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IB Mathematicsは多くの生徒が苦戦する教科ではないでしょうか。そうした中、IBでは試験勉強に加え、自らが選んだ数学論理を追求するInternal Assessment (IA)というレポートを書く必要があります。
しかし、数学という論理的な分野の中で、ある程度の独自性を組み込みながら、適切な数学のレベルに達したレポートを書くことは簡単ではありません。
そんなIB MathematicsのIAにお困りの生徒様の為に、この記事では筆者の経験談を元に、高得点を取るためのアドバイスや「どのようにIAを進めたらいいのか」「トピックはどう選ぶといいのか」などの疑問にお答えします!
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IAとは学校内で評価される課題のことで、この成績が教科ごとの最終成績の20%を占めます。
Explorationとも呼ばれているMathematics IAは、生徒が選んだ数学論理について追及し、それを6~12ページのレポートにまとめるという課題です。
IB Mathematicsは新しいカリキュラムに変更され、Analysis and Apporoaches (AA)とApplication and Interpretations (AI)の2つの科目に分けられましたが、IAの内容自体に変更はありません。
SLとHLの違いも、カリキュラム変更前と同じです。SLはIBで習う範囲内について、HLはIBで習わない範囲についてのレポートを書きます。
ただ、IAには評価基準があり、項目ごとの点数配分に若干の変更点があります。
MathematicsのIAではAA/AIまたはSL/HL、どちらも共通の評価基準があり、Presentation, Mathematical Communication, Personal Engagement, Reflection, Use of Mathematicsの5つの項目から評価されます。
Presentation | Mathematical Communication | Personal Engagement | Reflection | Use of Mathematics |
---|---|---|---|---|
4 marks | 4 marks | 3 marks | 3 marks | 6 marks |
採点者が評価するにあたって、20点満点中6点を占めているUse of Mathematicsに最も重きを置いていることが分かります。このことを頭にいれながら、IAに取り掛かっていきましょう!
IAの大まかな流れは、下の図のようになっています。
もちろん内容によりますが、Mathematics IAは、物理的な実験などが主に行われるScience系のIAに比べ、リサーチベースです。
まず、トピックを決めた後、使う数学の公式やコンセプトについてリサーチをして、どう実世界に適用できるのかを明確にします。数学公式の使い方の理解が出来たら、実際に計算をし、最終的に研究の解として数式や数字を割り出します。
最後に、研究方法の分析をし、先生からフィードバックをもらいながら、研究結果をまとめたレポートを仕上げる、という形が一連の流れです。
Mathematics IAでは特にトピックを決めることが生徒の一番の苦悩と言われています。そして、レポートも点数に直接関係してくる為、構成や書き方が非常に重要です。
その為、以下からトピックを決める時のアドバイスと、高得点を取るためのレポートの書き方をご紹介します!
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Mathematics IAでは何についてレポートを書くかで悩む生徒が多いのではないでしょうか。トピックを決める時に多くの生徒がやりがちなのは、音楽や地形などといった自分の興味のある実世界の分野から、何か数学が使えないかを考えてトピックを決めるという方法です。
しかし、まず、数学の公式やコンセプトを考えてからそれがどう実世界に利用できるかを考える方法をお勧めします。
Mathematics IAとは簡単に言うと、採点者に習った数学が、どう実世界で使えるかを教える機会です。つまり、メインはもちろん、使用する数学の公式・コンセプトになります。
前者の場合、実世界の分野を無意識的にメインとして捉えてしまいます。その結果、リサーチを進めていくと、思っていたよりも数学が使われていないなどの問題が発生する可能性があります。
それに比べ後者は、初めから最も重要な数学に重きを置いているので、IAの本来の目的から外れることはありません。
その為、まずは数学の公式やコンセプトのリストを作ることをお勧めします。
HLの場合は授業で習っていない範囲のものを、SLの場合は授業で習った範囲のものでリストを作成した後に、作ったリストの公式・コンセプトから実世界ではどう使えるかを考えてみてください。
次に悩むポイントとして挙げられるのは、どれほどの数学レベルが必要なのかです。簡潔に答えるとカリキュラム以上に難しくしなくていいです。SLはSLのカリキュラムと同レベルの、HLはHLのカリキュラムと同レベルの数学を使用します。
ただ、SLの場合は、授業内で習った範囲から選んでいいのですが、授業の範囲外からトピックを選ばなければならないHLの生徒は特に悩むことでしょう。習った数学と同レベルの数学とは何か定義することはなかなか難しいことです。
そこで、IAで使える数学の公式・コンセプトのアイデア集が掲載されているウェブサイトをご紹介します!
トピック選びに手こずっている生徒様は、以下のウェブサイトを参考にしてみてください!
Maths IA Guide by Lanterna Education
● SL
Internal Assessment Topic Ideas for IB Standard Level by Writers per hour
● HL
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先ほどご紹介した通り、レポートは5つの項目を基準に評価されます。それぞれ、具体的にどのようにすれば高く評価されるのでしょうか。
● Presentation
研究内容や結果を効果的に伝えられているかを、レポートの書き方や数式・データの表示の仕方から評価されます。
【気をつける点】
・明確で読みやすい、採点者に易しいレポートにする
①数式の書き方を一貫させる
②グラフと表に色を入れて、レポートを視覚的に読みやすくする
③グラフや図はそれぞれに番号を付け、述べる際はその番号を参照する
④ページ数の制限を超えない
・第三者(家族や友人)にIAを読んでもらい、読みやすいかチェックしてもらう
● Mathematical Communication
数学記号や方程式が適切に使われているか、必要な場合には数学用語が定義されているかが評価されます。
【気をつける点】
・説明するときは基本的に数式などを使う
または、グラフィック電卓のスクリーンショットやグラフ・データなどのツールを利用する
・授業で習わない用語などが出てきた場合は、定義をする
● Personal Engagement
トピックに対して生徒の好奇心があるか、研究方法に生徒の独創性が感じられるかなどが評価されます。
【気をつける点】
・自分の経験談を踏まえてなぜResearch Questionを決めたのか説明する
①自分が直面したチャレンジなどをどのように考え、乗り越えたかを言及する
②IAを通して自分がどう成長したかを述べる
③経験談や心境を述べる際は、第一人称を使う
・チャレンジに直面した際、自分の心境を組み込む
例)「__と思ったから、__をしてみた」
● Reflection
生徒が研究に対しての振り返りが出来ているかが評価されます。
【気をつける点】
・予想していなかった結果が出た要因の把握を明記した後、改善点を提案する
・研究方法が間違っていたのであれば、どう修正したかを明記する
● Use of Mathematics
レベルにあった数学が使われているかが評価されます。
【気をつける点】
・重要なのは、選択したトピックの難易度よりも、トピックについての知識と理解度を示すこと
・簡易的なトピックを選び、深く追求し、分析をする
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Mathematics IAのレポートには決まった書き方はありません。中にはIntroductionやConclusionなどの表記をしないレポートでも高得点を取ることも可能です。
しかし、Presentationという評価項目もあるように、採点者にとって「読みやすさ」は評価をする際に重要な点となります。その為、筆者はレポートはチャプターで区切ることをお勧めします。これも決まった区切り方はありません。
以下には経験者である私がお勧めする、基本的な構成を紹介しています。高得点を取る為に必要なポイントをカバーしているので、ぜひ参考にしてみてください。
① Introduction
② Background information
③ Calculation
④ Conclusion
⑤ Citation
では、それぞれどのように書いたらいいのでしょうか。得点の取れるレポートの書き方をご紹介します!
● Introduction
Introductionではまず、「このレポートは何についてなのか」、「なぜそのトピックを選んだのか」、「何を目的としているのか」を明記します。
以下の点を書くことを頭に入れておきましょう!
レポートで追求する問題を簡潔に記述しましょう。
・Rationale
「なぜこのトピックを選んだのか」、「どのような研究方法を使うのか」を書きましょう。特にトピックを選択した理由として、自分の経験談などを組み込むなど、Personal engagementを意識して書くことが重要です。
現時点では研究方法の詳細を書く必要はありません。採点者がレポート全体の流れを把握できるように、簡潔に説明しましょう。
・Aim
最終的にこの研究で何を知りたいのかを明記しましょう。
● Background information
ここではResearch questionを追求するにあたって、必要な知識(数学論理、数式、研究方法)の紹介をして下さい。
重要なポイントは素人が読んでも理解できるようにすることです。その為、まずは使用する数学論理の丁寧な説明から入り、研究方法についてはデータ収集方法から計算の仕方まで、ステップごとに丁寧な説明をしましょう。
● Calculation
ここからがIAの実践的な部分であり、Research questionに対する答えを出さなければなりません。Background informationで述べた数学知識を元に、本格的なResearch questionの追求が始まります。
追求の仕方はトピック次第ですが、主にデータ収集と計算が行われます。評価基準であるMathematical Communicationは、主にこの部分を評価するので、文章で説明するよりも、数式で説明することを心がけましょう。
情報量が膨大になる場合が多い為、ここで重要な点は「分かりやすさ」です。
データ収集をした場合、視覚的にデータを表示するグラフなどを主に使いましょう。こうすることによって、「分かりやすさ」だけでなく、評価基準であるPresentationでの得点も期待できます。
数式を書く際も、「分かりやすさ」を達成する為に、基礎的な式だとしても、計算に使用した全ての式を表記しましょう。
● Conclusion
レポートをまとめるConclusionでのポイントは、ただ単に起こったことを書くのではなく、「振り返ること」です。以下の点を書くことを意識しましょう。
CalculationでResearch questionに対しての答えを出したと思います。この答えをベースに、Rationaleで書いた「なぜこのトピックを選んだのか」を振り返りながら、「追求したかったことの答えを出せたのか」「その答えは予想通りだったのか」というような意見を述べましょう。
・Limitation and challenges faced
研究内容の強み・弱みを書きましょう。前述したように重要なのは「振り返り」です。研究中うまくいったこと、そして直面した問題点などを書き、「なぜうまくいったのか」「どのようにそれを乗り越えたのか」を明記しましょう。
・Improvements and further exploration
そして最後に、もしこの研究をもう一度するのであれば、何を改善するかを記述し、今回の研究をしたことで他にどのような研究に繋がるのかを書きましょう。自分が行った研究が未来に繋がることを示唆することで、研究内容の価値の大きさが表現され、レポートが綺麗にまとまります。
● Citation
Citationでは、レポートを書くにあたって使用した文献などをまとめ、指定されたフォーマットで参照しましょう。
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Mathematics IAのトピック決めとレポートの書き方をご紹介しました。最後に、まとめとしてMathematics IAで頭に入れておいて欲しい情報を共有します。
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もちろん研究内容を理解してもらうには、研究で使用する数学論理についての説明は必要です。しかし、採点者が深く知りたいこととは、生徒が自ら考えた研究方法であったり、分析です。
ページ数が限られているIAで、リサーチに大半の文字数を使ってしまうと本末転倒になってしまいます。「生徒が自ら考えた部分がメインだ」と意識して書くようにしましょう。
IAの特徴として、教科の先生がそのIAの採点者であることが挙げられます。採点者が同時に指導者であるため、IAでは生徒の独自性を保つ為に、実験時間を含む先生からの援助は規定されています。
その為、先生からレポートのフィードバックをもらえる時間には制限があり、1度か2度しかありません。この機会を有効活用するために、フィードバックをもらう前にレポートのクオリティーを自分の現段階で最も高い状態にして、より的確なフィードバックをもらえるようにしましょう。
Mathematics IAではデータを収集する場合、綺麗にまとめる工夫が必要です。また、図形など、文章で表せない場合もある為、図を挿入し、視覚的に理解させることが重要です。このような用途に便利なソフトウェアをいくつかご紹介します。
幾何・代数・統計・解析を結び付けた数学ソフトウェアです。作図をすることができます。
・Microsoft Excel
データ収集やグラフ作成に役立ちます。
・Microsoft Word
数式を挿入することができます。
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MathematicsのIAの対策アドバイスは以上となります。ただやはり、まだ自分のライティングスキルに自信がない生徒様も多いのではないでしょうか。
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