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【TOKでAを取った筆者が解説】IB TOK May 2022 Prescribed Titlesを徹底解説!

【TOKでAを取った筆者が解説】IB TOK May 2022 Prescribed Titlesを徹底解説!

2022年5月に試験を受ける人に向けたTOKエッセイのPrescribed Titlesが発表されました。
TOKエッセイはTOK全体の最終評価の67%を占めるため、たくさんの時間と労力を割かなくてはいけません。こういった背景から、早くPrescribed Titlesを選択してエッセイに取り掛かりたい方が多いかと思います。ただし、「どのトピックを選択すればいいのかわからない…」「エッセイではどういったことを考慮して書けば良いの?」といった疑問や悩みも多く見受けられます。そこで、本記事では各Prescribed Titlesの難しい点やアドバイスを、元IB生の筆者がご紹介していきます!

*本記事の分析は、TOKエッセイでAを取った筆者による解説です。TOKは正解のない科目なので、この解説を参考程度にお読みください。

 


目次

  1. IB TOK May 2022 Prescribed Title ①:知識と文化
  2. IB TOK May 2022 Prescribed Title ②:真実と事実
  3. IB TOK May 2022 Prescribed Title ③:自然科学の優位性
  4. IB TOK May 2022 Prescribed Title ④:人間科学・歴史とストーリー
  5. IB TOK May 2022 Prescribed Title ⑤:良い解釈と悪い解釈
  6. IB TOK May 2022 Prescribed Title ⑥:倫理と知識
  7. TOKでお困りのあなたへ

IB TOK May 2022 Prescribed Title ①:知識と文化

このPrescribed Titleは知識と文化の関連性に関する設問です。ここで焦点となるのが、「文化は知識に影響を及ぼしているのか?」です。この設問を答えるにあたって、一番重要なのが定義づけです。「文化」や「知識」といった曖昧な言葉を細かく定義づけすることで、一貫して考えることができます。またエッセイに一貫性が出るだけではなく、定義づけをすることで読者が読みやすくなります。TOKは正解のない科目になるので、「わかりやすさ」や「説得力」で評価されます。
このPrescribed Titleは「論じなさい(Discuss)」がコマンドタームとし使われているので、必ず反論を入れる必要があります。自分の主張の正当性をアピールするためには、この反論をさらに反論した方が良いでしょう。

 

難しい点

・一貫した「文化」と「知識」の定義
・「文化」から影響を受けていない「知識」の例が比較的少ない

 

アドバイス

・知識が生まれた地域の「文化」を調べる
・「文化に影響されていない知識」だけを考えるのではなく、「文化に影響されている知識」も考える
・選択した科目でパラダイムシフトはあったのか?なぜパラダイムシフトが起きたのか?
・時代によって「文化」の影響が異なるため、時代別に調べる

 

筆者の考え

筆者は「文化に影響されない知識はない」と思っています。文化に直接影響されていない知識もありますが、知識が生まれた背景を見ると文化に影響を少なからず受けています。私は社会の価値観も文化の一つとして考えています。科目内で、どの分野をどのように発展させるべきかは文化や社会の状況や価値観(Norms)によって影響を受けています。数学も社会が「必要」と考えたため、虚数など自然・日常では使わないような知識が生まれたと考えられます。また自然科学も同じように、社会の価値観の変化によってパラダイムシフトが起きています(地動説や天動説など)。文化によって知識は選別されているので、「文化に影響されない知識はない」と筆者は結論づけます。

 

IB TOK May 2022 Prescribed Title ②:真実と事実

このPrescribed Titleは真実(Truth)と事実(Fact)の関連性に関する設問です。こちらも先ほどと同様に、定義が重要になってきます。「真実」とは何か?「事実」とは何か?これら二つを、日常会話の中でどのように使い分けているか考えましょう。
このPrescribed Titleで一番気をつけるべき点は、「この発言をした人の意向により過ぎていないか?」です。マヤ・アンジェロウによる発言を抜粋したものになるので、その方を調べたくなる気持ちはわかりますが、それをIBOは求めていません。

 

難しい点

・一貫した「真実」と「事実」の定義
・各科目において、「真実」と「事実」は何を指すのか
・「真実」と「事実」の定義で、知識全てを区別することができるのか

 

アドバイス

・「真実」と「事実」どちらが流動的か考える
・パラダイムシフトで変化するのは「真実」と「事実」どちらか?
・哲学的な質問のため、哲学をヒントにしてみる

筆者の考え

筆者は「真実と事実に大きな違いがある」ことに概ね同意します。事実を「実際に起きた現象」として定義し、真実を「事実の偽りのない解釈」と定義します。事実は実際に起こる現象なので、事実が変わることはありません。ただし、真実は人がどのように「解釈」しているのかなので、流動的です。星が規則的に動いていると言う事実から、天動説と言う真実が生まれました。ただし、自然科学が発展していくにつれて天動説が間違っていて、地動説が正しいことがわかりました。「星が規則的に動いている」と言う事実は変わらなく、その解釈が変わったため、地動説が真実となりました。よって、真実と事実には大きな違いがあります。

 

IB TOK May 2022 Prescribed Title ③:自然科学の優位性

このPrescribed Titleでは、「自然科学が他の分野の知識よりも、正当性(Justification)に優れているのか?」を議論します。筆者は、こちらの設問が一番難しいと感じます。どの分野も共通して帰納法や演繹法を駆使しているので、「自然科学は他の分野とは異なる」という主張を成り立たせるのが難しいです。

 

難しい点

・「優れている」とは何か?それは共通した認識なのか?
・自然科学と他の分野の知識の違い
・発見した違いが生む効果は?

 

アドバイス

・「再現性があるから」といった当たる前な答えは避ける
・自分が一番論じやすいと感じた分野を選ぶ
・あくまで、「正当性」で評価する

筆者の考え

筆者は、自然科学が他の分野の知識よりも、正当性(Justification)に特別優れているとは思いません。自然科学では、帰納法や演繹法が使われていますが、全ての知識に反証可能性(Falsfiability)があります。反証可能性とは、「この知識は絶対ではない」ということを指します(例.超弦理論)。よって、自然科学は「絶対ではない知識」によって作られた知識の体系だと考えられます。人間科学における手法は自然科学同様、帰納法や演繹法が使われています。また、自然科学のように好きなだけ再現できるモデルはないものの、全ての理論に反証可能性があります。手法としても、知識の不完全さとしても自然科学は人間科学と変わらないため、自然科学は優れているとは思いません。

 

IB TOK May 2022 Prescribed Title ④:人間科学・歴史とストーリー

このPrescribed Titleでは、「どのように人間科学と歴史がストーリーによって知識が生成されているのか?」を議論します。人の話を聞いて知識を生み出す手法はありますが、知識の分野によってはあまり用いられていません。少しマイナーな手法になっていますが、人類学や心理学ではストーリーがよく使われています。歴史でも、一次資料としてストーリーが使われていたりしますが、例を見つけることが難しいかもしれません。このPrescribed Titleは、「例が思いつく方」におすすめです。

 

難しい点

・ストーリーが知識を生み出した例が少ない
・質的な分析(Qualitative Analysis)のメリット、デメリットを理解する

 

アドバイス

・インタビューを使った研究を調べる
・インタビューを行なった上で、どのように知識が生成されているのか?

筆者の考え

筆者は、歴史や人文科学でストーリーを使うことで、「なぜ?」を深掘りすることができ、より質の高い知識を生成することができると考えます。人文科学において、帰納法や演繹法を通して知識を相関関係を理解することができます。ただし、それは知識ではなく、「〇〇が起きると、△△が起きる」という相関しか理解することができません。因果関係がわからないと知識としては不十分です。人文科学や歴史は自然科学のように物的証拠がないので、検証が難しくなります。検証の一つとして、インタビューやストーリーが役に立ちます。よって、人文科学や歴史において、ストーリーは因果関係を示す上で重要な手法になります。

 

IB TOK May 2022 Prescribed Title ⑤:良い解釈と悪い解釈

このPrescribed Titleでは、「良い解釈と悪い解釈の差」について、芸術を挙げながら議論します。「良い解釈」と「悪い解釈」の例を挙げながら、この二つの差はどのように生まれるのかを探していく必要があります。この設問を答えていくにあたり重要になるのが、解釈の例です。一般的に悪い解釈は「正解ではない」と捉えることができます。ただし、良い解釈は「多分正解」と思われています。TOKエッセイでは、こういった主張をより具体的な例を用いて行なっていく必要があります。誰にでもわかりやすい「良い解釈」と「悪い解釈」の例が思いつくのであれば、この設問がおすすめです。

 

難しい点

・誰にでも「良い解釈」か「悪い解釈」かがわかる例を考える

 

アドバイス

・良い解釈だと感じたもの、悪い解釈と感じたものをできるだけ多く挙げる
・学術的な解釈と個人的な解釈を分ける
・解釈の根拠

筆者の考え

筆者は、良い解釈と悪い解釈の違いには、論理性が関わっていると思います。「良い解釈」だとされている分析は、作者について、時代背景、作品の特徴の全てを考慮しながら解釈を組み立てています。全ての方向性において一貫性のある解釈は、論理性があり、他の人に納得してもらいやすいです。逆に、一つの方向性からしか分析していない解釈は、「別の方向性から見た時に、逆の解釈にならないか?」という疑問が残り、「悪い解釈」と評価されます。よって、一貫性、それからくる論理性が、「良い解釈」と「悪い解釈」を分けています。

 

IB TOK May 2022 Prescribed Title ⑥:倫理と知識

このPrescribed Titleでは、「どういった場面で、知識を生成するより倫理が優先されるのか?」について議論します。倫理によって制約のある研究や、倫理によって研究が社会的に批判された例が多くあります。また、それは分野に問わず、人間に直接役立つ研究であったとしても、倫理的な制約があります。こちらも他のPrescribed Titleと同様に、適切な例が思い浮かぶ人はおすすめです。

 

難しい点

・倫理的な制約のあった例と倫理的な観点により批判された例を探す
・倫理は普遍的なのかを考慮しつつ、選定した例が行われた地域の倫理も考える必要がある

 

アドバイス

・倫理的な問題にならないギリギリな研究を探す
・なぜ「Aの研究」は実施され、「Bの研究」は禁止されているのか?

筆者の考え

筆者は、倫理が優先される場面は「命を扱う時」だと思います。殺生や生き物を作る研究は倫理的に反していると言われています。ただし、実験対象となる生き物がモルモットやハムスターといった、「実験で使用するのに認められている生き物」であれば許容されています。また、「実験を行わなければ多くの人が死ぬ」というように、緊急性のある研究に関しては例外的に認められていることも多いです。例外はあるものの、生き物を扱う実験や研究は基本的に倫理的な制約があります。

 

TOKでお困りのあなたへ

2022年5月に試験を受ける人に向けたTOKエッセイのPrescribed Titleを解説してきましたが、いかがでしたか?
TOKで良い成績を収めることができれば、ボーナスポイントがもらえる可能性があるので、時間をかけて書くことをおすすめします。また、エッセイで良い点数を取るためには、自分に一番合ったトピックを選ぶことを意識するようにしましょう。そして、常に他の人にエッセイや理論を読んでもらい、「伝わるか?」「説得力はあるか?」「構成としては正しいか?」を確認してもらいましょう。

 

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