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上野学園【国際コース】ってどんな学校?~帰国子女の母が行ってみた!~

上野学園中学校・高等学校
帰国子女を受け入れている学校に、EDUBALアンバサダーが母親目線で学校訪問をするプロジェクト。
今回は東京都台東区の中高一貫の共学校、上野学園中学校・高等学校です。2024年度から国際コースを新設し新たな一歩を踏み出した、上野学園国際コースを取材しました!今回はこの国際コースの設計、立ち上げを担ったロブ先生の授業を実際に見学し、先生から直々にお話を伺う大変貴重な機会となりました。
 

上野学園中学校・高等学校
上野学園中学校・高等学校ってどんな学校かしら

 

目次

  1. 上野学園の基礎情報
  2. お話を伺った先生方紹介
  3. カリキュラム・プログラム紹介
  4. 帰国生のフォロー体制
  5. 進路について
  6. 帰国生入試情報
  7. アンバサダー感想
  8. EDUBALで上野学園の入試対策を!

上野学園の基礎情報

上野学園中学校・高等学校JR上野駅から徒歩8分、正門から校舎への開放的なアプローチ

都市型スクールである上野学園の校舎は開放的で明るい造りが特徴的な15階建て。10〜14階は短大のフロアですが、地下に体育館、3階に食堂、4階に保健室や多目的ホールなど9階までを中高で利用しています。音楽科を持つ学校なだけに、各教室にはピアノがあり休み時間には生徒たちが奏でる音楽が聴こえてきます。15階には短大との共同利用の吹き抜けの図書館があり、フロアからはスカイツリーや、晴れた日には富士山まで眺望できます。


所在地 〒110-8642 東京都台東区東上野4-24-12
TEL:03-3847-2201
アクセス JR上野駅、東京メトロ上野駅、銀座線稲荷町駅 徒歩8分
つくばエクスプレス浅草駅 徒歩12分
京成線京成上野駅 徒歩10分
生徒数 中高あわせて約600名
国際コース(中1のみ6名)
帰国生割合 2024年度は帰国生入試未実施のため0名
コース 普通科・音楽科・国際コース(2024年新設)
帰国生入試 2025年度より開始
11月に対面・オンライン
英語(エッセイ)、算数、面接
編入 募集有り

1904年に女子校として創立した上野学園は、1949年に高校に全国初の音楽科を設置しました。1956年からは中学部に音楽指導科を設け、音楽教育に長けた学校として有名です。2007年には創立100周年記念事業として新校舎の竣工と共に男女共学化し今に至ります。
国立科学博物館をはじめとした多くの文化施設に恵まれた上野は、学びの場として最適な環境です。文化芸術の施設に徒歩でアクセス可能な希少な立地で、伝統と文化を継承する息吹を感じられる上野学園は、建学の精神として、自己の確立、人生を自ら決断する『自覚』を掲げています。
 

お話を伺った先生紹介

上野学園ロブ先生

【ロブ・ブライト/Rob Bright先生】国際コースのプログラムヘッド
2004年来日し英会話英語教師として勤務の経験後、広尾学園、広尾小石川で教鞭をとる。
2023年4月から国際コースをデザイン設計しコース立ち上げに従事。

 

ロブ先生の国際コースへの想い

これまでに例のない大きな新しいプロジェクトに日本で参画できる機会は、非常に魅力的なチャレンジでした。上野学園の国際コースでは、ケンブリッジ国際教育プログラムを『メッシュ』と呼ばれる学際的なアプローチで教えます。科目と科目をテーマごとに関連付けて教えるのが上野学園独自のアプローチであり、教師としても大きな挑戦ですが、生徒たちが点と点を繋げられるその瞬間に立ち会えるのは、とてもやりがいのあることです。

ロブ先生から帰国生へのメッセージ

I hope the students will look forward to coming to school.
In the International Course, the students will learn how to think deeply and express their ideas and opinions. Although there are going to be challenges, we hope that the collaborations and friendships that the students make with the local and global community will help them find their way; we want to support them and see them grow, discover themselves, and learn how they can show their unique personalities to the local community and the world.

国際コースでは深い思考力と考えや意見を表現する力を養います。日本の学校でケンブリッジ国際プログラムを統合し学習することは新しい挑戦ですが、ここ上野の恵まれた環境とグローバルな視点を持って、学際的なアプローチで英語と学習を協働させながら、生徒同士が互いに協同することで生徒達は自分の道を見つけていくでしょう。生徒の成長を見守り、彼ら自身が自己を発見し、未来を実現していくことを応援していきます。上野学園国際コースに期待して下さい。

 

カリキュラム・プログラム紹介

ロブ先生が指導するScienceの授業風景

上野学園中学校・高等学校
上野学園の国際コースの特徴について教えてください。

ロブ先生:
このコースでは、ケンブリッジ国際教育プログラムとCLILという『内容言語総合学習』を初めて合わせた本校独自の6年間のプログラムを展開します。日本の高校卒業資格を得た上で、世界で最も認められている大学入試のための資格の一つであるケンブリッジ国際教育プログラムのAレベル資格取得を目指します。カリキュラムは英語が7割、日本語が3割で構成され、テーマごとに科目同士を連携して言語学習と統合して繰り返し学習することで、教科学習内容と英語を同時に身につけるようにアプローチしています。

上野学園中学校・高等学校
近年イマージョン教育を行う学校も増えていますが、上野学園の国際コースのユニークさは何ですか?

ロブ先生:
私たちは国際コースを持つ日本の学校であり、そこで世界的に認められているケンブリッジのインターナショナルカリキュラムを学ぶことができるのは他校にはない大きな利点といえます。また上野という立地は、浅草エリアも含め探求的な校外学習の場として最適であり、日本の素晴らしい文化と日頃から身近に接点を持てるのは、日本人として豊かな人間性を身につけるにあたって素晴らしく価値のあることだと思います。生徒の学びに直に還元できる貴重なネットワークを持っている学校は希少といえるでしょう。

英語を習得するアプローチとしての大きな違いは、内容の理解を助けるためには授業中に母語である日本語を話して構わない、という点です。これによって生徒たちは共に学び合う姿勢を自然と築いていきます。また、第二外国語として英語習得経験のある教師を採用することで、言語習得までの困難なプロセスを理解しながら、生徒自身の“日本人としてのアイデンティティ”を大切にしています。
国語、社会、道徳を日本語で、その他の科目は英語(数学は日本のシラバスを英語)で行われます。ホームルームはインターナショナルティーチャーが担当し、一日の時間割は英語で行われる授業を午前中に固めて、午後は主に日本語での授業に割り振るなど英語と日本語が入り乱れないような工夫をしています。また、中学は給食制で、先生たちが持ち回りで3階の食堂で生徒と一緒に給食をいただきます。
 

上野学園中学校・高等学校
特徴的なケンブリッジ国際教育プログラムやCLILなどについて詳しく教えて下さい。

上野学園中学校・高等学校上野学園独自のユニークな授業が展開

ロブ先生:
ケンブリッジ国際教育プログラム

ケンブリッジの国際カリキュラムは教育のグローバルスタンダードであり、世界中の大学で認定されています。授業科目はケンブリッジに合わせながら日本の教育指導要領に則って国際コースをデザインしました。一方でケンブリッジならではのGlobal Perspectivesの授業などが組み込まれています。
AS&Aレベルは得意科目を選んで試験を受けられるフレキシブルな科目選択が可能です。これにより希望の科目を専攻したり幅広い分野を学習することもできるので学びたい事に対して柔軟で、国際社会に通じる学習やキャリアアップを追求していくことができます。

☑CLILー内容と言語の統合学習

CLILとは内容言語統合型学習(Content and Language Integrated Learning)の略で、言語と学習を統合した教育法です。特に英語初級者には言葉を関連付けたり、何度も反復しながら身につくように、複数の科目(分野)が一つのテーマでつながる英語学習を展開します。それにより科目のテーマ同士が関連付けられ包括的に物事を見る目が養われ、自然に英語と学習内容への理解を深めていきます。

 

上野学園中学校・高等学校
上野学園の国際コースならではのその他の取り組みはありますか?

ロブ先生:
☑海外研修

個人、チーム、コミュニティ、国際と段階的に4つのプロジェクトを設定し、生徒の英語スキルの向上を促します。ケンブリッジ国際認定校であることでこういった実践的なプロジェクトのサポートが受けられ、高校では英語圏の国へ海外研修へ行く計画をしています。

☑音楽教育

週一回音楽の授業ではビオラ・ダ・ガンバアイリッシュハープのレッスンを行っています。専門の先生から指導を受けられるのは、音楽科を持つ上野学園ならではです。1月には楽器を披露するコンサートがあります。また12月にはイギリスの音楽家マイク・スペンサー氏(元ロンドン交響楽団ヴァイオリン奏者・上野学園短大客員教授)を招いて、科目の枠組みを越えた学際的なミュージックウィークが3日間開かれます。

上野学園中学校・高等学校音楽の授業のひとコマ

 

帰国生のフォロー体制

上野学園中学校・高等学校少人数クラスだからできる手厚いフォロー体制

上野学園中学校・高等学校
初年度入学の生徒にどのようなケアをしていますか?

ロブ先生:
現在は日本語が第一言語の生徒が在籍しています。英語を中心とした授業の中で、日本語も英語の内容理解のために用いながら、教科横断型の授業で言葉や内容を紐づけて指導をしています。また生徒同士が助け合うコミュニケーションを大切にしています。国際コースの定員20人という規模は個々人に対するフォローができる最大数です。iPadやグループワークを取り入れたり新しい取り組みを加えていきたいです。
 

上野学園中学校・高等学校
今後帰国生を受け入れる中で英語や日本語のレベルにどのような対応を考えていますか?

ロブ先生:
一期生以降の国際コースでは帰国生を受け入れることで英語レベルも多様になると思いますが、個々に適した課題を用意し、生徒それぞれの学び方に合わせた教育を提供しながら、適宜学習アドバイスやサポートを行います。このようなきめ細やかな指導を成り立たせるために、今後も定員数20人を超えるつもりはありません。

 

進路について

上野学園中学校・高等学校明るく奇麗なキャンパス内の施設。左/図書室 右/体育館

 

上野学園中学校・高等学校
国際コースの大学進学先としてのビジョンはありますか?

ロブ先生:
ケンブリッジ国際カリキュラムが目指す学習者の姿勢として、Confident(自信を持つ), Responsible(責任を持つ), Reflective(思索的), Innovative(革新的), Engaged(主体的)の5項目を挙げています。この姿勢が身につくように日々サポートしながら、生徒の自主性を重んじて、生徒自身がやりたいことに対するベストな選択肢を実現できるように手助けをしていきたいです。国際コースでは英語を活用しながらAレベルの取得をめざしますが、生徒自身の未来に繋がる手助けとして必要となる英語の習得が目的です。生徒が主体的な将来像を描けるように学校側はサポートしています。ですので進学先として海外国内にこだわらず、実際日本の大学への進学は十分ありえると思います。生徒一人ひとりの進路を応援していきたいです。

帰国生入試情報

上野学園中学校・高等学校カフェテリア。中学生は先生と一緒に給食を食べます。

【上野学園ホームページ 「入試情報」】
https://www.uenogakuen.ed.jp/international/index.html

★詳細は必ず学校ホームページをご確認ください。

〈国際コース入試情報〉
【帰国生入試】
試験日程:11月23日(土)対面
     11月24日(日)オンライン
試験科目:算数(英語による出題)、英語(エッセイ250語程度)、面接(日本語と英語、出願時に提出する自己申告書(日本語)の内容に基づいて実施)
※オンライン受験の試験科目については、お問い合わせください。
 
【一般入試】
試験日程:2月1日(土)AM・PM
     2月3日(月)AM
     2月6日(木)AM
試験科目:英語(4技能テスト)、算数、面接
 
【編入試験】中学1年生を募集(2学期編入)
※試験については学校へお問い合わせください。

上野学園中学校・高等学校
どのような生徒にこのコースに入ってほしいですか?

ロブ先生:
英語を伸ばしたいという意欲がある生徒に是非来てもらいたいです。ケンブリッジの求める5つの姿勢を身につけるには時間がかかります。国際コースで力を伸ばしていくにはモチベーションが何より大切です。
私たちは国際コースの入試をdiagnostic exam“診断”と捉えていますので、試験の結果よりも受験生一人ひとりの学習意欲を重視しています。
 

渋渋
具体的な入試対策について知りたいです。

ロブ先生:
上野学園では国際コースの英語模試授業を受けられる『英語入試体験会』を全3回用意しています(複数回参加可能)。実際の入試に向けて、丁寧なフィードバックを受けることができる貴重な機会ですので是非参加してみてください。国際コースのホームページも参考にして下さい。

アンバサダー感想

取材後、イギリスの学校でよく見聞きした【Pastoral care】という言葉を思い起こしました。語源としては羊飼いパスターpastorが、羊の世話をするように人々をケアする意味を持つ言葉です。Pastoral care is a provision schools make to ensure the physical and emotional welfare of their pupils. It is the essential foundation upon which learning can take place.
帰国生にとって本帰国は、本人にもご家族にとっても日本(日本の教育システム)と今後どう向き合っていくかの一大イベントとして捉えがちですが、上野学園の国際コースは、生徒の主体性を大切に、個への最適な配慮やサポート、正にPastoral careに満ちた場所。最大20人というアットホームなコミュニティの中で、自己を見つめ直し、文化と芸術の上野に身を置いて世界まで視野を広げながら、“日本人としてのアイデンティティ”をじっくり育む中で、自身の価値観を再構築できる場所だと思いました。本帰国を機に舵を取り直すのではなく、これまでの自分の延長上に英語を基軸に世界を舞台に“なりたい自分”を描いていけるコース。
ロブ先生の実直な眼差しから、確固たる決意と展望が、国際コースにかける期待感と自信と共に、ひしひしと伝わってきました。今後の上野学園の変容に大注目です!


Writer Profile

EDUBALアンバサダー Kiko

夫のイギリス駐在に家族で帯同し、約6年をロンドンで過ごす。長女は現地校から日本の中学受験を経験し、家族で2023年4月に本帰国。帰国後の帰国子女のあり方を考えながら現在進行形で学習サポート、下の子の学校選びとまだまだ奔走中!

Kikoのnote記事

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EDUBALへの声

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  • ICT機器を上手く使って、息子に寄り添ってご指導下さりありがとうございます。

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