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学校内の活動が評価されるInternal Assessment (IA)は、一定の時間をかけることができ、やり直しが効くため点数が取れやすいとされています。しかし時間をかけられるものの、「トピックは何にするべき?」「どうすれば高評価がもらえるの?」などお悩みの方は多いのではないでしょうか。
そこで今回はIAで高得点を取得したい方に向け、Science系 (Biology, Chemsitry, Physics) のIAで気を付けたいことと、トピック決めと実験についてのアドバイスを、筆者の体験談も交え、ご紹介していきます!
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Internal Assessment (IA)とは
前述したように、IAとは学校内で評価される課題のことで、この成績が科目ごとの最終成績の20%を占めます。
IBのScience系(Group 4)のそれぞれの教科(Biology、Chemistry、Physics)ではIAで求められていることは同じです。Research questionを授業で習う範囲のトピックから決め、それについての研究を、6~12ページのレポートにまとめるという内容になっています。
Science系のIAの場合、いくつか研究方法があります。その中でもほとんどのIAで扱われているLaboratory investigationという、生徒自身が実験をし、レポートにまとめる研究手法についてこの記事ではお伝えしていきます。
点数配分
IAではSLとHL、どちらも同じ評価基準があり、Personal engagement, Exploration, Analysis, Evaluation, Communicationの5つの項目から評価されます。
Personal Engagement | Exploration | Analysis | Evaluation | Communication |
---|---|---|---|---|
8% | 25% | 25% | 25% | 17% |
採点者が評価するにあたって、Exploration, Analysis, Evaluationに重きを置いていることがわかります。これらの項目を頭にいれながら、IAに取り掛かっていきましょう。
IAの流れ
IAの大まかな流れは、下の図のようになっています。
IAではトピックを決めた後、研究を進めるにあたって必要な知識についてのリサーチを行います。実験の手法なども調べた後に、実験を行い、計測したデータを分析します。
最後に、先生からフィードバックをもらいながら、研究結果をまとめたレポートを仕上げる、という形が一連の流れです。
特に「トピック決め」「実験」「レポート」では点数を左右する要点が多いです。
その為、以下からIA全体で気を付けたいことと、「トピック決め」と「実験」でのアドバイスを、ご紹介します!
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気をつけるべきこと3点!
まず、筆者が実際にIAを終えて感じた、IAで最も気を付けたいこと3点をお伝えします。
IAはEEほどではないですが、長期にわたる課題のため、計画を立てる必要があります。研究によっては実験に十分な時間が必要な場合があります。また、IAには予想外のトラブルがつきものです。これらのことを考慮したうえで現実的な計画を立てないと、レポートに費やす時間が少なくなってしまいます。
多くの学校ではそれぞれに決められたスケジュールがあり、「いつまでに何をしないといけない」というプランが用意されているはずです。それを守るというのはIAに限らず、IBでは基本中の基本です。トラブルがあることを前提に、余裕を持った計画を立てましょう。
IAの特徴として、教科の先生がそのIAの採点者であることが挙げられます。採点者が同時に指導者であるため、IAでは生徒の独自性を保つ為に、実験時間を含む先生からの援助は10時間ほどと規定されています。
その為、先生からレポートのフィードバックをもらえる時間には制限があり、1度か2度しかありません。この機会を有効活用するために、フィードバックをもらう前にレポートのクオリティーを自分の現段階で最も高い状態にして、より的確なフィードバックをもらえるようにしましょう。
IAの点数に直接的に関わるものが、先程ご紹介した5項目の評価基準です。それぞれ、具体的にどのようにすれば高く評価されるのでしょうか。
● Personal engagement
トピックに対する生徒の好奇心があるか、実験方法に生徒の独創性が感じられるかなどが評価されます。
なぜそのResearch questionに決めたのかを自分の経験談を踏まえて説明しましょう。
実験方法も基礎的すぎて、生徒の独創性が見受けられないのであれば、より応用的な方法を考えるなどの工夫が必要です。もし実験の方法が変えられないのであれば、Variablesをよりユニークにするなど、生徒の意思が感じられる実験にすることが重要です。
● Exploration
生徒の科学的探究心と、Research questionが明確で焦点を絞られているか、研究するにあたって適切なコンセプトと方法が使われているかが評価されます。また、安全性、環境的・道徳的配慮も評価されます。
この項目では、IAの冒頭に書くResearch question, Introduction, Background, Hypothesis, Methodologyの部分が評価基準となります。
・Research questionは分かりやすく、曖昧な表現でないか
(例:「How does __ affect__?」のように、見ただけで何がDependent variables で何がIndependent variablesかがわかるか)
・研究内容を理解するにあたって必要な知識(原理や方程式)が的確に説明されているか
・Methodologyは最善の方法なのか
などのことに気を付けましょう。
● Analysis
実験中に収集したデータの記録を分析し、それがいかに結論を裏付けることができるかが評価されます。
よりよい分析をするために、実験中の測定値のばらつき、十分なデータの量の採取、実験結果がどうResearch questionと関わっているかについて言及しましょう。
Analysisで最も重要なことはデータの正確さです。使用する器具から起こりえるErrors/Uncertaintiesについて明確に述べなければ、正確なデータではないと判断されてしまいます。また、より正確なデータを集めるには、ある程度の数が必要です。Variablesごとに3~5回以上の試行を実施しましょう。
そして、分析結果を述べる際には、ただ単に結果を述べるだけでなく、「このデータは__を示唆し、仮説を裏付ける/裏付けない」というように、必ずResearch questionにデータがどう関わっているのかを表記しましょう。
● Evaluation
どれほど仮説と研究結果が裏付けあっているかを明記しているかが評価されます。主に、結論の説明、研究内容の弱点の特定、研究の改善案に重きが置かれてます。
この項目ではデータの正確さと測定値のばらつきを最小限にする改善策を述べましょう。
EvaluationはAnalysisと関係しています。Analysisの部分でデータの正確さについて言及しているのであれば、Evaluationでも高得点が期待できます。Errorの要因の説明と、Errorの種類(Systematic errorかRandom error)についてを明記しましょう。
また、ばらつきを最小限にする工夫についても説明する必要があります。Methodologyを変えたり、試行回数を増やすなどの方法を考えてみてください。
Methodologyを変えたのであれば何を変えたのか、なぜ変えたのかを述べましょう。実験では一度で成功することは珍しいです。何かしらの問題点に境遇するでしょう。
「一発でうまくいった」というよりも、「初めはうまくいかなかったが__を__したらうまくいった」というように、どのように問題点を改善していったかが説明されている方が、より実験に深みが出て評価されます。
● Communication
実験内容や結果を効果的に伝えられているかを、レポートの書き方やデータの表示の仕方から評価されます。
明確で読みやすいレポートにすると採点者はより簡単に、深く研究内容を理解することができます。以下の点を特に気を付けましょう:
・グラフと表に色を入れて、レポートを視覚的に読みやすくする
・グラフや図はそれぞれに番号を付け、述べる際はその番号を参照する
・ページ数制限を超えない
科学にあまり関わりのない家族や友人などに、自分のIAを読んでもらい理解してもらえたら、Communicationという項目では完璧だ、と筆者は先生に言われていました。第三者に読んでもらって気づくことも多くあるので、ぜひ一度周りの人に読んでもらうことをお勧めします。
では、以下からそれぞれトピック決めと実験についてのアドバイスをご紹介します。
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トピック決めのアドバイス2点
IAで一番悩むのはトピックとResearch questionを決める時ではないでしょうか。実際にIAの内容を左右する最も大きな要因でもあります。その為、慎重になりがちですが、あまり時間をかけすぎると実験とレポートにかける時間が不足してしまいます。
アイデアがなければ計画を立てることもできないので、早めに決めたいものです。そんな方に、トピックを決める際のアドバイスを2点をご紹介します。
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IBではIAを評価する際、Personal engagementより他の項目の方が比重が大きいです。つまり、IBが求めているのは、独創性よりは目的を達成するための効果的な方法論と、結果の詳しい分析です。
トピックを選択する際、Personal engagementを意識しすぎて、極端に独創的になってしまう生徒は少なくありません。この場合、研究内容が複雑になりすぎて、深く分析をすることができなくなります。
また レポートの長さは規定されているため、その範囲内に収まる内容でなければなりません。極端に複雑で、研究内容自体の説明でページ数を使ってしまうよりは、シンプルな研究内容にし、分析にページ数を費やしましょう。その方が分析のクオリティーも上がり、高評価に繋がります。
IAをやるということはIBが始まった段階から決まっています。その為、IAが公式に始まってからトピックを考えるのではなく、それ以前から考え始めることをお勧めします。特に授業中はアイデアの宝庫です。勉強している中で見つかる単純な疑問点こそがIAに繋がります。
また、先生によっては授業中に「これはいいIAのトピックかも」と教えてくれる場合もあります。ノートの一角にこのようなことをまとめておくと、なかなかトピックが決まらない場合に見返せるので、とても便利です。
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実験のアドバイス2点
次に実験を行うにあたって気を付けること2点をご紹介します。
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実験は現実的でないといけません。難しく考えすぎて実験が複雑化してしまうと、より時間がかかりますし、機材がない可能性があります。IAでは、実験内容よりも分析力が評価されるので、シンプルな実験をいかに深く分析できるかがカギとなります。これを理解した上での実験選びをしましょう。
また、特にBiologyでは植物を育てるという実験をする生徒もいます。その場合、長期的でやり直しの利きにくい実験なので、尚更実験を実行する前に実現可能なのかを考えましょう。
前述したように、学校内でIAに費やせる時間には制限があります。その為、授業中で実験が行える時間は限られます。
学校と実験内容によって変わりますが、筆者の場合、2時間ほどの授業時間をIAの実験に費やせました。時間内に終わらせられない生徒は放課後に残ることが可能でしたが、せっかくなら早く終わらせたいものです。その為には、事前に実験に必要な機材を用意したり、実験方法の復習をして円滑に行えるようにしておきましょう。
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