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帰国子女を受け入れている学校に、EDUBALアンバサダーが母親目線で学校訪問をするプロジェクト。今回は東京都東久留米市にある自由学園中等科・高等科です。2021年に創立100周年を迎えた同校は帰国生受入れの歴史も古く、「生活即教育」という理念とキリスト教精神を土台に独自の学びを実践している幼稚園から最高学部(大学)までの一貫校です。日本国内のみならず海外からも注目を集める同校。これまで取材してきた学校とはひと味違った自由学園の魅力に迫ります。
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西部池袋線「ひばりヶ丘」から閑静な住宅街を歩くこと約8分、キャンパスの入り口(正門)が見えてきます。「え?ここは公園ですか?」と思わず呟いてしまったのは、正門から校舎が一切見えなかったから。緩やかな坂を下って行くと、東京都市部近郊にありながら東京ドーム2.1個分の自然あふれる広大なキャンパスの中に、まるでジブリの世界を思わせるような昭和レトロの低層校舎が点在しています。校舎は米国の建築家フランク・ロイド・ライトの思想を受け継いで設計され、そのいくつかは、東京都有形文化財、東京都選定歴史的建造物、DOCOMOMO Japan選定「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」などに選定されています。どこを歩いても思わず深呼吸したくなるような空間が広がっており、青々と茂った緑が気持ちよく整備されています。
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【山本 太郎 先生】
教頭
担当教科は体育(専門は体操)
新卒から自由学園に勤務
生徒に体育座りをさせないのがポリシー
本校は「自治」「共生学」「探求」の3つを教育の柱に据え、創立以来「生活即教育」という理念のもと、社会をより良くする人を育てるための独自の学びを実践してきました。「生活即教育」とは教室の中でする学科の勉強だけではなく、一日24時間すべてが勉強であると考えています。自分で考えることを大切にし、実物に即し、本物に触れ、よく身につく勉強を目指します。キャンパス内には教室や体育館などの施設に加えて、美術工芸用の生活創作館や自炊用の大きな厨房、食堂、寮があります。また、野菜を育ている畑やパン工房があったり、豚や烏骨鶏も飼育しています。
本校は、教員が教員じゃない=教員は生徒に教えない学校です。教員は評価者という立場ではないので、生徒は先生に従うことを強要されていません。そこには生徒の権利があります。まずは権利を尊重した上で、寮生活を含めたさまざまな生活や学びの義務が存在しています。
旧来型の日本の教育じゃない学校を求めている方は、一度自由学園に遊びに来てください。
【藤 清人 先生】
広報部次長
担当教科は情報
8年前から自由学園に勤務
息子に学校で見つけた虫や動物の話をするのが日課
本校は偏差値を出していない学校です。創設当初から偏差値や有名大学への進学実績というベクトルで教育をするのではなく、生徒が主体となった学びを実践してきました。私は、かつて都内の進学校で教職に携わっていましたが、試験重視の指導方法や大学へ行くことだけを「目的」にしている生徒たちに疑問を抱いていました。
8年前、本校を訪れた際に、生徒が自分の言葉を持ち、とにかくよく話す姿を見て衝撃を受けました。なぜこのような生徒が育つのか?なぜならここでは自治教育という教育理念のもと、生徒の主体性が要にあります。例えば、教室の電球が切れても教職員は動きません。仕方がないから生徒が自分で電球を交換する。寮生活も含めて学園で過ごす時間全てが「生活即教育」に繋がっているのです。
もし、あなたが今通っている学校がつまらないなと感じたら、是非、自由学園に見学に来てください。
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様々な形態で繰り広げられる学びの様子
教科は学習指導要領に準拠した独自のカリキュラムを実施しています。授業の進め方についても決まりはなく、教員が工夫を凝らして自由に授業を展開しています。
本校に入学してくる生徒はいわゆる学力面での曲線が均一ではないので、一斉授業は効率的ではありません。多くの科目でショートレクチャーと演習を組み合わせ、生徒それぞれの個性や能力に合わせた個別の課題を与えています。課題の取り組み方は生徒に委ねられているので、グループで話し合いたい生徒はテーブルを囲んで学び、一人でやりたい子は床に寝転がって調べ物をしています。
オランダやデンマークの教育を手本にして取り入れようとする学校もあるようですが、本校では多様な生徒の学びの個別最適化、効率化を考えた時に、このような「学び合いを中心に据えたスタイル」になるべくしてなったと思っています。
はい、間違いないです(笑)。みんな本当に面白いですよ。いつもコーヒーを淹れている教員や赤ちゃんを抱っこして授業をしている教員もいます。学校としての教育理念はしっかり伝えたうえで、何をやるかはそれぞれに任せられています。5段階評価の成績表はありますが、ここ数年でテスト週間を廃止しました。レポートや口頭試問などを用いて、子供たちの学びの履歴さえ分かれば、評価方法も教員によって多様です。
寮は中等科から入れます。家族がまだ海外駐在中の帰国生や全国各地から入学した生徒など全体の約半数が寮で生活しています。本校の寮はただの寄宿舎ではなく、重要な成長の場です。寮の運営は生徒主体で行われ学年縦割りで一部屋7人前後が同じ部屋で過ごします。衣食住の大部分を寮生が協力して管理運営し、自炊当番、掃除、洗濯など自分のことは自分で行う共同生活です。朝食当番の生徒は朝4時半から厨房で人参を刻んだり、時には味噌汁の水配分を間違えて超薄味の味噌汁を生徒みんなが食べることもあります(笑)。
これだけのことを自分たちでやるには当然失敗がつきまとう。失敗できる場がある! ウェルカム失敗です!! これこそが「生活即教育」「自治」を学べる寮生活の醍醐味といえるでしょう。寮の自治は生徒管理ですが、養護教諭が寮長、寮母、教職員、家庭と連携を取って寮生の健康をしっかりサポートしています。
左:女子部食堂/右上:ピカピカに掃除された/右下:厨房薪をくべて米を炊く竈(かまど)
2024年度からの共学化の経緯は?
本校は女学校としての創設から100年、男子部創設から90年の歴史の中でそれぞれの良さをもって発展してきました。2021年には平和・人権・環境について異年齢グループで学び合う「共生学」をスタートしました。男女共学化はこれまでカリキュラム単位で実施してきた共生の概念を中高等科のシステムごと変えて、次の100年に向けて「共生共学」=共に生き、共に学び、共によりよい社会を創り出す学校を実現しようとする、新しい試みの第一歩となっています。
-自由学園リアル情報 Magazine JIYU「男女共学」特集号より-
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昭和レトロな校舎はどこを切り取っても絵になる
各学年でばらつきはありますが、中等科全学年で約200名、高等科全学年で約250名のうち約1割弱が帰国生です。本校では、交換留学生の受け入れもありますし、提携校のデンマークのホイスコーレなどから留学生がTeaching Assistantとして来たり、日常的に国際色豊かな環境があります。
全てハンドメイドでそれぞれの生徒のニーズに合わせた対応をしています。例えば、英語力が高い生徒がいれば抜き出しの授業を行なったり、全生徒が利用しているオンライン英会話ツールを利用して英語話者とレベル相応の英会話をすることもできます。
その他の科目に関しては、「日本語力」と「日本の文化」の問題があると考えています。
「日本語力」については、本校には日本語教師が中高で2名いますので、適宜抜き出しで1対1~2の個別指導をしたり、教材・プリントにルビを振って対応します。例えば、化学などの学習用語が分からないパターンでは、化学の授業を日本語教師が用語解説をしながら指導することもあります。
「日本の文化」の問題については、海外歴が長くて「織田信長を知らない」という生徒もいました。そんな場合は一緒に日本の歴史まんがを読むところから始めたこともあります。
本校には、心理士2名、ソーシャルワーカーが3名います。本人からのヘルプサインがあればフォローする体制はいつでもありますが、教職員は帰国生に気をかけつつも特別扱いすることはなく接しています。
以前、ひとりの帰国生が人種差別的な発言をされたことがありました。差別は無知から生まれると思います。教職員という立場から「差別をするな」と蓋をして制しても、無知が故に差別は繰り返されて結局アンダーグラウンドにいくだけなんですよね。この帰国生のケースでは、担任は加害生徒を難民救済などの人権活動をしている卒業生のところへ連れて行き、「世の中でどんな問題が起きているのか?」を学ぶ時間を作りました。学びしかないと思っていますので、特に人権侵害や命に関わる問題についてはじっくりと時間をかけて向き合うようにしています。
帰国生のR君(中等科1年)にインタビュー
4歳からオーストラリアに8年住んでいて、今年の4月から中等科1年に入学しました。はじめは、クラス全員が僕を受け入れてくれた訳ではなかったのですが、英語の授業が進んでいくうちに英語を通してみんなが「外の世界」があるってことを知ってくれて、それからガラリと変わってみんなが受け入れてくれるようになりました。
自由学園は本当に「自由」で、新しいことを自分から学べるんです。そしてそれを先生たちがサポートしてくれる、答えは言わないんだけど色んなやり方を教えてくれるんです。
この学校を知ったきっかけは、大好きだった祖母が、「自由学園っていい学校だよ」って教えてくれたことです。両親も自由学園の先生たちや緑が多いこと、自由学園の教育を気に入って僕にすすめてくれました。一時帰国の時に体験授業に来たりして「楽しい!」と思いました。豚やにわとり、うさぎを飼っていたり、池で魚を育てたり、桑の実でジャムを作ったりするのがすごく気に入っています。
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主体性を身につけてきた生徒たちですから、卒業後の進路も基本的には生徒自身で考え、教員は伴走役となります。ですので、本校では進路指導のことを「進路支援」と呼んでいます。
同キャンパス内にあるリベラルアーツを研究する最高学部(大学部)へ約27%の生徒が内部進学をします(外部からの入学者募集なし)。その他の生徒の進路は多岐に渡っていて、いわゆる有名私大に進む生徒もいれば、音楽大学や海外大学へ進む生徒もいます。帰国生は得意な英語を活かした進路を選ぶ生徒も多いですが、これといった決まった傾向はありません。
自由学園の進路実績:https://jiyu.school/career#univ
卒業生は様々な分野で活躍しています。自由学園卒といえばクリエイター系が多いという印象があるかもしれませんが、一般企業の会社員もいます(笑)。職種というよりは、そこでどう働くか?どうパフォーマンスしていくか?というところで自由学園らしさが出るのではないかと思います。
卒業生のキャリア情報:https://jiyu.school/career#career
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創立100周年を記念して発刊された「本物をまなぶ学校」
中等科・高等科それぞれ年2回帰国生入試を実施。
※出願前に来校またはオンライン受験相談を行うこと
入学案内:https://jiyu.school/admission
①出願書類に「自己紹介と志望動機を書いた作文(1,200字程度)」を提出
②試験科目:国・算 or 数・英・集団考査・面接(生徒・保護者)
入試での合否判定は、まずは本人の「自由学園に入りたいんだ」という意思を作文や面接でみます。次に、本校の教育理念をご家庭が充分に理解しご協力いただけるかを確認します。最後に学力テストの結果を参考にします。学力テストは全科目記述式がメインで「君は何を考えているのか?」を引き出す内容となっています。
★中等科は文科省の指導によりダウングレードの対応不可
★高等科はG9終了等の学年の縛りはない
高校1年生の1学期まで随時募集しています。詳細は学校までお問い合わせください。
【2024年度版】帰国子女枠受験でおすすめの中学校ランキング10選
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七夕の短冊の前で先生たちを囲んで記念撮影
自由学園は以前から私たちが「絶対訪問したい学校」のひとつでした。実際にキャンパスに足を踏み入れると、私たちの期待を何倍も上回る驚き、発見、感動がありました。日本の教育システムから一線を画した唯一無二の学校が100年も前に創立され、その理念を継承し続けてこられたことに感銘を受けました。海外の教育者からも一目を置かれ訪問者が絶えないことも頷けます。取材の中で忘れられないのは見学中に出くわした生徒たちとの会話でした。どの子も目をキラキラさせて、飾らない自分の言葉で私たちに語りかけてくれました。そして先生たちが、傍らで静かに最後まで話を聞いていた姿が心に残っています。
自由学園100周年を記念して発刊された「本物をまなぶ学校」にこんな一節があります。
『ある先生は、個人面談でキャンパス内を共に歩くという。誰もいない放課後の教室で向き合うのではなく、元気のない生徒がいたら、広いキャンパスをゆっくりと並んで何周でも歩く。空に伸びる木々を見つめ、やわらかい風に吹かれるうちに、心を開いてぽつりぽつりと胸の奥にあるものを言葉にするのだという。』
海外帰国生にも広く門が開かれている自由学園。この記事をご覧になって心に響くものがあったら迷わず学校見学へ足を運んでみてください!
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著者プロフィール
EDUBALアンバサダー
エアライン、外資系秘書、大学事務を経て夫のシンガポール駐在に3年間帯同。二人の娘は帰国高校入試を経験。
インスタグラム”EDUBAL more!”、帰国受験に寄り添うコミュニティEdu-more plusの運営を担当。
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下記では、今までEDUBALで指導を受講された生徒様、保護者様から寄せられた声を掲載しています。
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英検準二級に合格し、また苦手科目だった数学の点数が飛躍的に伸びました。結果が出ているので安心して任せられます。
とても熱心に指導していただきました。娘も説明がわかりやすいと言っておりました。
生徒に寄り添って根気強く教えていただきました。また、普段から励ましや声掛けなど勉強以外のところでも心の支えになり、モチベーションを上げていただきました。試験に向けての励ましやお声がけもいただき、落ち着いて試験に臨むことが出来ました。本当にありがとうございました。
受験した高校は親子そろっての面接なので、子どもの面接の様子を間近で見ることができました。想像していたよりもずっと立派な受け答えができていたので先生の指導によるものと感謝しています。また英作文のほうも内容・構成ともにしっかりしたものが提出できたようです。この度はご指導いただきありがとうございました。。指導の内容のみならず、生き様や学問に向かう姿勢、ご相談に乗っていただいた内容が、きっとこれから何年もキャリア形成に役立っていくと信じています。本当にありがとうございます。
保護者とも綿密に連絡を取り合い、こちらからのリクエストにも快く応じて内容の濃い授業を続けてくださいました。英語の能力も申し分なく、優しく分かりやすい授業だったと息子も言っております。先生のサポートのおかげで、第一希望の高校入試に合格できました。海外生活が長く日本語に不安がある状態での高校受験でしたが、同じような環境で受験をされた先生だからこそ気持ちを分かっていただけたのだと思います。お力添え、本当にありがとうございました。