保護者向けの文書や説明会は、全て日英のバイリンガル対応です。学校の行事予定など今後のスケジュールは、保護者にも全て情報共有されています。
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最後に、立命館宇治高等学校のIBコースの入試について、スタブズ先生に説明していただきました。
「私たちは、ずば抜けて学力の高い生徒を求めているわけではありません。本校の生徒像に合致しているかどうか、授業についてこれる基礎的な学力があるかどうかをチェックしています。」と先生方は強調します。「過去問をご覧いただくと分かる通り、ペーパーテストでは最低限の学力の有無を判断しています。日本の基準からすると、本校の入試の数学の問題は恐らく簡単に見えるでしょう。しかし、数学は世界各地で学習する内容は異なりますし、基礎的な力があれば問題ありません。小論文も同様に、基本的なエッセイ ライティングの力があるかを見ています。英語のコミュニケーション能力や本人の志向性は、面接で評価しています。さらに、学校の成績、TOEFLやIELTSのスコア、課題活動なども合否の参考資料として使用しています。」
①学習意欲が高く、新しいことにチャレンジすることが好きな生徒。
②好奇心旺盛で、自発的に学ぶことができる生徒。
③バランスの取れた生徒。
推薦の場合は、TOEFL iBT 89点、IELTS 6.5点、TOEIC 800点、英検準一級が目安。
一般受験の場合は、10~15点の加点式で計算。
15点:TOEFL iBT 80点以上、IELTS 6.5点以上、TOEIC 740点、英検準一級
10点 :TOEFL iBT 61~79点、IELTS 6.0点以上、TOEIC 590~739点
・試験日:2020年2月10日
・試験科目:小論文(英語)、数学(英語)、面接(保護者同伴)
詳しい情報は、学校の学校の公式HPをご確認ください
EDUBALは難関大学に通う帰国子女や元IB生の大学生教師と、家庭教師を探している現役IB生やPre IB生をつなぐオンライン家庭教師サービスです。
EDUBALでは、インターネットのビデオ通話を通して授業を行うため、世界中どこにいても授業を受けることができます。また、帰国子女受験を経験している教師も多く在籍しています。
これまでにも、
・IB校の受験対策がしたい!
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などのお悩みを抱えた生徒さまに、IBを経験した大学生の教師をご紹介し、
オンライン家庭教師の指導によってIBが始まる前の勉強のサポートをしてきました。
EDUBALには約600名のIB経験者の大学生が教師登録をしています。
実際にIBで高得点を取得した教師が、自らの経験に基づいてIBに向けた準備をサポートいたします。
東京大学や京都大学をはじめとする国内外の難関大学に通っている教師や、IBで40点以上を取得している教師も多く在籍しています。
実際に、EDUBALを受講した方からは、
「実際にIBを経験した方だったので、的確な指導をしてもらえた上に、日本語で教えていただけたことで今まで分からなかった点が理解できるようになりました。」
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