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海外赴任中、日本の勉強どうしてる?~帰国中学受験を見据えて~

日本の勉強
 
海外赴任中の日本の勉強。みなさん、どうしていますか?
学校生活を充実させつつ、本帰国までにできるだけ英語力を高めたいと考えるのが親心。現地で身に付けた英語力や価値観は、お子さんにとって一生の財産になるのですから当然のことですね。
でも帰国後のことを考えると日本の勉強もやっておかないと、不安…帰国中学受験も視野に入れたいし…
そのバランスをどう取っていくかは、大きな課題です。

ただいずれ日本に帰るならば、英語だけではなく、日本の勉強もしておくことをお勧めします。その理由は大きく2つ。

1.日本の学校に戻った時に、遅れた教科があるとお子さん自身が大変になること。
2.帰国中学受験をする場合は、近年は英語の難化が進み、英語で差別化できなくなっているため、国算も重視されていること。

できる範囲で、準備をしておきたいですね。

今回は、インター校に通いながら帰国中学受験を経験した我が家の経験をもとに、
★海外赴任中の実際の学習の進め方やポイント
★中学入学後の学習面の様子

以上をご紹介します。

目次

  1. 【海外赴任中】国語は最優先
  2. 【海外赴任中】算数はとても重要
  3. 【海外赴任中】理科・社会は受験が終わってから
  4. 【海外赴任中】勉強のやり方は?
  5. 【海外赴任中】おわりに
  6. 海外赴任中の日本の勉強のフォローはEDUBALで!

1.【海外赴任中】国語は最優先

国語や日本語は、とても重要です。お子さんの日本人としてのアイデンティティを保つためにも、日本語や日本の文化はご家庭で是非大切にして欲しいところ。
海外赴任中に、英語と引き換えに日本人らしさや日本語を失ってしまうのは残念なことです。これは、長期にわたり海外生活をされているご家庭にとっては、特に心配な点かもしれません。
英語力の向上と共に、日本語力の維持を心掛けることをお勧めします。

日本では「何を勉強するにも国語力がすべての基本」と言われますね。そして「英語力は、持っている国語力以上にはならない」とも。
国語力があると、他の教科の学習もスムーズです。
 

まずは漢字と語句。そして読書!

国語の勉強としては、まずは漢字や熟語などの習得から始めましょう。受験を考えてからスタートすると、地味な勉強で量も多いため、なかなか定着せず嫌になってしまいます。最終的な目標は、学年相当の漢字の読み書きができることです。
ですので、漢字の勉強は早いうちに日常の生活に組み込んでください。コツコツと続けることがポイントです。続けていると、お子さん自身が「漢字は部首の組み合わせだ」と気付くかもしれません。漢字や語句問題は、帰国中学受験では大きな得点源になります。学校の先生方も「漢字の読み書きはできて欲しい」とおっしゃいます。
漢字や語句の習得に、漢検の勉強は最適です。漢検合格をモチベーションにするのもお勧めです。

あとは「自分の考えを表現して言語化すること」ができると良いでしょう。最近は受験で、作文やエッセイが必要な学校が増えています。
その対策としてやっぱり読書は非常に有効。なかでも物語文をお勧めします。小学生のうちに物語文ををたくさん読み、その状況を想像して表現ができると理想的。それができるお子さんは、英語力も高いことが多いです。読書はのちのち、国語にも英語にも大きく効いてきます。

2.【海外赴任中】算数はとても重要

算数については、得意不得意がはっきりすることもあり、中学以降も差が大きくなりやすい教科です。苦手意識があると、そもそも後回しにしてしまうのではないでしょうか。
日本の算数と海外の算数は、進度もアプローチも異なるため、両立は難しいかもしれません。ですが日本の算数は、是非勉強を続けて欲しいと思います。
 

すべての道は計算から

まずは計算を固め、その後簡単な文章題に取り組んでいきましょう。是非教科書を大いに活用してください。日本では計算力は必須、これがないと次のステップに進めません。これも漢字と同様、継続的に続けることが大事です。

帰国後に日本の中学に入学すると、苦手でも数学からは逃げられません。文系でも高1までは必修です。世界的な理系重視の流れとともに、日本でも数学が重要視されているため、学校によっては高3まで必修ということも。
さらには大学受験では、経済学部などで入試に数学を導入する流れがありますし「理系寄りの文系」は大学入試でも就職でも強いと言われています。つまり、文系学部で数学を選択すると強みになるということです。

日本の中高の数学は海外に比べて難易度が高く、さらに中高一貫校では先取りもしているため、進度がとても速いです。何もしていないと帰国後、一番苦労する教科だと思います。海外にいても、算数もなんとか頑張っていきましょう。
 

では、受験の算数の対策はどうすればいいの?

帰国中学受験の算数の対策としては、学校によって大きく難易度と傾向が違ってきます。志望校にあわせた対策が必要です。
一般的には、まずは冒頭の計算問題と、一行問題を確実に。応用問題は落としても、ここができれば一定の点数を稼ぐことができます。
一般生と同様の難易度の高い問題を出題する学校もありますが「帰国生は、計算や易しい問題など、基礎だけでもやっておいて欲しい。算数は受験科目から外せない」という学校が増えている印象です。

そんなわけで帰国中学受験では、算数をやっていると学校の選択肢が大きく増えます。そして算数がカギになるのは、一般受験と同じ。算数ができると非常に有利です。帰国生で英語も算数もできることは大きな強みとなるでしょう。

3.【海外赴任中】理科・社会は受験が終わってから

海外滞在中には、ほとんどのご家庭が理科・社会の勉強はされていないのではないでしょうか。我が家も、在籍していたインター校の学習や習い事を中心に考えていたため、理社の勉強はいっさいしませんでした。
そのため日本に帰国し中学校に入学すると、一番苦労したのは、理社でした。やってないのですから当然です。
ただ周りのお子さんたちは、一般入試で理社もしっかり勉強してきた強者ばかり。さらには、中高一貫校の理社は難しい!こんな難しいことをもう中学でやるんだ、と、子ども以上に親が焦りました。
帰国生は理社については、間違いなく苦労すると思います。
 

理社は「追いつける」!

幸い、帰国生の理社については、学校の先生たちも「最初は分からなくて大丈夫。学ぶ意欲さえあれば、自然に追いつくから」とお考えのようです。帰国生には英語のアドバンテージがあるため、大学受験まで他の教科を先に仕上げて、理社はそれからで十分間に合うとも言われます。

日本の中高の理社のカリキュラムは実によくできていて、中学で学んだことを高校でもう一度学び直す仕組みになっています。確かに時間は掛かりますが、帰国生も、必ず追いつけます。ただ分からない箇所は、どんどん先生に質問をする姿勢は大切です。
我が子も入学後、理社の概念や学び方を理解したようで、約1年半ほどでなんとか一般生に追いついたように感じました。

ですので、理社については受験が終了した段階で、基本の概念だけでも学んでおくと、入学後が楽だと思います。
例えば教科書をさらってみる、学年相当のワークブックをやる、オンライン学習ツールをやってみるなど、何でもよいでしょう。基礎的なことを知っているだけでも、より早く追いつけるのではないでしょうか。何より、お子さん自身の安心に繋がります。

振り返ると、理社の学習は生活に直結しているので、学びとして非常に面白いと思います。海外にいても、生活の中で理社を意識したアプローチをして、お子さんの興味関心を掘り下げていくと、探究活動などで、のちのち大きな力になるのではないかと感じています。

4.【海外赴任中】実際の勉強のやり方は?

毎日の家庭学習で基本を作ろう!

では、海外でどうやって勉強していけばよいのでしょうか。我が家の例を紹介します。

我が家は朝、登校前の30分程度、漢字や計算などをタブレットで学習していました。特に受験を意識してはいませんでしたが、いずれ日本に帰るのだからと思い、現地の生活に慣れたあとに少しづつ始めて、ルーティン化していきました。この取り組みはとても有益でした。受験をしよう!となった時に、家庭学習で基本ができていたのが良かったと思います。

家庭学習のコツは、細く長く。継続と習慣付けがカギです。そこは親の頑張りも必要でしょう。
 

塾や家庭教師は利用するべき?

我が子の場合はその後、国算について非受験クラスの通塾をスタート。インター校に通っていたこともあり、日本のカリキュラムに沿った適当な応用力をつけるのに有益でした。
模試やオープンテストで立ち位置を確認したり、初見の問題がどのくらいできるかが可視化されるのも、塾を利用するメリットだと思います。

受験が近づいてからは、短期でオンライン家庭教師で対策をしました。我が家が感じたオンライン家庭教師のメリットは以下の通りです。
 

【オンライン家庭教師のメリット】
・時間と体力がセーブできる(親も送迎が不要)
・子どものスケジュールに合わせることができる
・習い事や各種活動と両立しやすい
・子どもの学習状況に合わせた柔軟な対応をしてもらえる

 
ペースメーカーとしての週2程度の通塾と、オンライン家庭教師の併用で、結果的に現地での生活に大きな負担がかからずに、帰国中学受験に臨むことができました。

5.【海外赴任中】おわりに

海外赴任中に少なくとも国語と算数は、日常生活の中で短時間、家庭学習をしておくと、帰国後の不安が少しでも軽くなるのではないでしょうか。

帰国中学受験を考えると、一般受験では入りにくい学校にも帰国生だったら入りやすいなど、その属性を活かすチャンスが多くあります。
一方で、必要とされる英語力も上がり、どんどん難化が進むのも最近の帰国中学受験の一面です。英語力にあわせて、国語と算数の学力が備わっていると、とても有利でしょう。

ただ期間限定の海外での生活が、日本に帰るための勉強に追われるのはもったいないですね。そのバランスのとり方が親としての腕の見せ所かもしれません。

入学後についてはやっぱり「本人の意欲や頑張る力」が一番大事だと思います。
分からない箇所をそのままにせずに先生に聞きに行く姿勢や、みんなに早く追いつきたいという意志があれば、きっと大丈夫です!

いずれにしろ、中学以降は早い段階で子ども自身が「自主的に学べる人」になる必要があります。親は少しずつ手を離すべきでしょう。
学力をつけるとともに、お子さんのマインド作りも意識してみてください。

帰国生をお持ちのご家庭のみなさんが、充実した海外赴任生活を送れますように応援しています!


Writer Profile

EDUBALアンバサダー Keiko

ボランティアで交換留学生のサポートをする傍ら、小中学生の学習指導などにあたる。海外赴任に帯同後、大学を卒業した1人目、高校生の2人目はいずれも帰国生受験を経験。

Keikoのnote記事

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