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IBのGroup 3 サイエンスでは、細かい分野まで深ぼりして学ぶため、勉強方法や試験の臨み方がわからない人も多いのではないのでしょうか。
今回はIB Chemistry HLで7点を取得し、数多くの生徒に理系科目を指導しているM.S.さんに、各アセスメントの取り組み方をインタビューしました!
IB Chemistryについての詳しい説明はこちら
IB Chemistryの特徴について
今回インタビューした元IB生 M.S.さん
IBを取得した学校: UWC Mahindra College (UWC インド校)
在籍大学: University College London 医学部医学科
取っていたHL:Biology HL, Chemistry HL, Further Mathematics HL
取っていたSL:English A Language and Literature SL, Global politics, Hindi ab initio
取得した点数:44点
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「最初は学校の授業についていくのが精一杯で、IB最終試験に向けての勉強は直前にしか集中して取り組めませんでした。今振り返ると、もう少し早くから最終試験対策を進めれば良かったなとは思います。Academicな進学実績ではなく、70カ国近くから集まる生徒同士の交流や課外活動に重きをおく学校だったので、最終試験対策はあまり手厚くありませんでした。そのため、日頃の勉強は学校の授業の復習を中心に行い、試験前の数ヶ月でIBのFinal Examに向けて、過去問をたくさん解きました。」
「IBシラバスに沿った教科書に掲載されている、単元ごとの章末問題を学校の単元テスト前に解くようにしていました。IBのサイエンスの試験では、単元を跨いだ融合問題が非常に多くあります。カリキュラムが進んでいない段階で実際の過去問を解くと出鼻を挫かれることがあります。その点、教科書の章末問題は、特定の単元の知識さえあれば解ける問題がまとまっているので、習ったらすぐに解けるようにするべきです。」
「私は医学部受験の面接や、SLの科目の対策に時間を取られていたため、サイエンスの最終試験の勉強に使える時間はあまりありませんでした。そこで、最終試験直前の2月くらいから集中してパストペーパーに取り組みはじめました。
Paper 1は形式が似通っている問題が多いと感じていたので、一度解いたときに間違えた問題はまとめておいて、見返せるようにしていました。自分が一度間違えた問題を解き直し、わからないところをその都度復習していく方が広いシラバスから頻出問題を網羅する上で効率的だと思います。Paper 2やPaper 3でも、間違えた問題をリスト化して反復演習することで、同じ形式の問題は必ず解けるようにすることが重要です。」
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「IB ChemistryのPaper 1 では、暗記と計算の選択問題が半々くらい出題されます。計算問題といっても、計算機が使えないので、簡単な計算な問題か、消去法の問題しか出ません。たくさん問題に触れていくと、どのように選択肢を絞るか指針が立てやすくなります。例えば、酸性が強いものを水で薄めた時のpHを聞かれた場合、pHが元の値より下がることはないし、7より上になって塩基性になることがないので、自然と元の値と7の間より低いものを選べば良いと考えられます。このような直感を鍛えるためにはPast Paperをなるべくたくさん解いて、自分が間違えやすい問題のパターンを掴んでおくようにすると良いです。」
「また、私はいつもPaper 1の過去問を朝に解いていたのですが、いつも規定の半分の時間で解き切るということを目標にやっていました。当日、ほかの科目の試験でどんなに疲れていても、ゆとりを持って回答し答えを見直すためのいい訓練になりました。」
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「それぞれのトピックの内容は授業の間に疑問点を解決するようにしていました。Paper 2は記述形式ですので、理解していないと自分の言葉で説明が出来ません。そこで私は、わからない単語や、用語のコンセプトや反応の仕組みが理解できなかった時は、先生に質問をしたり、教科書を読んだり、YouTubeのチューター動画を見たりして、視覚的にまず理解するようにしました。」
「また、Paper 2やPaper 3では問題の配点によってかける時間を変えるようにしていました。箇条書きで回答を組み立てていくことによって、問題の配点ごとに必要な数のキーワードを確実に抑えました。また、Mark schemeを読み込んで便利な表現方法や必須のキーワードを頭に入れることも大切です。そして、計算機を使った複雑な計算は日頃から練習するべきです。計算機の扱いに慣れていないと、計算するたびに計算が変わってしまうことがあります。」
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「Paper 3では、オプションとして選択したトピックと、科学実験に関する問題が出題されます。
私はオプショントピックとしてバイオケミストリーを選択しました。私はバイオロジーも履修していたので、知識を応用することができ、理解しやすかったです。
科学実験の問題でも、使用している物質が違えど実験の構成は似ていたり、過去問で頻出の問題があったりするように見えたので、過去問をとことん解くようにしていました。」
「科学実験のセクションで点数を取るためには、教科書に載っている実験リストに沿って、一つ一つの実験を自分でまとめ直し、特徴を抑えるようにすることが大切だと思います。実験データを使って計算をする問題(これはP2と似ています)や、実験デザインについての改善点や問題点を指摘する問題が出題されます。後者は土壇場でうまく回答することが特に難しいので、実験で用いられる手法や、使用される化学物質の状態に着目しながら、入念に対策をしました。」
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「私は直前しか取り組むことができませんでしたが、理想としては2年生が始まって少しした頃から過去問を解き始めると余裕を持って対策をすることができると思います。」
「また、シラバスが現在のものに変わる前の2015年以前の問題を先に解き、2016年以降の問題は少しとっておいた方が良いと思います。しかし、新しい問題の傾向に慣れておく必要もあるので、半分くらいは前もって、残り半分は最終試験直前に取り組むべきです。」
「Chemistryでは特にシラバスが変わって頻出問題も変わったように感じます。現在のシラバスではOrganic Chemistryに重きを置くようになっているなと感じています。他にも、シラバスの番号順だと後半に習う単元も、複雑な問題がより多く出題されるようになった気がします。教科書の順番通りに勉強していくと、後半の単元は準備がおろそかになってしまいがちなので、早め早めに予習したり、順番を変えて勉強したりすることをオススメします。」
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「IB のScienceのIAでは、自分で実験をデザインしてレポートを書かなければなりません。私は油の保存温度と酸化のスピードとその時に油が保存している温度の関係について調べました。私は特にEvaluationに力を入れ、random errorと, systematic error, それぞれの原因と改善策を入念に書き込みました。」
「どの教科でもそうですが、IAは自分の学校の先生によって採点され、一部のみサンプルとしてIB本部に提出されます。IBOが発表しているIAのクライテリアはもちろんのこと、Referenceの形式、統計的検定の方法などは先生の好みも考慮するとより高得点が望めると思います。」
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「IB履修中は、学校の課題や、各単元の勉強、大学受験準備など、色々なことを同時並行に取り組まなければならず、時間管理が大変だと思います。しかし、この経験を経て身につくタイムマネジメントスキルは大学での勉強にも大変役立つので、頑張ってください!
また、過去問は早くから取り掛かるようにしましょう。そして、SL, HL関わらず、自分の弱い科目や単元に時間をかけて取り掛かることが大切です。私は正解不正解がはっきりしているサイエンスは自分で対策することができましたが、エッセイが必要なGroup 1, 4の科目では先生にエッセイの添削をお願いしたり追加で練習問題を頂いたりすることも多くありました。HL科目ばかりに時間を割くのではなく、各科目における自分の弱点を着実に克服していくことで、Overall 44点という結果を得られたと思います。」
M.S.さん、貴重な体験談、ありがとうございました!
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