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日本人留学生に人気なイギリスの大学。中でも、DP生の受験者数が多く、世界大学ランキングでも高い評価を受けているのがユニバーシティカレッジロンドン(UCL)です。ロンドンの中心街にキャンパスを構え、世界中から学生が集まるグローバルな総合大学として名を馳せていますが、実際に通っている学生はどのような生活を送っているのでしょうか?本記事では、カナダの全寮制IB校でDPを取得し、UCLの薬学系学部に進学された佐藤さんに、海外大進学やUCLでのキャンパスライフについてお伺いしました!
UCLやイギリスの大学に限らず、IBと受験について貴重なお話を色々とお伺いしましたので、大学進学を控えている学生、そして保護者の皆様は必見です!
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)ってどういう大学?選考ってどれくらい厳しいの?
【受講者インタビュー】IBで42点を取得し、第一志望のUCL大学に合格!
まずは、佐藤さんのプロフィールのご紹介です!
佐藤さんのプロフィール
2003年生まれ、東京都出身。2021年Upper Canada College(カナダ)卒、現在University College Londonの薬学系学部(Bioprocessing of New Medicines)に在学中。EDUBALで体験レッスンの指導経験を持つ。
HL: Biology/Mathematics AA/Economics
SL: Chemistry/English A Literature/Japanese A Literature
筆者とは西町インターナショナルスクール在籍時に知り合い、10年来の仲である。将来はワクチン開発や薬理セラピーで起業し、人々を助けたいと意気込んでいる。
筆者:佐藤さんが海外大進学を進路として選択された理由をお聞かせ下さい。
佐藤さん:自分は高校時代にカナダの全寮制の学校に通っていたこともあり、海外での就職も視野に入れていました。海外での生活に慣れていた事が大きなファクターだったかもしれません。
筆者:先を見据えての選択だったのですね、さすがです!イギリスの大学を受験した理由はありますか?
佐藤さん:イギリスの大学は三年で学士号が取れるので、コストパフォーマンスに優れています。学位取得までのタイムカット(四年生大学と比較して)もできるので、勉強量こそ多いですが、その分早く社会人になれます。また、院進のタイミングも早いのでその点もプラスなのではないでしょうか。自分はマスター(修士号)取得も考えていますが、仕事を始めたい気持ちもあります笑。
筆者:UCL以外の大学も受験されましたか?
佐藤さん:オックスフォード大学のBiomedical Sciences, ICL(インペリアルカレッジロンドン)の生命科学系学部,そしてKCL(キングスカレッジロンドン)も受験しました。アメリカの大学も何校か受けました。
筆者:そうだったんですね!やはり海外大を目指す場合は併願がスタンダードになってきますよね。
佐藤さん:そうですね。イギリスの場合はUCASという出願システムを通じて受験する大学に共通のエッセイ(志望動機書)を提出するので、併願するにしても一つの学部(学域)に絞るケースが多いです。というのも、志望動機書と学部の専攻にミスマッチがあると本命ではないことが見透かされてしまいますからね。その分野を強く希望する理由、動機を持っておくべきだと思います。
筆者:受験生はなかなか大変ですね…イギリスの大学を受験する上で抑えるべきポイントはありますか?
佐藤さん:UCASはレファレンス(指導教員からの推薦文)を見られるので、高校の教員とは良好な関係を築くことも大事だと思います。必ずしも専攻したい科目とレファレンスを書く教員の指導科目が合致する必要はないので、文理問わず、信頼できる教員がいると心強いです。オックスフォードなどの独自システムを採用している大学ではUCASのみならず、ペーパー試験や口頭試問が別で課せられます。正直、IBでそこそこのスコアを取れば世界ランキング20~11位くらいの大学は狙えると思いますが、10位以上の超トップ校はスコアはあくまでも通過点って感じかもしれないです。
寮から見たイギリスの夜明け(佐藤さん撮影)
筆者:佐藤さんはアメリカの大学も受験したとおっしゃいましたが、イギリスの大学受験と違いはありましたか?
佐藤さん:
アメリカの大学受験では、「サプリメンタリーレファレンス」という形で、スポーツや課外活動での実績を学業と切り離してアピールできます。また、高校時代の学びがどのように大学での学びに直結するかを見られます。自分はとある出来事から生命救助に強い関心を持ち、IBで生物HLを学び、EE*も生物で書いたことを強調しました。夏休み中に聖路加病院で看護助手のインターンをした事も書きました。
イギリスは出願できる学部の上限が5個までで、大学数は4つに絞らないといけません。アメリカはこの点自由なので、IB以外の受験方法もあったのですが、カリキュラムの透明性が高く、評価されやすいIB DPのスコアを利用して受験しました。IBは国際的に認められていて、大学受験との親和性も高いです。11年生時(高2)のはじめにはどの学部を受けるか決めて、12年生の九月時(新学年開始時)にapplication(出願)を始めました。基本的に11年の成績(内申点)で合否が決まりますが、出願が遅い場合には12年生の成績も一部反映されると思います。
*EE = Extended Essayの略称。IBDPを取得するための必須要件で、IB生は全員、自分の設定したテーマについて、英語であれば4000語、日本語であれば8000字の論文を書かなければならない。
*A Level = 主にイギリスで採用されている高校のカリキュラム。IBと同様に、最終試験の点数を利用して大学受験を行うのが一般的。
筆者:UCLのキャンパスがある、ロンドンにはどのような魅力がありますか?
佐藤さん:ロンドンはファイナンスもバイオも強いです。かの有名なアストラゼネカの本社もあります。ロンドンは空港のアクセスがいいので、気軽にヨーロッパ旅行ができるのも魅力だと思います。自分は、フランス、スペイン、ポーランドにギリシャも行きました。やはりイギリスの中心地ということもあり、色んな著名人が集まりますし、何百万円か公演費がかかるような業界人の話が無料で聞けたり(学内で)、立地的なメリットは大きいと思いますよ。ロンドンは「良い天気」以外は何でもあります(笑)。ロンドンは何事においても自分から動かないといけない風潮があるので、みんな勤勉で機敏ですね。UCLがオファーしているインターンの模擬面接もブッキングは自分でやらないといけないですし、自分でリサーチした上で就活相談をしないといけないので、大学生は皆んなしっかりした人になれると思います。
ロンドンの中心地、スカイライン
筆者:そこが魅力だと気づくところが、さすがですね(笑)。IBを経てUCLに入るのは、どのようなアドバンテージがありましたか?
佐藤さん:UCLではセルフマネージメント力が必要で、勉強のレベル的にもすぐにハイレベルなものを求められるため、IBの経験は活きると思います。高校時代にA level*などのIBではないカリキュラムしか履修していない場合、履修制限があって一年時に登録できない授業が多いです。IBによる大学の単位免除はないのですが、UCLの理系学部を受験する場合、学部のリクアイアメントとして「化学HLが必須」などのケースもあり、そもそも高校で科目を取っていなくて、成績が良いのに受験不可という最悪な事態が起こり得ます。ある程度受ける大学学部を固めた上でIB科目を選択するのがベストで、IBで学問の基礎を固めてから大学で専門科目を始められるアドバンテージは大きいです。
筆者:大雑把な質問で申し訳ないのですが、UCLでの授業はどういうスタイルですか?
佐藤さん:セミナーとレクチャーの二つに分かれています。レクチャーでは、先生が講義内容をあらかじめプレゼンとして用意(これはイギリスの場合ほとんどの大学で)しています。一学期の授業はたとえば週に2回、2時間と1時間半のレクチャーがあり、1時間ほどのセミナーといった按配ですね。セミナーがレクチャーの後に来るパターンが多いです。レクチャーの前からオンデマンドでビデオを視聴する課題があるので、予習は大事です。忙しい時は夜中まで勉強しないといけないので、忙しいタイミングに試験が被ると苦しいです。
筆者:やはり勉強量は大変ですよね…一年時の時と二年次時では勉強の量も変わってきますか?
佐藤さん:一年目はUCL指定の必修科目を履修します。一年で120単位取る必要があるのですが、一つの授業で平均15単位(たまに30)取得できて、一週間に3,4時間(2時間授業で残りの時間はセミナー)費やします。セミナーは少人数、大体先生1:生徒5の割合で構成されていて、教授によってスタイルが違うのですが、レクチャーの予習をしたり、新しいコンテンツを学んだりします。宿題の答え合せをする時もあります。
二年目もUCL側指定の授業を取ります。一年目は7個指定だったのが、二年目は6個指定なので、若干裁量性が高くなります。自由に選べる科目のうち、一個は言語科目を選ぶ必要があり(自分の学部では)、なおかつ自分のレベルに相応しい授業でないといけないです。レベルは4~7まであり、4が一番簡単で7が一番難しいです。5、6の授業を取るには4の成績が必要など、色々な制約があります。そういう意味で、授業を「選ぶ」のは難しいです。3年間で90単位はレベル6以上のものを取得しないといけないですし、レベル4の科目は120単位以上とってはいけないので、楽に卒業するのは不可能です。
筆者:アイスホッケーをしながら、しっかりと単位を取れているのは本当にすごい事ですね。UCLでの学業、やはり難しいですか?
佐藤さん:勉強のレベルは高いと思います。70点以上が所謂「良い成績」なのですが、90点以上には誰も届かないです。100点満点は聞いたことがないです。友達の中でも85点取れれば優秀といった感じで、教授も絶対評価を貫いています。単位自体は勉強すれば取れると思いますが、良い成績を収めるのが極めて難しいです。イギリスは優が100~70、特良が70~60、良60-50、可50-40で、ほとんどみんな「特良」か「良」に振り分けられます。自分の学部は小さい学部だからこそ、サポートは厚いのですが、数学やファイナンスなどの規模が大きい授業は人が多すぎて集中できず、個別サポートも受けられないことがあります。学生としてはエッセイのフィードバックがほしいですが、それは試験の答えを要求するのと同じようなことなので、なんとも言えないです。ちゃんと自習できる生徒じゃないと厳しい学校かもしれないです。
UCLアイスホッケー部キャプテンの佐藤さん(後列左から4番目)とチームメンバーの集合写真
筆者:佐藤さんがUCLに受かるために意識的に行ったことをお聞きしてもいいですか?
佐藤さん:
イギリスの大学はconditional offer*がメインになるのですが、12年時の11月には大体の合否が分かり、UCLもその一つでした。自分はまず、他の受験生と自分をどのように差別化するかについて考え、入試のエッセイは専門のチューターを雇って書くことにしました。高校生活を振り返ると、自分は「リーダー」に徹して、10年生時に同級生たちに日本語を教えるクラブを立ち上げ、コロナで学校に来れない学生に向けてZoomでアットホーム会やお悩み相談会を行いました。中学時代はアイスホッケー部でもキャプテンを務めていたのですが、高校ではカナダ流のホッケーに苦戦した為、リーダーとして活躍した経験だけでなく、どのように困難を乗り越えたかもエッセイで書き、それが評価されて合格に至ったのだと思います。キーワードは「行動力」だと思います。実は外部のクラブチームでもアイスホッケーをしていたり、ボランティア、英数の無料チュータリングなど、CAS*と関係ないところでも社会奉仕活動をしました。あとはIBスコアだけです。Conditional offerに見合う成績を残せるかが大事で、その点、自分は11年くらいから生物化学の勉強をより入念にしておけばよかったと感じています。今振り返ると、IAもより洗練できたと思います。
筆者:合格しているにも関わらず、反省点を振り返っているところがさすがですね。入試を乗り越えて合格したUCLの推しポイントはどこですか?
佐藤さん:規模が大きいところですね。いろんな人に会えるので、横のコネクションが広がりやすいです。部活もいっぱいあります。色んな人種の学生がいるので、多様性に触れたい人にもオススメです。キャリアサポートも充実しているので、卒業後の進路についても安心ですね。スポーツが好きであれば近接している公園でバスケやキャッチボールをしたり、ビルキャンパスですが、体育館もあり、屋内施設でフェンシングもできます。また、気晴らしにカフェに行ったり、街を観光したりもできます。UCLの医学部に通う友人は附属病院で勉強をしていたり、学びの機会がいろいろ与えられているのも魅力だと言えます。
*Research Question = IB最終試験を受験する前に大学側から提示される仮合格(スコア条件)。
*CAS = Creativity, Activity, Serviceの略で、IB Diplomaを取得する上で全生徒が修了しなくてはならない課外活動。
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筆者:佐藤さんは学部内でどのような授業を履修しましたか?またおすすめの授業があれば教えて欲しいです!
佐藤さん:Manufacturing Regenerative Medicineという最先端の再生医療について学ぶ授業やCell Prodcution Growthという細胞の培養について学ぶ授業が印象に残っています。また、ある授業では薬の調合について実践的に学ぶことができ、バイオリアターやファーメンターなどの精密装置も学生主体で取り扱いました。自分の学部は薬学系という事もあり、どういう薬がどういう生物に適合していて、逆にどういう生物に適応しないかについて学ぶ授業も履修しました。Regenerative Medicineの授業は特に興味深く、医学的な勉強に加えて、医療技術を開発するための方法論やクオリティーチェックについても学ぶことがきました。
授業風景(佐藤さん撮影)
筆者:とても専門的な勉強ですね。自分は生物系の学科で勉強していますが、学部レベルでバイオリアクターを生徒主体で使用させるのはすごいと感じます。卒業研究なども既に始めていますか?
佐藤さん:そうですね。自分は早い段階で生物化学系のラボに入り、STR-PCRと呼ばれる遺伝子解析を行ったり、細胞の電気泳動や培養を行っています。自分のラボでは実験をデザインすることが重視されているので、実験機材や装置の仕組みを勉強したり、合理的な実験プロセスを日々追求しています。
実験の過程(佐藤さん撮影)
筆者:授業に研究とキャンパスでの活動が忙しいと思いますが、寮での生活は過ごしやすいですか?
佐藤さん:寮の質は良いですね。家賃は高いですが、ほとんどの寮がキャンパスから近いです。近いほど価格が上がりますけどね笑。ガス代と光熱費は家賃に含まれているのですが、調理ができない寮もあります。調理ができないところはレンジが使えるのと、あったかいお湯が出るだけですね。自分の寮のご飯は美味しかったですが、寮によっては美味しくないと聞くこともあります。また、寮には音楽室やみんなで遊ぶラウンジもあります。また、自分が訪れたフラット(寮と別にある男性用の居住宿舎)は部屋数が多く、皆んなとキッチンでご飯を作って食べたりしました。
筆者:男子校時代を思い出す楽しい学生生活という感じが伝わってきます!やはり、寮やフラットなどのコミュニティーでできた友達と過ごす時間が多いですか?
佐藤さん:そうですね。しかしながら、学部の友達と授業を一緒に受けて、流れでお昼ご飯を食べたり、勉強や宿題をして過ごす時間が一番長いかもしれません。学内外のイベント情報を共有したり、旅行にも一緒に行きました。自分の知る範囲では、UCLは全体的に人間関係を築きやすいと感じます。
夜のUCL Main Campus(佐藤さん撮影)
佐藤さん:UCLの学生は、みんな学習意欲が高くて、良い意味で真面目な子が多いです。もちろん日本人コミュニティーもありますし、逆に多文化なコミュニティーもあるので、誰にとっても楽しい学部生活が待っています!ただ精神的に自立している人が多いので、自立してないと大変かもしれないです笑。友達を積極的に作りにいきましょう。もしこの記事を読んだ方いれば、UCLでお話ししましょう!
佐藤さんのインタビューを通してUCLの魅力がより伝わりましたね!UCLは理系の学生が学べる環境が整っており、学生同士の交流もとても盛んですね。IBDP生にとっては特に好条件な大学なのではないでしょうか?イギリスの大学を検討している方は、是非UCLのapplicationも検討してみてください!
EDUBALでは、IB経験者で国内外の有名大学に通う教師が600名以上在籍しています。多様なバックグラウンドを持ち、みなさんと似た背景を持っていたり、希望する進路に実際に進んだりする方も在籍しているので、悩みに寄り添った指導や相談に応じることが可能です。
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勉強に対するモチベーション維持が上手な先生です。 生徒のロールモデルとなって指導してくださいます。
短い期間でしたが、計画性をもって的確に指導していただきました。
同性で同年代だったため気負うことなく受講できました。短い間でしたがお世話になりました。ありがとうございました。
何が本質であるかを捉えて、根本から考えさせるように導いてくださいました。愛情ある厳しい指導で、子供の学習意欲も高まりました。また成果も確実に出されており、圧倒的な存在感で信頼できました。
一方通行の授業ではなく生徒の意見もしっかり取り入れながら臨機応変に対応してくれます。又、歳も近いので色々些細な事柄も相談しやすかったです。