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IBディプロマを取得する上ではMathを必ず履修する必要があり、スタンダードレベルでも求められる数学力の高さに驚くことがあるかと思います。
MATH AAは、数学があまり好きではない、得意でない人でも、実世界における数学の活用が学べたり、
新しい視点で数学を楽しめるカリキュラムになっています!本記事では、IB MATH AAのSL、そしてHLでディプロマを取得した学生の経験談から対策を徹底解説します。
映えあるIB対策 x 体験談シリーズ一人目のインタビューイーは、MATH AA HLでディプロマを取得し、イギリスの名門大学、UCLに在学中の佐藤さんです!
佐藤さんには、IBの試験やIAをどのように対策したのか、そしてMATH AAを習得する上で意識すべき事について等、様々なことをお伺いしました。また、AA SL取得者の代表として私、筆者の白石も自身の経験談を交えながら、佐藤さんとMATH AAについて対談しました。話し合いを通じてSL、HLの多面的な比較も行いましたので、これから科目選択を控えている学生の皆様も是非ご参考にして頂けると幸いです。
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まずは、佐藤さんのプロフィールのご紹介です!
佐藤さんのプロフィール
2003年生まれ、東京都出身。2021年Upper Canada College(カナダ)卒、現在University College Londonに在学中。
HL: Biology/Mathematics AA/Economics
SL: Chemistry/English A Literature/Japanese A Literature
EDUBALで体験レッスンの指導経験を持つ。筆者とは西町インターナショナルスクール在籍時に知り合い、10年来の仲である。将来はワクチン開発や薬理セラピーで起業し、人々を助けたいと意気込んでいる。
筆者:佐藤さんがMath AAを選択した理由を聞かせて下さい。また、HL/SLの選択で迷いましたか?
佐藤さん:扱う数学の分野として、AIは統計を重視していて、Excelなどのデーターシートを頻繁に使うと聞きました。自分は関数や微積分といった、一般的な高校数学の理論を学びたかった為、迷わずAAを選択しました。また、AAの方がAIより扱う数学のレベルが難しく、理系大学からの評価が高いと聞いたのも理由の一つです。HLを選んだ理由としては、自分の好きな数学に長い学習時間をかけられるため、より深く学べると思ったからです。
筆者:佐藤さんらしい、率直な感想ですね!ありがとうございます。やはり、数学があまり好きではないという人は、無理にHLを選ばない方がいいですか?
佐藤さん:そうですね。IBディプロマ自体、白石さんもご存知のように、数学は必ず履修する必要があります。HL、SLのどちらかを選ぶ場合は、深掘りしたい科目にHLの枠を使う事が賢明だと思います。なので、そういった方はSLの方をオススメします。
筆者:では、日頃の授業はどのように取り組みましたか?
佐藤さん:実は、IBが始まった当初は新概念がたくさん出てきて、授業に集中できませんでした(笑)。日本人はあまり質問を聞かない風潮があると思うのですが、自分も例に漏れず、聞くのを躊躇っている時期がありました。しかし海外だと、自分から積極的に助けを求めないと何も改善されません。教科書を読みながら解いていくのが大事ですが、わからないところはしっかりIBの先生に聞いた方がいいなと思いました。自分の高校では、放課後に先生が補講をしてくれるサポート体制が整っていたので、助かりました。
筆者:まさにそんな感じがしますね。規模が小さい高校(インター)では先生が構ってくれるケースもあると思いますが、どちらにせよ自主的に質問を聞きに行くのがベストですよね。学業的な課題は徐々に解決されましたか?
佐藤さん:最初にIBに入った時は正直苦しみましたが、過去問を解くことの重要性を教わってからは、解決されたと思います。IBのカリキュラムは世界共通なので、生徒のパフォーマンスが先生のスキルに大きく依存しないと思います。これはIBという一定の大基があるからで、試験フォーマットに慣れれば、十分に対策できるからです。最初の一年はこれを知らなかったので、授業でやっていることに満足して、模試で苦労しました。授業を聞くだけでは内容を理解していても変則的な問題に対応できないので、試験に向けて過去問を解くことも大事です。
筆者:試験の話が佐藤さんからも上がりましたが、ペーパー1~3はそれぞれ、どのように対策しましたか?
佐藤さん:ペーパー1には計算機を使わなくても解ける問題しか出てこないので、それらに絞って集中的に対策します。しかし、ペーパー2に出てくるような、小問1では計算機が必要なく、小問2以降は計算機が必要な問題も計算機を使わずに解く練習をすることで、ペーパー1と2の対策を同時に行うことができると思います。これは、数学の全体像を掴むことがIBには求められるからです。ペーパー3は一見、大問が少なくて解きやすそうに見えますが、小問が多いので、順序的な縛りが強くなります。前の質問の前提を次の質問に持ってくる理解力と応用力が問われます。ペーパー別の対策勉強をするだけではなく、「数学」を全体として捉えることが何より大事だと思います。
筆者:今更ですが、ためになります(笑)。
では、佐藤さん的に一番難しかった(勉強に時間を要した)分野はなんでしたか?また、それをどのように乗り越えましたか?
佐藤さん:自分の場合はTrigonometry(三角関数)とCalculus(微分積分)でした。特にこれらが融合した問題においては、解法のバリエーションが豊富なため、正しい式を変換するのが難しかったです。慣れないと解けないです。また、誤ったtrig identity(恒等式)を使うと一向に解けなくなり、時間も無くなります。時間のロスが多いと厳しいタイムリミットの中、更に頑張る必要があるので、問題の読解力を鍛える事も大事です。学校の試験でもタイムリミットは厳しかった記憶があります。
筆者:IBの最終スコアは、各種ペーパーによる最終試験だけでなく、IAの点数も含まれますよね。IAのトピックはどのように決めましたか?
佐藤さん:IAはいい思い出がないですね(笑)。自分の高校は11年生の初め、つまりIB開始後すぐにIAのトピック決めが始まりました。カリキュラムの内容を把握する前の段階からだったので、後から学ぶ概念を知っているという提で進めました。IB校によってIAの開始時期は異なると思いますが、こういった制度には少し疑問を感じました。最終的には、Web上の体験談などを参考に、計算しやすい定量的なトピック(惑星の自転と公転)を選びました。一見簡単でも、深く研究できるトピックは沢山あります。しかし、topic選択 → draft 1 → 最終draft というプロセスがあるため、時間は限られてきます。トピックを決めた後に頓挫してしまうと、プロセスを遡る必要があるため、最初のトピック決めで妥協しない方がいいです。
筆者:そうだったんですね!確かに、扱う数学の全容が掴めないままIAを書くのは大変ですよね。では、IAを書く上で意識したことはありますか?
佐藤さん:IA開始前、自分が思っていた数学は、ひたすら問題を解くイメージでした。しかしIAはエッセイ的な要素が強いので、順序を踏んだ説明が大事で、数学力があっても説明不足の場合は評価が下がるため、英語力や文章力が問われていると感じました。エッセイの構成は、生物や化学の実験レポートに共通する部分があると思います。また、扱う数学に関しても授業外の内容も含めないと評価が高くならないため、独学とリサーチ力も大事だと思います。まずは自分に最適なトピックを選ぶことが最重要で、それで評価が決まるといっても過言では無いです。先生と相談しながら決めることがベストなので、結局は先生との対話が大事、という話に帰着しますね。
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筆者:MATH AAといえば、まず謎にハイテクな計算機を買わされたイメージが真っ先に浮かびます(笑)
佐藤さん:あれ値段が高いですよね(笑)。自分はT-inspireのCAS(数式処理システム)が搭載された機種を買いました。CASが変数を全部解いてくれるので、答え合わせに便利です。しかし、試験中はCAS機能が制御されます。
筆者:そうじゃないと不平等ですもんね(笑)。計算機の良かった点は、関数グラフが書きやすい事でしたね。ただ、表記形式がRAD(ラジアン)設定とDEG(度)設定があって、形式を間違えると意味不明なグラフが作図されますよね。
佐藤さん:そうですね。基本的にはRADで答えを出さないといけないと思います。経験上、計算機なしで解ける問題が多いですが、時間短縮が肝のため、うまく活用したいですね。関数グラフの移動に関する問題は、計算機を使わずにセオリーで解いた方が速いと思うので、グラフを数式として理解するのも大事だと思います。この手の問題はpaper 1にも出てくるので、計算機を使う前に、手計算で問題を確認するのも勉強法として有効だと思います。
筆者:重さ的には他のSL科目と同じくらいでしたね。MATHという科目はどのカリキュラムでも、ある程度難しいと思うので、MATHを取るならIBディプロマをチャレンジしてみるのが良いと思います。MATHは評価が絶対的な科目であって、主観の入る余地が少ない点が良いですよね。
佐藤さん:自分はMATH AIを勉強したことはないですが、聞いている話からだと、AA SLはAI HLと同じくらいの難易度だと思っています。AA SLとHLの違いは、AA HLは2つほど科目が多くて、全体的に一段階くらい掘り下げているという印象です。他の授業も難しいですが、MATH AA HLは一二を競う勉強量と過去問の研究が求められると思います。
筆者:AA HLの学習はSLの内容を短期間でカバーした上で行われると聞いているので、佐藤さんの言葉にはとても説得力が感じられます。
佐藤さん:白石さんも仰られたように、数学の世界では1 + 1 = 2であって、それ以上でも以下でもありません。社会科目の勉強では思想の違いが生まれますが、数学は他の生徒とも答えが一致するので、友達と一緒に勉強するのが楽しい科目です。ゴールが明確なので、考え方を説明しやすく、同級生に数学を教えることで自分の理解度も確認することも出来ました。小学生に教えられるレベルまで概念を分解できると、完全に理解できているのではないでしょうか。
筆者:僕は10年生の時にIGCSEを履修してましたが、やはりIBに入ってしばらく経つと一気にレベルが上がった気がしましたね。IBも始めの一年は問題なく進められましたが、二年次からは概念が難化したと感じました。
佐藤さん:自分も10年生の時のカナディアンカリキュラムの数学は簡単だと感じました。これは、日本の塾で数学を勉強していたからだと思います。しかし、IBで一気に難しくなりましたね。それまでは数学のセオリーや原理を意識したことがなかったので、定期試験に備えるための勉強でも驚くほど難しかったのを覚えています。
筆者:SLで良かったことといえば、勉強時間が短かったことですかね。その分、他の科目に充てられる時間が長くできましたし、HLを4つ履修していた身としてはMATHがSLで助かりました。SLで悪かったことと言えば、理系大学の進路選択の幅が少し狭まるといったことですかね。当時はあまり理系に進むことを考えていなかったのですが、進路のビジョンがある場合は予め募集要項(科目条件)などを確認してSL/HLを決めた方がいいですね。
佐藤さん:まさにその通りですね。AA HLは進学選択の幅が広がりますし、そういう選定が特に厳しいイギリスの大学を受ける場合は意識した方がいいと思います。実際、自分が受けた大学を受験するには理系科目を二つHLで履修する必要があったのですが、自分はChemistryをSLで取っていました。しかし、MATH HLで理系HLのスコアを補填できたので、受験資格を得ることができました。HLの悪かった点としては時間の拘束が大きかったことです。なので、勉強していて辛いと感じる科目はSLで取ったほうがいいです。
筆者:好きこそものの上手なれ、って事ですよね。自分の場合は社会科学が好きで、Economics HLを取りましたね。大学では全く関係ない理学系に進みましたが…(笑)Math AAで学んだ微積分や統計学は大学の勉強でも使うので、結果として役に立っていますね。IAでも自分の好きなゲームを研究できたり、自由な視点で数学の応用が学べて楽しかったです。Math AAはこういったクリエイティビティー面の成長も促してくれたと感じます。
佐藤さん:自分の場合、IB開始当初は過去問を一つも解いておらず、点数が芳しくなかったです。イギリスの大学はIB二年目の10月には募集を開始するので、11年生(1年目)時点での内申点やpredicted grade(先生が判断するIBの予想点数)が非常に大事です。また、大学から提示されるコンディショナルオファー(条件付き合格)に応えるために、12年生は最終試験にしっかり備えましょう。とはいえ、勉強だけの学生生活はメンタルによくないので、自分は学業と並行してアイスホッケーをやってきました。学業と私的な時間のバランスを整えることも、自分は重要だと思います。何かでストレスを発散しながら頑張ってくださいね!
IB MATHのコース、そしてレベル選択についての体験談を通して、元IB生の本音を聞くことができましたね。
世界のどこにいても数学は同じで、だからこそ誰もが得点を狙える科目なのではないでしょうか。IB MATH AAはその難しさだけが注目されがちですが、意外な所に面白さが隠れているかもしれません。EDUBAL IBコースのMATH教師は、そういった部分も含めて教えてくれる、頼もしい先輩方です。是非、MATH AAに挑戦してみてください!
EDUBALでは、IB経験者で国内外の有名大学に通う教師が600名以上在籍しています。多様なバックグラウンドを持ち、みなさんと似た背景を持っていたり、希望する進路に実際に進んだりする方も在籍しているので、悩みに寄り添った指導や相談に応じることが可能です。
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