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帰国子女を受け入れている学校に、EDUBALアンバサダーが母親目線で学校訪問するプロジェクト。今回は横浜市南区にある神奈川県立横浜国際高等学校(以下、横浜国際)を訪問しました。
2019年に神奈川県内の公立高校として、初の国際バカロレア(以下、IB)認定校になった横浜国際。「世界市民として自立し、将来、日本及び国際社会におけるリーダーとして活躍する人材を育成する。」を教育目標に掲げ、2021年には学力向上進学重点校エントリー校にも指定されました。これまでの教育活動をさらに深化させる取組を行い、邁進し続ける横浜国際の魅力に迫ります!
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四季の移り変わりを感じられる校門風景
最寄り駅からバスに乗り、小高い坂を登りきると、淡い水色とピンクに彩られた校舎が見えてきます。2008年の開校以来、国際教育や語学教育、探究活動を重視した多彩な教育活動を展開してきた横浜国際。
国際科とIBコースがあり、IBではデュアル・ランゲージ・ディプロマ・プログラム(日本語ディプロマ)を実施しており、日本語ディプロマでは珍しいEnglishAも設置している点が帰国生の更なる成長をサポートします。
また、国際科では必履修である第二外国語の選択言語の中に、アラビア語を含む、公立学校には珍しいカリキュラムを持ち、総合的な探究の時間を核とした探究活動では「問題を立てるのも解くのも自分」と指導し、系統的に行う課題研究は大学入試の総合型選抜でも大いに活かせるスキルとなっています。
所在地 | 〒232-0066 神奈川県横浜市南区六ツ川1丁目731 TEL:(045)721-1434 |
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アクセス | 1.京浜急行「弘明寺駅」より、徒歩の場合は20分 バスの場合は「弘明寺口」まで徒歩2分、そこからバスに乗り、バス5分、「大池」下車徒歩6分、合計13分 2.横浜市営地下鉄「弘明寺駅」より、徒歩32分、バスの場合は「弘明寺口」まで徒歩12分、そこからバスに乗り、バス5分、「大池」下車徒歩6分、合計23分 3.JR戸塚駅「戸塚駅東口」より、バス25分、「大池」下車徒歩6分、合計31分 |
生徒数 | 各年次約185名 全校あわせて約550名 男:女 およそ3:7 |
帰国生割合 | 約1割 |
コース | 国際科 / 国際バカロレアコース |
帰国生入試 | あり |
転編入 | あり |
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【小河 多香路 校長】
〇2010~2013:神奈川県教育委員会高校教育指導課に指導主事として勤務し、高校入試、留学、高校生の米国メリーランド州教育特使派遣等に携わる。
〇2018~2020:神奈川県立横浜国際高校の教頭及び副校長として勤務し、国際バカロレア認定業務等に携わる。
〇2022~2023:神奈川県立横浜氷取沢高校校長
〇2023~現在:神奈川県立横浜国際高校校長
帰国生は自分の得意分野をしっかり持っています。自身の得意分野を伸ばしながらも「自分にないものを横浜国際で見つけたい!」と思う生徒や、国際・語学系だけでなく、総合教養を身につけたグローバルリーダーを目指す生徒にぜひ本校を志望して頂きたいです。
また、さまざまなバックグランドを持つ生徒達が、3年間お互いの違いを受け入れ、多様性を尊重する校風を帰国生にぜひ味わって頂きたいです。
東京都立国際高等学校ってどんな学校?~帰国子女の母が行ってみた!~
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生徒も先生も、クラス全体が活気溢れる授業風景。
小河 校長:
本校の学校目標は、将来自立したグローバルシチズンとして、国際社会で活躍するリーダーを育てることです。その手立てとして高度な英語教育、第二外国語、探究を重視した教育活動を行なっています。
以前は国際科の専門高校として、スペシャリストを育てるという大きなミッションを掲げておりました。しかし、数年前に学力向上進学重点校エントリー校に指定されてからは、スペシャリストを目指すだけでなく、引き続き語学系、国際系に強い学校でありながら、総合教養を身につけたジェネラリストを育成することをミッションとしています。
Alの進歩により語学だけではグローバルリーダーにはなれない時代です。語学プラス総合教養を目指していく中で、去年は医学部や東京工業大学へ進学した生徒もいます。このように本校は理系にも強くなってきています。
小河 校長:
学力向上進学重点エントリー校に選ばれた4年ほど前から、国際・語学系だけでなく、3年間を通して広く理系の科目にも重点を置いたカリキュラムを組みました。
それまで第二外国語を3年間学習する生徒が多かったのですが、1年次のみを必修として2、3年次は選択制にしました。そのことが理系を選択する生徒が増えてきたことと関係していると思います。
小河 校長:
本校には国際科とIBコースがあります。
まず、国際科では、高度な英語教育、第二外国語教育、探究学習、姉妹校交流などを特徴とする教育課程を組んでいます。
2008年の開校以来、第二外国語を必履修としているのが本校の特徴です。
フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、ハングル、アラビア語から選択できますが、その中でも、アラビア語を学べるというのは、全国の公立高校で本校のみではないでしょうか。現在は、シリア出身のネイティブの先生がアラビア語を教えています。
こうして、高校卒業時には、日本語、英語、そして第二外国語、計三つの言語を身につけて大学へ進学できるように指導をしています。
アラビア語でクラスからのメッセージ
小河 校長:
第二の特徴は総合的な探究の時間です。
本校では探究活動・課外活動を大切にしています。
中学校までは問題を出すのは主に教師でしたが、本校の探究の時間では、問題を立てるのも解くのも自分です。
探究というのは自分で問いを立てることが大事です。
その問いを立てる際に、どういう問いを立ててどのように解決に持っていくのか。そう考えていく中で、必然的に、環境問題や地球規模の貧困などの課題を取り上げるようになり、それが課外活動に繋がっていきます。
問題解決はAIが答えを出してくれる時代ですが、問題発見はまだまだAIではできない、人間がAIに譲っていない分野だと思っています。
そしてこれらの探究活動・課外活動の実績が、大学進学の際に総合型選抜の武器になっています。
さまざまな課外活動をしている生徒達はこれまでの経験をPRして、3〜4割は総合型選抜に出願します。総合型選抜に強いことも本校の魅力の1つです。
年次ごとにSR・PR・DRと呼んでいる横浜国際高校の
「総合的な探究の時間」
小河 校長:
本校のIBコースは16歳〜19歳を対象とする国際バカロレアディプロマ・プログラム(以下、IBDP)を、Dual Laungage(日本語と英語)で指導しています。
導入の仕方として、無理なくスムーズにIBDPに移行できるように、1年次の1月からDPを始めます。
また、第二言語として英語を学ぶEnglish Bを置くだけではなく、英語を母語として学ぶEnglish Aを設置したことが、帰国生の可能性を伸ばすことに役立っています。
English Aの存在はEnglish Bの生徒に対してもいい影響を与えています。
さらに、理系の開講科目が多く、理科で物理、化学、生物の3科目を上級レベル(以下、HL)で学べるのは珍しいと思います。
横浜国際IBコースのカリキュラム
English A(英語A)?それともEnglish B?IB(国際バカロレア)のEnglish科目選択について解説!
帰国子女におすすめの公立高校を厳選!高校受験を控える帰国子女必見!!
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小河 校長:
国際科の国語、数学、社会、理科の科目を対象に、日本語に課題のある帰国生徒には個別対応する授業を行っています。
1レッスンクラス約5〜6人の生徒に個別対応を取り、随時、成績結果で通常授業に戻す体制を取っています。
小河 校長:
校則は厳しくありません。さまざまなバックグラウンドを持つ生徒達が集まる学校ですので個性を尊重しています。
制服はなくブレザーが標準服としてあり、普段は私服です。式典や公式行事の際に全員ブレザーを着用します。
標準服はブレザーのみです。
スカート、スラックス、ワイシャツなどについては学びの場にふさわしいものを自分で選択し、着用します。
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小河 校長:
日本国内の進学率も高いですが、海外の大学に進学する生徒も多いです。これはIBコースにEnglish Aを作ったことも大きく関係していると思います。
小河 校長:
カレッジカウンセラーを2名から3名に増やしました。
各国の出願方法がそれぞれ違うので、その都度、国ごと大学ごとに研究して進路指導しています。本校の生徒のほとんどが奨学金を獲得しており、各方面の奨学金情報や手続きのサポートもしています。
掲示板に貼られたさまざまな外国語検定のポスター
大きな窓の向こうには広々としたテニスコート
日本語でIB取得可能?デュアルランゲージプログラム(日本語 DP)を取得できる日本国内の国際バカロレア認定校ランキング!
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【横浜国際ホームページ「入試情報」】
高等学校
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/63368/16_r7kaigai.pdf
★詳細は必ず学校ホームページや説明会等でご確認ください。
【横浜国際 海外帰国生徒特別募集 入試情報】
■国際科:学力検査(英国数)、日本語面接、日本語作文
■国際バカロレアコース:学力検査 (英国数)、日本語面接、日本語作文、特色検査 (自己表現検査)
※英国数は、一般募集と同じ内容
海外帰国生徒特別募集の紹介文
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/65112/r7yokohamakokusai.pdf
小河 校長:
入試問題の国語・英語は一部が記述式ですが、ほとんどがマークシートなので書くリテラシーよりも読むリテラシーが求められます。
また、日本語作文では、入学後に日本語の授業についていけるかどうかも判断するため、ある程度の字数とテーマに沿った内容が書けているかをみています。
小河 校長:
可能です。
国際科とIBコースは、どちらかを第1希望とし、もう一方を第2希望とすることができ、検査は第1希望の検査を受検するので、2回試験を受ける必要はありません。
小河 校長:
IBコースの特色検査は神奈川県で指定されている学力向上進学重点校エントリー校共通問題と本校独自の問題で構成されています。
本校IBの独自問題は、自分の考えを150〜200語程度の英語で記述する問題です。
小河 校長:
はい、あります。
まずは神奈川県教育委員会の転編入学情報センターにお問い合わせ頂きます。そこで内容を聞き取った上で各学校に紹介するという流れになります。
また、本校の帰国転編入の場合は面接、作文のみの試験となります。
転編入学情報センター
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/dc4/nyusen/tenpen/tenpenjouhou.html
帰国子女の高校編入、どう対策するべき?条件や制度についても理解しよう!
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横浜国際訪問の感想を一言で表すと、それは「自由!」
学校訪問中にいくつかクラスを見学させて頂きましたが、どのクラスも教師と生徒の個性が光り、相互から発せられるモチベーションの高い活気のある授業風景でした。
その様子から小河 校長の仰っていた、
「さまざまな国を経験した帰国生が、多様性の尊重という校風を作り、横浜国際の雰囲気を作ってくれている。」という言葉が伝わってきました。
校則がほとんどなく、自主性を尊重し、伸び伸びと個を育てる傍ら、自ら問いを立て解決に導く探究活動で培った探究への姿勢が、公立校では珍しいほどの海外大学進学率に繋がっているのではないかと思います。
これからも、横浜国際から続々と未来のグローバルリーダーが誕生することを期待しています。
シンガポール在住歴14年、アメリカ国籍の主人と国際結婚。 3人を子育てしながら、通信制大学で心理学を専攻中。育児支援コミュニティKids Priority Cafe主宰。趣味は教育・海外生活について綴るnote執筆。好きな言葉は「始めれば始まる」。子どもたちの中高帰国子女受験を経験。
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