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これからIB(国際バカロレア)を始めるみなさんの中には、
「IB Mathにたくさんの種類があり、それぞれどう違うかわからない」
「進路が決まっておらず、どれを取ればいいのかわからない」
「自分の進路にはどれが必要?」
「Math HL取りたいけど、レベルはどのくらい?」
など、自分の進路に関する大切な選択なだけあり、たくさんのお悩みがあるかと思います。
本ページでは、IB Math(国際バカロレア 数学)それぞれのコース(AI/AA・SL/HL)の違い、レベル、誰に向いているかなど、Math科目選択のお役立ち情報をIB経験者の筆者が詳しく解説します!
IB(国際バカロレア)のDP課程を修めるには、決められた科目群の中から科目を選択する必要があります。(科目選択の解説はこちら)
生徒が文系でも理系でも、IBでは4つあるMath(数学)のコース(本ページで詳しく解説します)のうち一つを選択しなければなりません。
また、IB Mathでは、外部評価(最終試験:80%)と内部評価(校内課題:20%)の二つを踏まえて最終的なスコアが算出されます。(IB Mathの採点方法はこちら)
IB(国際バカロレア)の数学にはAnalysis and Approaches (AA)とApplications and Interpretation (AI)の2つのコースがあり、それぞれStandard Level (SL)とHigher Level (HL)があります。このセクションではAAとAIの違いについてご紹介します。より詳しい説明をお探しの方はこちらの記事もぜひご覧ください。
【学習内容】*指導時間順に表示しています
HL | Calculus(微分・積分) Geometry and Trigonometry(幾何と三角関数) Numbers and Algebra(代数) Functions(関数)/ Statistics and Probability(統計と確率) |
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SL | Calculus(微分・積分)/ Probability and Statistics(統計と確率) Geometry and Trigonometry(幾何と三角関数) Functions Numbers and Algebra(代数) |
【解説】
全体として、数学的思考力の育成を目的としているため、微分積分、三角関数、代数学など、関数を用いた数学に焦点を当てて学習します。
関数という単元自体に割く時間はさほど長くはありませんが、関数ができた上でその応用にフォーカスされているので、DPを始める前に高校1年生までの基本的な関数は最低限マスターしておきましょう。
【レベル】
HLのみならず、SLも比較的レベルが高い科目といえます。HLでは、一部大学レベルの内容も学習し、DP最終試験の時点で数IIIまでの内容は網羅してあることが理想です。SLの難易度としては一条校の数IIBから数III程度と言われています。
特に、国内外の名門大学へ進学を希望される方は、点数の指定がある場合があり、Math AA HLで高得点をとることが必要(7/7しか受け付けないところもあります)です。またAA SLを選択した方でも、入試において周りとの差がつきやすく、差をつけやすいと考えられるのが数学ですので、しっかりと学習しましょう。
【こんな人におすすめ!】
HL:国内外の名門大学の理系に進学したい方、数学が好き・得意な方、理系の中でも工学や数学系に進学したい方
SL:理系に進学したい方、文系で未だ進路を決めきれていない方、社会学系統に進学したい方
【学習内容】*指導時間順に表示しています
HL | Statistics and Probability(統計と確率) Geometry and Trigonometry(幾何と三角関数) Functions(関数) Calculus(微分・積分) Numbers and Algebra(代数) |
---|---|
SL | Statistics and Probability(統計と確率) Functions(関数) Numbers and Algebra(代数) Geometry and Trigonometry(幾何と三角関数) Calculus(微分・積分) |
【解説】
統計学に重きをおいて、AAより実用的な数学を学びます。そのため、日本の一条校でよく見られる数学とは異なり、関数電卓を用いたデータの分析などに焦点が当てられています。そのため、AI の対策はIBカリキュラムに特化した勉強法が特に大切な科目といえるでしょう。
一方で、大学の学部学科によっては、AA の履修を必修としているところもあり、AIでは出願できないところもあるので、希望の大学の募集要項をあらかじめ確認してから科目を選択しましょう。
【レベル】
IBの最終試験を受ける際、全ての試験で計算機を用いてよいことから、AA より難易度が低いと感じる方もいます。特に、微分積分などの数学的な単元が苦手で、国際系の学部に進学する生徒に比較的人気な科目となっています。
一方で、特にHLでは、プリム法(Prim’s Algorithm)などコンピュータ言語でも用いられるような内容を学習するため、一概に簡単とはいえず、Math AIのレベルも高いと言えるでしょう。
日本の一条校の学習指導要領のフォーカスとも異なるため、学校以外での教材(塾など)へのアクセスが比較的少ないというデメリットもあります。そのため、将来、これらの更なる応用をする情報学や統計学の専攻を考えている方など、高得点が欲しい方はIB経験者によるサポートを受けられると良いでしょう。
【こんな人におすすめ!】
HL:情報・統計学などを勉強したい方
SL:国際教養学部、文学部などへの進学を希望する方
IB Mathでは、AA/AIどちらを選択するか、またHL/SLどちらを選択するかによって、試験の採点方法が異なります。このセクションでは、IB Mathのそれぞれの採点方法を紹介しています。
External Assessment (外部評価) |
Paper 1 | ・計算機:AAなし AIあり ・範囲:シラバスの全て ・試験時間:2時間 ・配点/比重:110点/30% ・試験のスタイル: AI: Short Answer Questions AA:記述式 |
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Paper 2 | ・計算機:AA/AIどちらもあり ・範囲:シラバスの全て ・試験時間:2時間 ・配点/比重:110点/30% ・内容: シラバスを網羅した上で記述式の解答が求められます。 |
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Paper 3 | ・計算機:AA/AIどちらもあり ・範囲:シラバスの全て ・試験時間:1時間 ・配点/比重:55点/20% ・内容: 記述問題が2題出題されます(小問もあり)。 Problem Solving(問題解決力)が重要視され、論理的に解答することが必要です |
External Assessment (外部評価) |
Paper 1 | ・計算機:AAなし AIあり ・範囲:シラバスの全て ・試験時間:90分 ・配点/比重:80点/40% ・試験のスタイル: AI: Short Answer Questions AA:記述式 |
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Paper 2 | ・計算機:AA/AIどちらもあり ・範囲:シラバスの全て ・試験時間:90分 ・配点/比重:80点/40% ・内容: AA/AI:シラバスを網羅した上で記述式の解答が求められます。 |
Internal Assessment (内部評価) |
Mathematical Exploration (全コース共通) |
・比重:20% ・内容: シラバスの中からトピックを選び、実生活に応用したものを12〜20ページのレポートにまとめて学校教員に提出します。採点は学校の担当教員が行います。 |
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【解説】
AA SLとAI SL、AA HLとAI HLはそれぞれ評価の比重と時間配分が同じとなっています。
学習内容の他に大きな違いは、AIは全Paperで関数電卓を使用できるのに対し、AA Paper1では使用ができない点です。そのため、AI選択者は最終試験までに関数電卓を確実にマスターする必要がありますし、反対に、AA選択者は関数電卓に頼らなくても自分で答えまで導く能力が必要となります。
ここでは、IBMathで7/7を取った筆者がIB Mathで高得点を取るコツを紹介します。
IB Mathの科目構成がこのような形(AA/AI)に変更になってからまだ年数が浅いので、現時点ではそれほど多くの過去問が手に入るわけではありません。ですが、一度解いてから時間をおいて再び解くと、自分が理解していない点が炙り出されます。試験問題はシラバスに基づいて作成されるので、シラバスをカバーしている教科書の例題も、問題の傾向や重要視されているコンセプトを知る有効な手段の一つです。
AIのみならず、AAでも高度な関数電卓のスキルが必要です。
特に統計の単元では、関数電卓がないとそもそも解けない問題が多くあります。試験で緊張するとど忘れしてしまうかもしれないので、例題を解くだけでなく、本当に計算機の使い方を理解しているか、試験前にしっかりと確認しましょう。
IBは最終試験の少し前ごろから、IA・EE・Oral・TOKなど多くの校内評価の大きな課題の締め切りが短い期間に集約されます。また、IBを始めてから時間が経てば経つほど学習する内容の難易度が上がります。
そのため、時間があるうちにある程度の方向性を決め、ゆとりがあるうちに完成させることを強くお勧めします。IAの説明を受けてすぐのあたりからどんな内容でIAを書くか、その都度担当の教師に相談し、該当範囲の理解を深めることが大切でしょう。また、IAの成績は全体の成績の2割を占め、かつIBのルール上、学校の教師は提出前に一度しかレポートに目を通すことができないため、高得点を狙っている方は、 IB経験者の家庭教師 にアドバイスしてもらうのもおすすめです。
これはMathに限ったことではありませんが、わからないところがあったら、その場で解決する癖をつけることをお勧めします。わからないまま放置すると、理解していないコンセプトの応用で確実に躓きます。特にIBでは、特化した学習塾などがほとんどないため、周りに頼れる人を探すのは大変かもしれませんが、現在はIB経験者のオンライン家庭教師サービスもあるので、利用するのもいいでしょう。