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インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)はUCLやLSEなどと同じロンドン大学のカレッジとして1907年に設立されましたが、2007年に独立した大学になりました。もともとは1800年代後半に設立された3つのカレッジを統合して設立されたため、前身から考えると150年以上の歴史があります。ビジネススクールもありますが、大学院のプログラムしか提供していないため、学部生にとっては完全に理系の大学であり、自然科学の分野では世界トップの大学の1つとして評価されています。
今回は、インペリアル・カレッジ・ロンドンの魅力と入試情報、選考プロセスをご紹介します。
世界ランキングを見ると、インペリアル・カレッジ・ロンドンがどういった評価をされている大学なのか客観的に知ることができます。「QS World University Rankings 2021」「QS World University Rankings by Subject 2021」の抜粋をご覧ください。
World University Rankings (世界ランキング) | 第8位 |
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Engineering & Technology (工学系全体) | 第7位 |
Natural Sciences (自然科学系全体) | 第9位 |
Life Sciences & Medicine (生命科学系全体) | 第11位 |
世界ランキングでは常に10位以内に入り、工学系、自然科学系、生命科学系の分野別ランキングでも毎年10位前後です。また、細かい分野に分けても順位のバラつきが少なく、理系であればどの分野も満遍なく充実している、というのはインペリアル・カレッジ・ロンドンの特徴と言えます。
オックスブリッジの2校(オックスフォード大学とケンブリッジ大学)はどちらもロンドン郊外にあり、ロンドン市内まで少し距離がありますが、インペリアル・カレッジ・ロンドンはロンドン中心部に位置し、ケンジントン宮殿やロンドン自然史博物館などが徒歩圏内という好立地です。そのため、トップレベルの大学に進学したいけど都市部での生活も譲れない、という方にとっては最高の条件が揃った大学と言えます。また、インペリアル・カレッジ・ロンドンでは1年目の学生は希望すれば必ず寮に入ることができるため、新しい土地で家を探す心配はありません。部屋のタイプは様々ですが、寮費は月350ポンド(約50,000円)から月1200ポンド(約170,000円)を超えるものまであり、大学との距離や1人部屋かどうかなどで細かく金額が変わってきます。
インペリアル・カレッジ・ロンドンは世界的に見ても留学生比率が高く、全体の約57%、半数以上を留学生が占めます(2019-2020年)。学部生だけを見ると留学生比率が高くない大学もありますが、インペリアル・カレッジ・ロンドンの場合は学部生の留学生比率も50%を超え、EU外出身学生だけでも学部生の1/3以上を占めるため、留学生の多さは特徴の一つです。そのうち、日本人留学生は約100人在籍しており、学部生と大学院生はそれぞれ約50人ずつ在籍しています(2019-2020年)。周辺にはUCLやLSE、キングス・カレッジ・ロンドンといった大学も多く、それらを含めると相当な人数の日本人学生がいるので、留学先での生活面の不安も少しは解消できるのではないでしょうか。以下に、2019-2020年のインペリアル・カレッジ・ロンドンの学部生と大学院生の人数をまとめました。
大学全体(19,934人) | 学部生:10,457人(うち留学生:5,325人) 大学院生:9,477人(うち留学生:6,135人) |
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近年の学部入試では、学部の定員約2,700人に対して毎年20,000人以上の出願があります。実際には定員より多く合格者を出すため、実質倍率はおよそ3倍です。専攻の規模や人気によって出願者数や合格者数にばらつきがあり、実質倍率が2倍を下回るものから5倍を超えるものまであるため、人気専攻の倍率には注意が必要です。2018年入学の入試データを抜粋して以下にまとめました。
専攻 | 出願数/合格者数/入学者数 |
---|---|
BSc Biological Sciences (生物科学) |
722 / 484 / 130 |
BEng Computing (コンピューターサイエンス) |
929 / 137 / 41 |
BSc Mathematics (数学) |
871 / 306 / 83 |
BSc Physisc (物理学) |
418 / 108 / 32 |
出願要件は希望する専攻によって多少の違いはありますが、多くの専攻でIBでは45点満点で38〜40点、なおかつ特定の科目でそれぞれ一定の成績を収めている必要があります。また、AレベルではAAAやA*A*Aといった成績が求められます。インペリアル・カレッジ・ロンドンでは多くの専攻で面接が課され、面接以外にも別途試験を受ける必要がある場合もあるため、希望する専攻の出願要件はホームページ上で確認する必要があります。参考として、2021年9月入学者向けの出願要件を抜粋しました。
専攻 | 出願要件 |
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BSc Biological Sciences (生物科学) |
Aレベル: AAA、生物 A、化学・数学・物理から1科目 A IB: 38、生物 6、化学・数学・物理からHL1科目 6 英語レベル: Higher |
BEng Computing (コンピューターサイエンス) |
Aレベル: A*A*A、数学 A*、その他2科目 A*A IB: 39、数学HL 7、専攻と関係あるHL1科目 7 英語レベル: Standard |
BSc Mathematics (数学) |
Aレベル: A*A*A、数学と上級数学 A* IB: 39、数学HL 7、HL1科目 6 英語レベル: Higher |
BSc Physisc (物理学) |
Aレベル: A*A*A、数学 A*、物理 A*/A IB: 40、HL3科目 766 (数学と物理含む) 英語レベル: Higher |
また、英語要件は専攻によって異なりますが、大学によって定められたレベルであるStandard、Higherのいずれかを求められます。オックスブリッジやアメリカのトップスクールなどと同じく、TOEFL-iBT 100点やIELTS 7.0を求められる場合が多いですが、スピーキングなどの個別要件はそこまで厳しくありません。IB Englishの成績で代替する場合も、成績の要件は比較的易しめに設定されており、TOEFL-iBT、IELTS、IB English以外にも多くの英語試験のスコアを英語要件として提出することができます。以下にStandardとHigherそれぞれの最低スコアを紹介しているので、確認してみてください。
英語試験 | 最低スコア |
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TOEFL-iBT |
Standard: 92点、各20点以上 Higher: 100点、各22点以上 |
IELTS (Academic) |
Standard: 6.5、各6.0以上 Higher: 7.0、各6.5以上 |
IB English A |
Standard: 4以上(SL・HL) Higher: 4以上(SL・HL) |
IB English B |
Standard: 6以上(SL)、5以上(HL) Higher: 6以上(SL)、5以上(HL) |
インペリアル・カレッジ・ロンドンでは、成績要件と英語要件を満たした学生に対し、成績、推薦状、志望理由書(Personal Statement)、面接をもとに選考を行います。志望理由書は希望する専攻に対する興味やモチベーション、そのきっかけとなった理由や経験などを説明し、他の出願者との差別化を図る貴重な手段です。また、インペリアル・カレッジ・ロンドンでは成績要件を満たしている学生は全員面接をする方針の専攻も多く、面接官は志望理由書をもとに質問することになるため、過度な誇張は後に自分を苦しめることになってしまいます。15名や30名といった各専攻の定員に対して、必要な成績用件を満たしている人が倍以上いるということを踏まえて、アドミッション担当にアピールするつもりで志望理由書を考えてみてください。専攻によって試験が必要だったり、留学生は試験を免除されたりと条件が細かく異なってくるため、自分が希望する専攻がどういった選考プロセスなのかは注意が必要です。
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