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これからIBを履修しようか考えている方、IB科目選択を控えた方、現在IBで学ばれている方、さらに保護者の皆さまもIBの科目選択に関する疑問は尽きないかと思います。
実際、私がIBの科目選択を控えていたころ、
「この科目はどっちのレベルで取るのがいいんだろう?」
「このGroupからどっちの科目を選択するべきだろうか」と悩み、
IBが始まってからは、
「この課題はどのくらいの比重があるのか」
「この科目はどんな試験なんだろう」
など常に疑問が尽きなかったのを覚えています。
本ページはLanguage A (第一言語)からJapanese A Language and Literatureの科目についてIB経験者の筆者がIB生・Pre-IB生が持ちうる疑問に詳しく解説していきます。
(※本ページの内容は2021年の試験より使われるシラバスに基づいています。)
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Japanese A Language and Literature は、IB選択科目のうちLanguage Aに属し、主に日本語が母語である生徒向けの科目です。そのため、日本語が堪能だからといって容易に高得点が取れる科目ではありません。
また、Language and Literature(言語と文学)というように、日本語を、「言語としての理解」と「文学の学習」という二つの観点から行います。具体的には、文学作品の他に広告文、政治演説、新聞記事の分析などが挙げられます。これらは、Areas of Explorationという分析の軸が3つ定められており、これを中心に分析や鑑賞をすることが多いでしょう。
先述の通り、Japanese A Language and Literatureは日本語が母語・第一言語の生徒に向けた科目です。日本語が得意な方、好きな方、文学作品に触れることに限らずさまざまなテキストタイプに興味がある方にぴったりの科目です。Language Aのハードな部分としては、文学の鑑賞スキルが必要となるため、日常的に読書するからといって自ずと得意になれる訳ではない点です。読んだ内容と当時の社会背景を紐づけたり、作品に散りばめられている伏線を回収したり、慣れない作業が伴うので、全体としてJapanese に限らず、どの言語でも難易度の高い科目になっているでしょう。
もちろん日本語が第二言語以降の方でも履修することが可能ですが、全体的に難易度が高いと言われています。そのため、「日本語に自信がないけど日本語を勉強したい!」という方で希望する進路にJapanese Aの要件がない方はSLを選択するか、Group 2: Language Acquisition (習得言語)のJapanese B(日本語を第二言語以降として学ぶ科目)を選択肢として設けてもいいかもしれません。
まず、IBのルールとしてHLの科目は240時間以上、SLは150時間以上の授業時間を設けることが定められています。Japanese A Language and Literatureでは、HLで6冊、SLで4冊の文学作品を読み、分析を行います。どちらのレベルを選択したとしても最終試験ではPaper 1と2の試験があり、Oral試験も課されています。それに加え、HLを選択した生徒は、授業で扱った作品について2400〜3000字で論文を書くことが求められています。
どちらのレベルを選択するかは、生徒の文理選択や志望する大学かで大きく変わるでしょう。特にIBでは、HLは基本的に3科目、最高でも4科目でしか選択ができないので、理系志望でGroup 4 (Science系統)で2科目、数学でHLを選択したとしてJapanese AでHLを取るのが最適なのか吟味する必要があるでしょう。
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Japanese A Language and LiteratureとLiteratureは、どちらも作品ができた社会的・文化的背景などを考慮しながら作品の鑑賞をすることが求められます。しかし、Literatureは言語的アプローチやテキストタイプの学習がなく、その分文学作品の分析に焦点が当てられています。そのため、HLでは13冊、SLでは9冊と、Language and Literatureより多くの文学作品の鑑賞を行います。また、文学作品のみを扱うことから、Literatureのほうが難しいと感じる生徒も少なくありません。
本を読むこと、文学作品を鑑賞することが好き、または、将来国文学系に進学したい方はJapanese A Literatureを選択することをおすすめします。反対に、言語学的なアプローチが好きな方はLanguage and Literatureを選択してみても良いかもしれません。
しかし、Language Aはその言語が母国語の生徒が選択しても容易に高得点が取れる科目ではありません。そのため、最終試験のみならずOralや各課題などにも時間をかけて取り組む必要があります。Japanese A Language and Literatureの勉強法や対策法については後のセクションで解説しています。
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Language Aをどの言語で取るかは、自分がどのくらいその言語に自信があるかと自分が希望する進路を考慮した上で決定するのが良いでしょう。
例えば、欧米圏のトップ大学に進学を希望する場合、一部の大学でEnglish A を履修していることが出願の必要条件となっている場合があります。一方で、日本語が第一言語ではない方で日本国内の大学に進学したいと考えている方はJapanese Aの履修を日本語力の証明として求めている場合があります。
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External Assessment (外部評価) |
Paper 1 | 比重:HL 35% SL 35% 試験時間:HL 2時間15分 SL 1時間15分 内容:初見の非文学作品を分析して設問に答える |
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Paper 2 | 比重:HL 25% SL 35% 試験時間:HL 1時間45分 SL 1時間45分 内容:4つの設問から1つ選び、それに対して学習した文学作品2つを比較しながら、論ずる |
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HL小論文 | 比重:HL 20% SL なし 内容:授業内で扱った非文学作品について、自分で設定したテーマで、2400から3000文字の小論文を執筆する。 |
Internal Assessment(内部評価) | IO(個人口述) | 比重:HL 25% SL 35% 試験時間:HL 15分 SL 15分 内容:非文学作品と文学作品に見られるグローバルな問題について生徒が口頭で発表し、学校の先生からの質問に答える |
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上記の表に記載されている通り、HLで選択した場合はIBの最終試験で合計4時間にも及ぶテストを受けることになります。これはJapaneseに限られたことではなく、Language and Literature全ての科目に当てはまります。また、どちらのレベルも最終試験で初見の非文学作品について分析を行い、そのスキルが問われます。本番で苦手なテキストタイプが出題されても困らないように、早いうちから苦手を潰し、どんな問題が来ても対応できるようにしておくことが大切です。一方、Paper 2は4つの設問に対して、みなさんが学んだ作品について書くことができます。その分、最終試験までの2年間でしっかりとその作品に対する知識を定着させておく必要があります。
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この教科は、各作品やそれぞれのテキストタイプの特徴、効果、内容などを早いうちから定着させ、それを本番に応用できるかが肝となっています。また、初見のテキストタイプを分析するスキル、今まで学んだ作品を分析するスキル、グローバルな社会問題に対する知識を応用するスキルなど、さまざまなスキルが求められるのが特徴です。このセクションでは、Paper 1, 2, Internal Assessment, EEの勉強法について解説します。
Paper1では広告文や新聞記事など文学以外のジャンルから文献が出題されます。初見で行われる試験であるため、準備は困難ですが、以下の項目に注目して分析を進めるとまとまった論文が書くことができます。
①要旨をまとめる:文献の題名、ジャンル、いつ、どこの国で出版されたものか
②内容とテーマを考える:文献の内容、主なテーマや題材
③対象としている読者を分析する:筆者が意図している読者は誰なのか、読者にどのようなメッセージを届けたいのかなど
④文献の目的を考える:筆者は文献を用いて読者を説得しようとしているのか、情報を提供しようとしているのか、楽しませようとしているのか、など
⑤構成について分析する:文献の構成は筆者の目的を果たすためにどのような働きをしているか
⑥文体について分析する:文体の工夫とその効果
Paper 2では授業で学んだ文学作品を用いて試験問題にエッセイ形式で答えます。この試験では過去問(Past Paper)を集め、数をこなし、それらの分析をして学んだことが活かせるようにしておきましょう。
というのも、過去問の問題に対応する分析論文を一通り書いておけば、本試験で似たような題材が取り上げられた時に、過去に考えていたアイディアを応用することができるからです。
しかし、もちろん過去問と全く違う傾向の問題が出題されることもあるので、授業で取り扱った小説はなるべく多方面から徹底的に分析し、熟考しておきましょう。
例えば、小説の背景設定、登場人物、重要なシンボルや題材に注目し、それらが小説のストーリーや筆者の意図に与える効果を分析することでどのような問題にも対応できるようになります。
また、文学作品からのquotes(引用文)を挿入すると論文の具体性が増すので、作品を読んでいるときに分析の根拠に使える、と思ったquotes(引用文)に付箋を貼って暗記しておくこともお勧めです。
Individual Oral(IO)では生徒が事前に自分で文学作品と非文学作品を一つずつ選択し、「自分で選んだグローバルな問題が、学習した 2 つの作品の内容と形式を通してどのように表現されているか分析しなさい。」という問いに口述で答えます。発表のテーマとアウトラインを事前に準備し、発表を10分間、先生とのデイスカッションを5分間行います。
事前に自分で発表テーマと使用する作品を選ぶことができ、じっくり分析をし、アウトラインを作る時間があるので、Finalの前に点数を稼いでおけるチャンスです。
IBOの提示しているグローバルな問題とは以下のものを指しています。
・広範な規模で重要性をもつ
・国境をこえて存在する
・地域の日々の生活に影響を及ぼす
・探究領域から1つ以上の領域にふれる
<例>
ジェンダーとセクシュアリティーについて/政治における権利と責任について/人間と自然環境の関係性について など
グローバルな問題を選ぶ時に気をつける点は以下の通りです。
・問題が広すぎず、狭すぎないこと
・両方の作品にバランス良くふれること
・グローバルな問題の表現のされ方、作者の意図や、これらが読者に与える影響などについてふれること
グローバルな問題について、口述の中で触れるべき点は以下の3点です。
・グローバルイッシューが、今、どのような問題になっているか
・グローバルイッシューについて、作者・筆者はどのような考えをもっているか
・そのグローバルイッシューについての考えが、それぞれの作品中でどう述べられているか
Extended Essay(EE:課題論文)でIB Japanese A Language and Literature(日本語A: 言語と文学)を選択するにはグループ1で「日本語」を履修している必要があります。IB Japanese A Language and Literature(日本語A: 言語と文学)のEEには次の3つのカテゴリーがあります。
①日本の文学作品を深く掘り下げて分析を行う論文
②日本の文学作品と翻訳された文学作品を比較する論文
③言語を研究する論文
EE(Extended Essay)に使う文学作品は授業で分析したものも使用することができますが、その場合は授業内容の範囲を超えた、生徒が独自で考えたオリジナリティのある分析が求められます。一方で、新しい文学作品を選ぶ場合はIBが認定した筆者の作品に限らず、十分な文学的価値がある作品なら自由に選ぶことができます。
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Japanese A Language and Literature という科目は、決して容易ではありません。ですが、時間をかけてしっかりと勉強することで、母国語である強みを活かして、十分に対策ができる科目と言えるでしょう。
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瀬戸 先生(慶應義塾大学 / 経済学部)
瀬戸 先生(慶應義塾大学 / 経済学部)
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筒井 先生(University of Oxford / 基礎工学)
筒井 先生(University of Oxford / 基礎工学)
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高原 先生(トロント大学 / Faculty of Arts and Sciences)
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